昨年の1stアルバム『Real Rider』をリリース後、今年に入り「応援歌/風」「晴伝説」と次々とヒット・シングルをリリースし、確実にジャンルを越えた人気を得ている湘南乃風。この度、待望の2ndアルバム『ラガパレード』をリリースと言うことで、Shock Eye、Red Riceの二人に話を聞いた。

アルバムを聴いていると、自分達の世代でしっかりとシーンを引っ張っていこうという意識を感じるんですけど。
Shock Eye(以下S):俺らの前の世代の人達もずっとそう言う気持ちでやってたから。やっぱレゲエ・シーンが今の様に確立されたのは、「自分が」って言うよりも、レゲエを愛してシーン全体の事を見てきてた人達のお陰だから。俺らも新しい世代なりに引っ張って行ければいいなって。それで俺らを見てまた次の世代がレゲエを引っ張っていってくれれば、ずっとフォーエヴァーなんじゃないですかね。

アルバム・タイトルの『ラガパレード』はどういう意図で?
Red Rice(以下R):自分らのライヴっていうのは、誰よりも盛り上げたい、他のヤツには負けたくないっていうのを念頭に置いてやってるし。で、その盛り上がる感じとみんな一体感になる感じ、大勢で一つになって突き進んでいくみたいな所がちょっと(暴走族の)集会に近いものを感じて。そのライヴ自体を集会になぞって『ラガパレード』ってタイトルにしたんですけど。

「応援歌」があれだけヒット(オリコン最高位19位、23週チャート・イン)した事についてはどう思ってますか?
S:この曲ってメンバーも超好きなんですよ。ムーミンもすっげえ好きだって言ってくれて。やっぱホーム・グロウン然り、みんなの愛情がこもっている。あんまり商業的には考えてなくって、こういう歌が歌いたいって所から入って、なんか凄くガイダンスから生まれた曲ですね。

他のアルバム収録曲についても訊きたいんですけど。「ロッキン・ワイルド」は?
R:1stの1曲目に「ワイルド・スピード」ってありますよね。それと「晴伝説」のカップリングの「スティル・ワイルド」もあって、今度は「ロッキン・ワイルド」って来て。今んとこ続編になってて“ワイルド3部作”と言うか。まだまだ続くかもしれないですけど(笑)。
S:「風」は、全ての曲の中で一番コンセプトを立てた曲ですね。最初4人のマイクリレーっぽい自己紹介的なチューンを作る事だけは決まってたんですよ。で、色々音源捜して鍵盤叩いていた時に出てきた尺八の音が気に入ったんで、テーマもそっちに寄せて行って、時代も戦国で、俺らも侍だったり、その時代の言葉を使ったりして作ってみようって。英語は使わずに全部日本語で。
 「L.A.P〜One Love〜」ってスキッドから繋がってるんですけど、世界平和じゃないですけど大きい事を言いたくて。でも、実際戦争って言ったって戦争を体験してない世代であって。勿論、漠然と悪い事はだって分るんですけど。それをどう説いていくかって言うところで、俺らは身近なイジメをテーマにしました。それがホント大きくなったら多分争いなるんだと思うんですよ。戦争って国と国とのイジメだと思うんですよ。子供の頃、俺ももしかしてイジメてたし、イジメられた時もあったかもしれないし、そう言う一番ホントにリアルに感じて物申せるトピックだと思うんですよ。それが争い事の一番原点っていうか…。それをみんなにイメージしてもらえればいいかなって。

それぞれのコンセプトに関してはどんな感じでに詰めてるんですか?
R:4人共作曲に関しては、最初とことんみんなで話し合うんですよ。そのテーマに対しては勿論、これはどういう物語で、誰に向けて歌って…と言う所を、みんなで凄い意思統一をして作るから、個々のパートでもテーマがブレずにハッキリしてくる。
S:逆に個人曲はセルフプロデュースって感じなんですよ。誰も口を出さず、それぞれやりたいようにやった感じですね。
 今回のアルバムは、これは俺の事、私の事言ってんのかな?って思いながら聞いて欲しいですね。まぁ、セカンドはこんな感じで。また、サードはどうなるかわかんないですけど。

ところで、自分の親にも自分達の作品を聴かせてるんですか?
S:昔は親も反対してて「働け!」とか言われてて。でも、こういう風にCDとか出せる様になって変わったっすね。やっぱり、認められた。やってる事がやっと分ってもらえたと言うか、ちゃんと真正面向いて曲を聴いてくれる様になった。昔は俺もどこか恥ずかしくて聴かせられなかったけど、それが今は真正面向いて曲も聴かせられるし、親も一番応援してくれてますね。

最後に読者にメッセージを。
R:俺的には振り幅っていうか、4人のキャラっていうのが前回よりも濃く出ているアルバムだと思う。それで4人のキャラを解ってもらった上で、また4人曲を聴いてもらうとより楽しめるんじゃないかな。色んな聴き方が出来る様になってるんで。
S:エレファントマンって結構ポップじゃないですか。しかも他のジャマイカンのアーティストと一線をかくすような楽曲をやってるじゃないですか。でも、あれは今ど真ん中のダンスホール・レゲエでもある訳ですよね。ボブ・マーリーは世界を席巻したじゃないですか。あれも凄く俺の中ではポップなんですよね。あれもレゲエじゃないですか、ど真ん中の。元々ポップってポピュラーって意味だし。結局、プレイヤーがレゲエ魂を持っていれば、それも全てレゲエなのかなって思うんですよ。そこまで行くか分らないですけど。そこまで行けたらいいなって思うんですよ。





『ラガパレード』
湘南乃風
[Toy's Factory / TFCC-86165]