STAY FOCUS / SIZZLA
[VP / VPCD1669]


物凄い気迫を感じます。しかしながら彼は毎回、全力投球なので特に今回に限ってという事では無い筈なのですが、いつも以上にかなりハードコアな印象を感じるはずです。しかしその中にあるレベル・ミュージックとしてのレゲエ、愛を説く音楽としてのレゲエ、そしてラスタ・スピリット、それらを掴み取れれば、ますますシズラのファンになってしまうはずです。相性抜群のエクスターミネイター作品。[輸入盤](鎌田和美)

TEK WEH YUH GAL / COCO TEA
[ROARING LION / RLKOKLP-2004]

久し振りに感じるココ・ティのニュー・アルバムは、彼自身がプロデュース。全体を通して古き良き時代を感じさせるタイプのサウンドを軸とし、変に流行の音を取り入れる事はしていないため、一聴した感じでは地味な印象を受けるかもしれないが、彼の優しげでいてちょっと男っぽいバッドなところも良く出ています。派手さは無いが聴くほどに味が出るような作品なので、長く付き合えそうな一枚です。[輸入盤](鎌田和美)

STRIP TEASE / LADY SAW
[VP / VPCD1683]

アルバムとなるとかなり久々じゃないでしょうか。シングルはコンスタントにリリースしているだけにブランクなどある訳も無く、キャラも確立しているだけに彼女のファンは期待して絶対に損はしません。“フィエスタ”等の大ヒット・リディムから、未発表の曲までヴァラエティに富んだサウンド・プロダクツで華やかな一枚に仕上がっていると思います。R&Bファンの方々からの注目も高まりそうな作品。[輸入盤](鎌田和美)

RANDY'S VINTAGE DUB SELSECTION 1969-1975 / V.A.
[/ JPCD 014]

ジャマイカの名門、ランディーズ・スタジオの秘蔵のダブ音源集。オーガスタス・パブロ、キング・タビー、リー・ペリー、ウェイラーズなどのロッカーズ軍団が一同に参加している。ここに収められた音源はジャマイカン・ダブの中では最も古いトラディショナルなダブ・サウンドである。初期レゲエならではの抜き差しで勝負したドンシャリの効いたヘヴィーなダブ・サウンド。演奏も素晴らしい![輸入盤](長井政一)

UMOJA 20TH CENTURY DEBWISE /
PRINCE JAMMY
[BLOOD & FIRE / BAFCD-046]

そう言えば『Relaxin' With Lovers』の記念すべき1&2作目はDEB Musicのラヴァーズ音源を使ったものだった。その甘美に魅了されたファンは多かったのだろう、現在もこのシリーズは続いている。本作はそのDEBのアザーサイド、ダブ集である。78年にリリースされた『Umoja Love & Unity』と後にリリースさた『20th Century Dubwise』をまとめたもの。ミックスは若き日のプリンス・ジャミーが担当。[輸入盤](大場俊明)

ブラック・マジック/ジミー・クリフ
[ビクター/VICP-62799]

9月には久々の来日公演も決定しているジミー・クリフの2年前の作品『ファンタスティック・プラスティック・ピープル』のリパッケージ盤。デイヴ・スチュワードをプロデューサーに迎えているのは意外だったが、聴けば納得。豪華なゲストや様々なアプローチをゴージャスになり過ぎないようにスッキリとまとめている。いわゆる「大物が最新の音に挑戦してみました」的な物とは全く異なるクリエイティヴな一枚。(大場俊明)

フローティング・ムード/川上つよしと彼のムードメイカーズ
[カッティングエッジ/CTCR-14347]

つまるところジャパニーズ・レゲエ・オールスターズなので、ロック・ステディから踏み外そうが、何をやろうが安心して聴けてしまう彼らの7曲入りミニ・アルバム。ライヴ音源やリミックス等も収録し統一感こそないが、それはそれで彼らの魅力が様々な角度から俯瞰できて面白い。今回はTicaの武田カオリを迎えた涼しげな「Ice Ball」がキー曲だろうが、「Moodrop」のHakase-Sunヴァージョンも素晴らしい。(大場俊明)

ブレイクアウト/ルイーザ・マークス
[ロッカシャッカ/DBCD-012]

Rock A Shackaシリーズが予想外の新展開。Vol.12からはなんとUKラヴァーズ。名門ブシェイズの音源の中からルイーザ・マークスのアルバム『Break Out』収録曲を中心にコンパイル。クラシック「6-Sixth Street」は『Relaxin' With Lovers』収録の曲とは別ヴァージョン、さらに彼女の代表曲「Caught You In A Lie」、そして人気の高いジャズボのDJカットなど全12曲。今回はLP、12インチも出ます!(武田洋)

ザ・サード・エラ・オブ・スカ〜ユーロ・オーセンティック・スカ・コレクション/V.A.
[カッティングエッジ/CTCR-14353]

