URBAN VOODOO / NUTTEA
[DALEBEL / EMI / 7243 5770990 3]


昨年UB40の21周年記念DVDを見た時に、マルチニーク出身のDJ/シンガーがフィーチャーされていて、声の良さにシビれて前作を購入。いい曲もあるがおしいなぁだった。が、今回は前作と比べてトラックも良くなっているし英語一曲以外は全部フランス語なれど、べレスをフィーチャーしたりマスタリングもトム・コイン。と、思ったらハンデル・タッカーが9曲に絡んでいた。www.nuttea.fmでビデオを。[輸入盤](EC)

DUB FROM THE SECRET VAULTS / TWILIGHT CIRCUS
[ROIR / RUSCD 8285]

各種アナログ10インチ盤も好評のトワイライト・サーカスの新作ダブ・アルバムはアメリカのRoirから。今回はなんとイントロにビッグ・ユースを起用している。内容は相変わらず独自のインストゥルメンタル・ダブを展開。ハードなものからソフトなものまで曲調も様々で、なんと言っても自作自演の生多重録音は大したもの! ダブの効果的使い方は勿論だが、個人的には曲そのものも素晴らしいと思う。[輸入盤](長井政一)

DUB LIFTMENT / VIBRONICS
[UNIVERSAL EGG / WWCD 037]

必ず年に1枚はアルバムをリリースしているヴァイブロニクス。CDのみならず7インチ・アナログ盤などにもかなり力を入れてリリースしている。さて、今回の新作アルバムは、インストゥルメンタル、ヴォーカル、ダブを巧みに織り交ぜた12曲による構成。曲、ミックス等、どこをとっても彼等ならではのダブへのポリシーを強く感じるはずだ。現代のニュー・ルーツのお手本盤と言った感じである。[輸入盤](長井政一)

MORE CREATION/LENNIE HIBBERT
[STUDIO ONE / SOL1119]

レニー・ヒバートの幻の1枚がとうとう再発。快楽度数は前作『Creation』より遥かに高いのに、なぜかこれまで未リイシューでした。エキゾチックなメロディを涼しく奏でるヴィブラフォンをジャッキー・ミットゥーのオルガンがサポート、ジェントルでファンキーな「Can't Take My Eyes 〜」のカバー他、「Chinese Beauty」「Don't Blame Me」等、とろける曲がいっぱい。次はぜひCD化を![輸入盤](武田洋)

A LITTLE LOVE / JIMMY LONDON
[IMPACT! / VPARCD50017]


甘くて心地いい男性ボーカルものをお探しならこのCD。インスピレーションズのメンバーとして、ジョー・ギブスのもとで活動していたジミー・ロンドンが、ソロに転向後インパクト・レーベルから次々とヒット曲を連発、それらをまとめて収録したのがこのアルバムです。サイモン&ガーファンクル、テンプテーションズなどのカバー曲&ソウルレゲエが満載。ユル〜い70'sレゲエが好きな人にお薦めです。[輸入盤](武田洋)

FRESH OF MY SKIN BLOOD OF MY BLOOD / KEIITH HUDSON
[BASIC REPLAY / BRATRALP-1005]

ワッキーズ関連の再発で知られるドイツのレーベル、ベーシック・チャンネルが、『Playing It Cool』に続きキース・ハドソンのレア・アルバムをリイシュー。諸作品同様、ここにもキース・ハドソンならではの独創的なサウンドが満載。ナイヤビンギを基調にしながらもミックスは超ディープな「Hunting」、甘いメロディのトラックにアウト・オブ・キーで絡みつく「Fresh Of My Skin」などなど傑作揃い。[輸入盤](武田洋)

REGGAE ANTHOLOGY-THE CHANNEL ONE STORY / V.A.
[VP / VPCD-1678]

70年代後半から80年代前半にかけて、ジャマイカ音楽シーンの中心的レーベルとして機能していたチャンネル・ワンのコンピ。70年代はスライ・ダンバーが創造した新種リディム“ミリタント・ビート”を武器に、80年代に入るとルーツ・ラディックスをいち早く起用し、当時の流行であった“ワン・ドロップ”で数々のヒット曲を世に送り出した。収録曲はレゲエ・クラシックスとして現在でも人気の曲ばかり。[輸入盤](小池信一)

UNMETERED TAXI : TAXI PRODUCTIONS / V.A.
[PRESSURE SOUNDS / BEAT / BRPS-043]

30年以上に渡り現役、だけでなく最先端を走り続けるスライ&ロビー。本作は彼らによって運営されるタクシー・プロダクションの音源集で80年代前半の音源(つまり生演奏)を21曲詰め込んだ作品。D.Brown「Revolution」のダブ・プレート・ミックスが超貴重だが、他の曲も名曲ばかりだし、そのダブ・ヴァージョンも続けざまに収録されているので、彼らが如何に革新的なのかが手に取って分る仕掛け。[輸入盤](大場俊明)

