![]() David Rodigan ( in Jamaica ) |
Greetings Friends, ●スカといえば彼ら、The Skatalitesの毎年恒例のヨーロッパ・ツアーが開催中。未だ現役を誇るオリジナル・メンバーのLloyds Knibbs、BrevetteそしてLester Sterlingと、今やお馴染みのレギュラー構成員となった後入りの面子を、ジャマイカの伝説的サックス奏者、Cedric 'Im' Brooksが盛り立てている。Studio Oneなら「Flash Forward」や「Money Maker」が秀逸だが、彼がMystic Revelation Of Rastafariと共に発表した音源も是非チェックを。ホーンにおける彼の天賦の才能を実感出来るだろう。彼のそのユニークなスタイルは、McCookやAlphonsoなどの輝かしい後継者達よりも更に実験精神に溢れていて冒険的だ。 ●何年もの間、Subterraneaで行われてきたDavid Rodiganの水曜のレギュラー・セッションがCamdenにあるDingwallsに移ったのはつい最近だが、また移動した。現在はMass, St Matthews Church, Brixton Hill, SW2で行われている同イベントのオープニングは、ハイレ・セラシアイの111歳の誕生日にあたる7月23日に行われた。ブリクストン・チューブから徒歩2分のところにあるので、近くに来た際には足を運んでみては。 ●またJah Shakaも Holloway RoadのThe Rocketでのオールナイト・セッションにて皇帝の誕生日をスタイリッシュに(大音量で騒々しく)祝福した。 ●前号での執筆以来、二人の偉大なるラテン・シンガーが他界した。一つ目の訃報となったのはCompay Segundo。彼は40年代にクルーナーとして人気を誇ったものの、キューバの他の音楽家達と同様、その後音楽以外の畑で職を見つけ大家族を養わざるを得なかった。Ry Cooder率いるWorld Circuitクルーと組み数々の賞を獲得したBuena Vista Social Clubの成功により国際的なスターダムを駆け上がることとなった90年代後半も尚、彼はサトウキビ工場で働いていた。そしてようやく彼は順風満帆なソロ・キャリアを歩み出したのだった。苦労の後で遅ればせながら手に入れた成果をあとう数年でも満喫して欲しかったと思うが、彼の最期はきっと幸せだっただろう…。 ●セリア・クルーズの死もまたラテン界にとっては大きな損失となった。息を引き取る直前までツアーやレコーディングに精力的だった彼女は、50年代以降のラテン・メインストリームやSeecoからのリリースでお馴染みの女性だった。同じく音楽界の巨匠であり彼女とも親交が深く、映画『The Mambo Kings』でも共演したTito Puenteの他界から1年足らず。晩年の白眉の作品を強いて挙げるとするならば、Faniaから80年代にリリースされた『El Candela』を聴いてみて欲しい。 ●ロンドンのレゲエ・ファンにとって、2つの大きな無料イベントが開催された7月19、20日は待望の週末となった。土曜日に(悪名高い)Millennium Domeで行われた「Respect Festival」にはステージが4つも設営されていた! メイン・ステージの夕暮れを飾ったのはMafia & Fluxy(生で観られるなんて滅多にない)とGregory Isaacs、最近のGregoryにしてはまずまずの出来。それからダブ・ステージでは午後2時から8時まで粘ったQueen Omega等の多彩なゲストを迎えたサウンド・システム・ミュージックをフィーチャー。それから「Lambeth Festival 2003」の一環で 'Roots Reggae With One Love Style' と銘打たれ、土日の両日に渡ってBrockwell Parkで開催されたイベントでは、午後2時から7時半までの間観客を魅了して止まないだけの充分なゲストが登場した。最も興味深かったのがCulture Promotionsのオーガナイズによる 'Royal Reggae Occasion' と名付けられた日曜日のセッションで、Empress Ayeola、Prince Alla、 Prince MalachiそしてQueen Omega等のゲスト全てが、不朽の革新家であるSista Bandの第一級の演奏をバックにパフォーマンスしたこと。つい最近、母親的存在であったVyris Edgehillを亡くしたにも関わらず、活き活きとしたエネルギーを少しも失っていないことを見事に証明したステージだった。 ●売れ行きも好調な3枚のアルバム(最近ではそれぞれの数字が何を意味するのかは全く不可解になってしまった!)をGreensleevesから輩出したElephant Manが更なる成功を狙っている。Wayne WonderとSean Paulを大当たりさせた事実を考えれば、彼の次の「ホーム」がVPになったことは驚くべきことではない。直にリリースされるであろう新作『Good To Go』に期待しよう。彼らの過去数年の努力をけなすようで心が痛むが、NYのVPのプロモーションやセールスの好調ぶりと比較すると、イギリスのJetstarはやや分が悪いと言わざるを得ない。 ●Trojanの快進撃はまだ続く。大人気のラジオDJでありコンサートMCのRanking Miss Pが同レーベルからの初コンピレーションとなる『Presents Sweet Harmony』をリリース。Diamondsの『Tell Me What's Wrong』の焼き直しのようなジャケットではなく、チャーミングな彼女の写真をカヴァーに使用すればもっと売れたと思うのだが、まあ手に取ってみてほしい。また、『Bangarang - The Best Of Stranger Cole』も興味深い。筆者が知る限りではかのヴェテランにとって初めてのコンピレーション。またプレス・リリースによると『The Complete UK Upsetters Singles Collection Volume 1』も発売中らしいが、同じようなタイトルと内容のコンピレーションが他にもあったような。TrojanはLee Perryもののタイトル数の記録を打ち立てようとしているらしい。主要商品にはなりそうもないが、更に食指を動かされるのがBlack Arkのオリジナル・ディスコ・ミックスの限定復刻盤である。入手困難となった時のためにあまり期待を煽り過ぎるのは避けるが、是非近くの専門店でチェックしてみて欲しい。 Till Next Time, Take Care..... (訳/Miyuki W. Myrthil) |
![]() ![]() Prince Alla |
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