スカパラが00年、03年とヨーロッパ・ツアーを敢行した際に知り合ったイギリス、フランス、ドイツ、スペイン等のオーセンティックなスカ・バンド15組の音源を川上つよしがコンパイル。どのバンドも日本での知名度はゼロに等しいが、どの国のバンドであれ、こうしたスカを志す人の探求心は物凄いものがあるようで、たぶん「スカとは何ぞや?」と日夜研究しているに違いない、と思わせる濃いオムニバス盤だ。(大場俊明)

ビッグ・ショット・プレゼンツ・スカ・クラッシュ!/V.A.
[ジェム・トーン / ポジティヴ / HMS-0047]

King Nabeと川上つよし。言わずと知れた日本のスカ・シーン創成期から携わってきた二人が、活きのいいオーセンティック・スカ・バンドをそれぞれ6組ずつ推薦し、全て新録でお贈りするコンピレーション盤。既にアルバムをリリースしているバンドや「Big Shot」に出演したバンドが多いのでご存知のバンドも多いだろう。推薦曲が1曲ずつ交互に収録されているので両氏の微妙な好みの違いも垣間見れて面白い。(大場俊明)

トロージャン・レイディオ・ショウ/V.A.
[ビクター/VICP-62843]
]
アメリカ、イギリス、ジャマイカなどでラジオの音楽番組を聴いたことのある人ならば分ると思うが、DJと音楽の絡みが絶妙で非常に楽しめる。勿論そうしたCDやテープは数々出回ってはいるが、DJ Banaによる本作は名曲・珍曲の宝庫、トロージャンの音源を使っている事もあって、古き良き時代のやさしい耳障り。BanaのMCもいつになくオールディーズ風で心がウキウキしてしまう出来栄え。選曲もグッド。(大場俊明)

ザ・ルーツ・オブ・ダンスホール/V.A.
[P-ヴァイン / AURALUX / PCD-2560]

順調にリイシューを続けているAuraluxの第4弾はチャンネル・ワン音源集。リンヴァル・トンプソン、ジョンジョ・ローズのプロデュースで、エンジニアはサイエンティスト。タイトルに惹かれてこのCDを手に取った人には少しマニアックすぎる内容かも知れないが、グルーヴィーなラディクス製リディムは、まさしくその後のレゲエの流れを決定付けたものとして、このアルバム・タイトルに間違いなし。(武田洋)

トロージャン・レイディオ・ショウ/V.A.
[ビクター/VICP-62843]
]
アメリカ、イギリス、ジャマイカなどでラジオの音楽番組を聴いたことのある人ならば分ると思うが、DJと音楽の絡みが絶妙で非常に楽しめる。勿論そうしたCDやテープは数々出回ってはいるが、DJ Banaによる本作は名曲・珍曲の宝庫、トロージャンの音源を使っている事もあって、古き良き時代のやさしい耳障り。BanaのMCもいつになくオールディーズ風で心がウキウキしてしまう出来栄え。選曲もグッド。(大場俊明)

アフター・アワーズ/ラサーン・パターソン
[エイベックス/IOCB-11055]

あの“しなやかハイ・トーン・ヴォイス”を乗せて、ジェイミー・ジャズやヴァン・ハントらが運んでくるサウンドは、アップにスロウにと瑞々しく輝きまくる。通底するくっきりとした色彩感がどの過去作よりも際立っていて、そこにどうしようもなく惹かれる。これは今後何かと振り返られること必至の傑作、蓋しクラシック也。なお、今回の邦盤は先行して発売されていたUK盤とは収録曲が異なるので注意のこと!(石澤伸行)

サレンダー/ジャヴィーン
[東芝EMI/VJCP-68670]

そのルックスで数々のPV等にエキストラ出演していたというロンドン娘が、先行シングル「Real Things」をヒットさせ念願のアルバム・デビュー。西ロンだとか新人シンガーだとかいった、彼女にまつわる形容詞の部分が少し余計なもののように感じるほど、サウンドの方はヒップホップの質感に根ざした極めて高品質なポップ・ミュージックとなっているし、何よりも本人の自信たっぷりの振る舞いに驚かされる。(石澤伸行)

コーデュロイ・ブギ/イヴァナ・サンティーリ
[Pヴァイン/PCD-24157]

仏・伊の血をひく、以前はグループで活動していたカナダ人女性によるソロ・デビュー作。キング・ブリット、ディーゴ、オマー、ジェイムス・ポイザー、ドゥエレら、様々な方面の“黒い人たち”による仕事集でありながら、“黒さ”の方はあまり強くない一方で“音楽的”な温もりに満ちた仕上がりに。“予定調和とは無縁”然りとした意匠が、音やリリックの瑞々しさに見事結実した佳作だ。これは掘り出し物かも!(石澤伸行)

ザ・ゲットー・シンフォニー/ジーノ・ヤング
[Pヴァイン/PCD-24160]