Lv. 5/マイティ・ジャム・ロック
[ビクター/VICL-61428]

夏には「ハイエスト・マウンテン」の初の野外開催(祝!)、更に待望の4作目となるアルバムも控えているMJRが、まずは5曲入りミニ・アルバムをリリース。1曲目の「Next Next Level」というタイトルが示す通り、彼らが次に見据えているものを今、提示せずにはいられなかったのだろう。盟友のRyo the Skywalkerも参加した怒濤のコンビネーションでイカせるのは勿論、ソロ曲できっちり個性を出し合っている。(大場俊明)

ニュー・ワールド/レベル・ミュージック・キャンプ
[レベル・ミュージック/RMCD-002]

96年、Rotten Ranks、Little Chibi、Chucky Tokuらを中心に関西で結成。98年にリリースしたテープ『Rebel Music Camp Vol.1』で多くの共感者を生んだ音楽集団、レベル・ミュージック・キャンプ。レゲエ、そしてそこから派生した様々なカルチャーが生み出す旨味を凝縮して提示する彼らの真摯な姿勢は、時代が求めているものだろう。彼らの姿勢に共鳴したCJ、Boy Ken、W-Steeloの他、Horace Andyも参加。(大場俊明)

1ラヴ/スティール・ラヴ・ワールド・ワイド
[ビクター/VICP-62633]
NY在住のスティールパン奏者、渡辺洋一とトリニダードの凄腕ミュージシャンによる人気ユニットが、今作ではレゲエ・アレンジに挑戦。調理される曲は「One Love」や「Let's Stay Together」など、誰もが口ずさめるような超有名曲ばかりだが、やはりスティールパンをメインにしたこのアレンジで聴かされると、やけに新鮮だし、気持ち良過ぎる。7月には本作のダブ盤も出るらしいので、そちらも楽しみ。(大場俊明)

リラクシン・ウィズ・ジャパニーズ・ラヴァーズVOL.2〜ジャパニーズ・ラヴァーズ・ロック・モア・コレクションズ/V.A.
[ビクター/VICL-61341]

日本に於いて、正真正銘のラヴァーズ・ロックが初めて世に送り出されたのは、86年のいとうせいこう&Tiny Punks+ヤン富田らが制作した「だいじょーぶ」だと思うが、本作にはその発展型である「Country Living」が収録されているだけでも存在価値有り。その精神はその後もDub Master X、藤原ヒロシ、屋敷豪太らによる様々なプロジェクトに引き継がれ、小泉今日子を媒介にして一般化/普遍化したのだった。(大場俊明)

レゲエ野郎3〜ガンジャ野郎/V.A.
[YA-LOWプロダクション/YLCD-3]

東海地方をアゲまくっているYa-Low Pro.から届いた、タイトル通りのガンジャ・チューンを満載したコンピレーション。Soul Eye、Peter Manと言った東海地方を代表するお馴染みの面子の他、Rankin Taxi、Rude Boy Face、Mr. T.H.C.、更にU-Royらジャマイカ勢がそれぞれガンジャへの見解を様々な視点で語っているのだが、どの曲を聴いてもニヤリとさせられてしまうだろう。¥1,500という価格にもホッコリ。(大場俊明)

ミュージコロジー/プリンス
[ソニー/SICP-590]

レコード会社を移籍しての新作。「一番楽しんでいるのは本人」というのはいつものことながら、今回は特に音符が楽しそうに躍動しているとでもいおうか、そんな意味も込みで本作はまさに「看板に偽りなし」だ。メイシオ・パーカーやシーラ・Eらその筋の重鎮たちも参加。小気味良いファンクネスが嬉しいタイトル曲を始めとし、隅から隅までが「プリンスらしさ」に貫かれていて、自らの再始動を祝うかのよう。(石澤伸行)

ハート・ノー・モア/マリオ・ワイナンズ
[ユニバーサル/UICU-1067]

P・ディディ率いるバッド・ボーイの音職人によるソロ作。7年も前にソロ・デビュー済みの彼だが、昨今のレーベルの復調振りを支える音作りにおける彼の巧みは、エンヤ曲をサンプルした先行シングル「I Don't Wanna Know」を始め、本作のそこかしこで確認できる。メロウかつシルキーでありながら、どこか乾いた、奥ゆかしささえ感じさせるサウンド・フォーマットが、哀感溢れる歌唱にも相性ばっちりだ。(石澤伸行)

アイ・ドント・ウォント・ユー・バック/エイメン
[BMG/BVCQ-24005]

NYはスタッテン島出身、オーディオ・トゥーのミルク・Dに見出されデビューを果たした白人シンガー。ややナヨり気味ながらどこかブルージーな佇まいのヴォーカルが胸キュン・トラックに乗る様が実に印象深い。ヒット中の「Fuck It」を始め過激なリリックが話題となっているようだが、実際はストリート性よりも歌ごころが勝っているといった微妙なバランシングが、本作をユニークなものにしているような。(石澤伸行)

