2003年もアメリカ、日本ともに様々な話題をふりまいてくれたヒップホップ・シーン。もちろん今年も歴史に刻まれるべく重要な作品が次から次へとリリースされた。その中から10枚ずつ作品をピックアップ。海外の作品は二木崇、日本の作品は編集部が選定。


BEST INTENATIONAL ALBUMS
Weekend Warriors / Biz Markie
(Lexington)
Elephunk / Black Eyed Peas
(Universal)
Beg For Mercy / G Unit
(Universal)
The Black Album / Jay-Z
(Def Jam)
Chicken-N-Beer / Ludacris
(Def Jam)
10年ぶりの新作、というだけでアガった貴兄多し? エンターテイナー道を究めつつ、そこにメッセージを盛り込んだファンキーな好盤。
女性シンガーを加え4人編成となった彼らの新境地は象の歩み的ファンク。ボーダーレスなコラボにもBなスピリットは感じられた。
来日公演が急遽中止となった彼。しかしアルバムは50の盤と負けず劣らずよく出来ていた。プロダクションはバラバラなのに統一感アリ。
噂のラスト・アルバム。どうしても『The Blue Print』と比べられがちな内容だが、半年後にはもっと大きな評価が得られそう? ジガ自賛。
チンギーのブレイクでもスポットの当った彼だが勝負ドコロの3rdはやはり今迄で一番密度の高い1枚に。“笑い”の要素は少なめだが。

Later That Day... / Lyrics Born
(Lexington)

Speakerboxxx / The Love Below / Outkast
(BMG)
This Is What You Made Me / The Ramm:Ell:Zee
(Tri- Eight)
Get Rich Or Die Tryin' / 50 Cent
(Universal)

The Neptunes Present...Clones / V.A.
(BMG)
クワナムの中心人物のアルバムは予想以上にソウルフルな逸品。タイトル、サブジェクト、フック、ビート…至る所に完全主義者ぶりが。
アンドレ3000とビッグボーイ各々のソロを一個にした一見無謀な企画。だが結果的に彼らの実体が露になったマスターピース。
単独名義の初アルバムにしてDJケンセイ&D. O.I.が全曲制作という驚愕の内容。“思想”の見せ方、聴かせ方、そのどのどえもがパワフ。
今年一番“旬”だった彼の人気を決定付けた“いわく付き”のデビュー・アルバム。曲名を見るだけであのフロウが頭の中で鳴り始める。
行列の出来るプロデューサー・チームのレーベル、スタートラックのショウケース盤。フィーチャリング・ゲストの豪華さも話題を呼んだ。


BEST JAPANESE ALBUMS
オボレタ街 / Aquarius
(Cutting Edge)
Always Fresh Rhythm Attack / Afra
(ODDJob)
Diamond / Dabo
(Baby Mario)
New Awakening / DJ Mitsu The Beats
(Planet Groove)
Music Is Expression / 瘋癲
(Next Level / File)
デリとヤッコのプロジェクトが放った初アルバム。デリのラップが映える劇空間サウンドの洪水。チカチカ・プロのアルバムも忘れずに。
日本屈指のビート・ボクサーとして有名な彼のSDPプロデュースによる初アルバム。奇跡的な迄の閃きと地力に満ちたディープな作品。

今年最後のベストはコレ。ベイビーマリオ・プロの社長でもある彼の渾身の3rdアルバムはセルフ・プロデュースの術も冴えた才能の賜物。

日本語ラップで縛る作品ではないが、今年外せないプロデューサーのワールドワイドで評価されるべき作品。ガグルの次にも期待。

ライヴでしか観られない、と噂された彼らが音源を出す様になって早3年。この初アルバムにはその高い音楽性が存分に発揮されていた。


The Circle / Hab I Scream
(AAA Organization)
Juice / Ozrosaurus
(Future Shock)

RG A.I.R. 4th / ラッパ我リヤ
(Victor)

The Cypha File 01〜自己進化論 / Ry-Double
(O'Thentic / KSR)
Tokyo's Finest / Zeebra
(Future Shock)

ソロ活動が目立つSOSC。ハブのソロはオーガニックに拘った、生命、自然の力を感じるバンド・アプローチによる一つの頂点的作品に。
前作でウエッサイ路線を見せたオジロは、そこを期待するファンを気持ち良く裏切ってくれた。ロメロS.P、サブゼロの名も一気に上昇。
結成10年の刻を迎えた我リヤの通算4作目は、今迄以上に“ダンスフロア”を意識しつつ男気も忘れない、ゲスト盛り沢山の大作。
韻踏やドベルと活発化する大阪シーンを代表する1枚がコレ。そのキャリアに裏打ちされたリリックの構成力とフロウの独特さときたら。
混迷を極める日本のヒップホップ・シーンに於て常に独走状態のジブラが今のポップの王道としてのヒップホップを体現した力作。
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