ダラス出身、これまでエリカ・バドゥのツアーに同行した経験を持つネオ・ソウルな自作自演派によるデビュー作。徹頭徹尾が清廉に構築された音世界に、どこかオマーっぽいヌメリとホンワカ感を含んだヴォーカルが入ってくる様が、殊更良い味わいを醸す。ジャーメイン・ジャクソン「Do What You Do」のオーガニックなカヴァを含め、随所でのメロウネスの立ち昇りっぷりや、蠢くようなブラックネスが最高!(石澤伸行)

タイム・トゥ・シェアー/TOSHI
[ソニー/SECP-1]

US展開後3枚目となる本作には、アンジー・ストーン、アリ・シャヒード、カルヴィン・ハギンス、モス・デフ、バックワイルド、そしてジャネイのレネイと錚々たる面々が参加。アリやカルヴィンらの仕事ではまさに彼らの真骨頂が味わえ、木目細やかなサウンド・スケープを提供するアンジーが歌でも良い雰囲気を発している。歌と音の波動に、聴いているこちらの気持ちまでがゴージャスになってくる作品集だ。(石澤伸行)

ソウル・エッセンシャルズ・7/V.A.
[エイベックス/CTCR-13189]

人気コンピの7枚目! ラサーン・パターソン「So Hot」がぶっちぎりの存在感を放つが、フル・フレイヴァやゲイリー・デスタージュあたりのパフォーマンスも相当にフレッシュ。EW&F「All In The Way」でのイマを生きる活力も驚異的だが、個人的にはヴァネッサ・フリーマンの端正な音世界が白眉か。インディー・シーンを軸としていながら、歌と音のクオリティの高さに唸らされるセレクトとなっている。(石澤伸行)

アドヴェンチャーズ・イン・ブラック・サンシャイン/インコグニート
[ポニーキャニオン/PCCY-01706]

約3年ぶりとなる新作。フュージョンならではの柔軟性をもって実現してきた“ヴォーカリストを曲ごとに替えて作品を構築する”という手法を、本作ではより“歌オリエンテッド”な形に昇華。復活を果たしたメイザ・リークとの相性の良さについては既に言わずもがなだが、特に素晴らしいのがトニー・モムレルのパフォーミング。“スティーヴィ直系”の一言では片付けられない、滋味深い佇まいが実に印象的だ。(石澤伸行)

ラディカル・コネクター/マウス・オン・マーズ
[ビクター/VICP-62769]

ヤン・ヴェルナーとアンディー・トーマによる電子音響ユニット、久しぶりのニュー・アルバム。どちらかと言えばインスト中心のアプローチをしてきた作風だったのに対し、今回は彼らが自ら主宰するソニッグ・レーベルのアーティスト、ニオベらのヴォーカルものもふんだんにフィーチャーされたポップ志向なものに。アヴァンギャルドながらポップにまとめる才能は相変わらず並大抵では無い様子。ベテラン。(高橋晋一郎)

メリー・メリー/エゴ・ラッピン
[トイズ・ファクトリー/TFCC-86168]

彼らが紡ぎだす音楽の最大の魅力は曲の良さだ。それに良き聴き手でもある音楽家ならではのズバ抜けた演奏と魂の揺れ動きを裸のままさらけ出す中納良恵の唄が解け合い奇跡を起こしてきた。本作でエゴの音は確かに変わった。かつて無い程の緻密且つ凶暴な音が中納の声に絡みつき、逆に中納もそれに絡みつく。つまり演奏と唄の関係はこれまで通り良好、またはより親密。その中核を成す曲自体は勿論、素晴らしい。(大場俊明)

ストロウ・ハット、30シーズ/ギャビー&ロペス
[ファーラヴ / P-ヴァイン / SPCDF-007]

ファーラブからの最新リリースはナチュラル・カラミティーの森俊二とティカの石井マサユキによるユニット、ギャビー&ロペスによるファースト・アルバム。これまでもいくつかの作品をリリースしてきた彼らだが、まとまった形でリリースされるのは初めてでまさに待望のリリース。時間が止まってしまいそうな何ともいえない心地よいギター・サウンドに軽くもっていかれること確実。(高橋晋一郎)郎)

ア・ガール・フロム・ア・サーカス〜リミキシズ〜/G.RINA
[エンジェルズ・エッグ/DDCA-5016]

作詞作曲、更にはDJとしても活動するG.Rinaが一年前にリリースした『サーカスの娘』のリミックス・アルバム。リミキサーとして選出されたのはアルファやスミス・アンド・マイティのロブ・スミスといったブリストル勢からモンド・グロッソの大沢伸一からDJバクといった彼女がシンパシーを抱くというミュージシャン陣。原曲の美しさを残した各氏の仕事ぶりからオリジナルへの敬愛ぶりが伺える好盤。(高橋晋一郎)