セカンド・ゲス/リール・ピープル
[コロンビア/COCB-53219]

英国の地下シーンで活動を続ける3人組みユニットの2作目。小粋なリズム・ワークとほのかなポップ感覚が心地好いR&B曲や、DJプレミアを思わせるマッシヴなヒップホップ・チューン、そしてダブを取り込んだレゲエに取り組んだりと、サウンドの意匠のベクトルは様々ながら、クラブ・ミュージックのトッポさの中にもちゃんと歌ごころが詰まっている。これまでのリミックスや未発表曲集のDisk.2も美味なり。(石澤伸行)

NYC・トゥルー・クラシックス/V.A.
[ユニバーサル/UICZ-3028]

ティミー・レジスフォードが自らのフェイヴァリット・クラシックス18曲をミックス。タミコ・ジョーンズ、ルーファス、シェール、クインシー、ブラジョン、ワン・ウェイ、グウェン・ガスリーと、本場流儀に加えお馴染みナンバーも散りばめて、好き者にはタマラン世界を現出。力強く、煌びやかで、歌ごころに溢れたこの時代のNYサウンドの美味しい部分を表現している点で本作は出色かと。乞うシリーズ化!(石澤伸行)

フロム・ザ・ダブル・ゴーン・チャペル/トゥ・ローン・スウォーズメン
[ワ−プ/ビート/BRC-94]

やはり実力とクリエイティビティを兼ね備えたアーティストというものは、長い活動歴の中でも驚くべき変化を遂げる様で、トゥ・ローン・スウォーズメンことA・ウェザオールとK・テニスウッドによる老舗のユニットも今回は何とバンド・スタイルでサウンド・メイクしてしまった衝撃作をリリース。ニューウェイヴがにわかに盛り上がりをみせる中でロックやダブ等を食い散らかして登場した斬新なマスターピース。(高橋晋一郎)

ラウデン・アップ・ナウ/!!!
[ワ−プ/ビート/BRC-95]

いつもながらワープというレーベルの時代性を捉えたディレクションには感心されられっ放しだが、!!!(チック・チック・チックもしくは同じ単語が3つ続けて発音されれば良し)のアルバムの発表は正しくその真骨頂だろう。ニューヨーク産にしてクラブ・ミュージックとも実に有機的な接点を持ったリアリティのあるロック・テイスト。昨年リリースのシングルでその存在感は証明済だが、今作で決定的に。(高橋晋一郎)

ビフォア・ターニング・オフ・ザ・ライト/GROUP
[P-ヴァイン/PCD-5861]
下北沢を中心に活動する6人編成のバンド、グループによる3年ぶりとなる2ndアルバム。ロックとジャズの間で表現される切なさと疾走感がグループならではの都会的な雰囲気で絶妙にパックされた素晴しい仕上がり。もはやポスト・ロック云々という前書きも必用なくなった彼らのオリジナリティが完全開花。録音とミックスを担当したのはグループと相性ばっちりのドライ&ヘビーの内田直之というのも追い風に。(高橋晋一郎)

エンドレス・ワンダラー/GOMA
[ジャングル・ミュージック/IMS/JMCD-004]

精力的なライヴ活動もさることながら、もはや日本発のディジリドゥー・マスターの称号を得たかに思えるほど濃密なジャングル・サウンドを紡ぎ出すゴマによる新作。架空の世界旅行をテーマにアフリカ大陸やバリ島を周遊するというイマジナティヴな作品。アジアな雰囲気を堪えた異国情緒溢れる湿度と情熱を発しながらも何故かクール・ダウンさせてくれる音。これから梅雨に入ろうとする季節にぴったりのサントラ。(高橋晋一郎)

忘てぃや ういびらん 忘てぃや ないびらん/喜納昌吉&チャンプルーズ
[エゴ・ミュージック/ZTEGR-2019]

先日沖縄でタクシーに乗った際、運転手がこう呟いた。「沖縄で基地がいらないと運動をしてるのは内地の人ばっかりだよ」。結構衝撃的だったが、本作の「金網のない唄」を聴くとそんな事を思っている人ばかりではないハズと確信出来る。喜納の叫びは、現実的には夢のまた夢かも知れないが、地球上の人類なら誰しもが願っている根源的なものばかりだ。そんな想いが詰まった初音源5曲を含む6曲入ミニ・アルバム。(大場俊明)

ザ・ネタンダーズ/ネタンダーズ
[ゴースト・ライダー/ロカーノ/GR-0001/2]

元ピラニアンズ、現在はスライ・マングース等でギタリストとして活躍中の塚本功がリーダーを務めるネタンダーズの、スタジオ録音としては6年ぶりとなる作品。様々なルーツを持つ彼の懐の深さ、引き出しの多さは、彼が関わったそれらの作品を聴いた事のある方なら御存知だと思うが、ここでは存分に、そして純粋にロックンロールを演奏する事、唄う事を楽しんでいるようだ。全14曲、男気と情けなさが満載。(大場俊明)