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SMILE / JUNIOR KELLY
[VP / VPCD-1670]
順調にリリースはしているジュニア・ケリーですが、正直、最近微妙なのも多かったのは否めない感じもしたのです。でも、この最新作は会心の出来なのではないでしょうか? 先行カットのシングルでタイトル曲ともなった「スマイル」は、あの出世作「ラヴ・ソー・ナイス」を彷彿させるキャッチーで彼らしさの良く出た曲で素晴らしい。基本的にこの曲に象徴される彼らしさが良く出たアルバム。[輸入盤](鎌田和美) |
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THE FUTURE / TURBULENCE
[JET STAR / CRLP3095]
今更、説明不要のこのお方。76年から83年の名ダブ傑作選。抜き差しの妙、エフェクト処理の面白さ等、コアながら素人耳にも分かりやすい感じだけど、背後に様々な音楽性が見え隠れする辺りでニヤリとさせられる。LKJやジャネット・ケイ、ニュー・ウェイブ系等々を手掛けてる彼の音源は、例えレアでもクローズアップされやすいだけに、返ってこういった内容の方がレア度も高い気がする。[輸入盤](鎌田和美)ージされた作品だ。(石澤伸行) |
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SPIRIT OF THE ANCIENTS / JONAH DAN + ALPHA & OMEGA
[INNER SANCTUARY / ISAO-2004]
ニュー・ルーツ界の重鎮、アルファ&オメガとジョナ・ダンによる合作新アルバム。テナステリン等が参加した歌物もあるが、何とも神秘的で引き込まれてしまうなインストゥルメンタル&ダブを中心に構成された内容で19曲入り。もちろん、ラスタダンス向きのステッパー・チューンも収録されている。どの曲を取ってもハズレがないのは、さすがUK最強のダブ・アーティストだけある。超お勧めの一枚。[輸入盤](長井政一) |
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JAH WARRIOR & FRIENDS / JAH WARRIOR & FRIENDS
[JAH WARRIOR / HAMMERBASS / BASSCD015]
お馴染、UKのジャー・ウォリアーの新作アルバム。今回はホレス・アンディ、U-ブラウン、ウィンストン・マクナフ、ジョセフ・コットン、テナステリン、プリンス・アラー等々といったヴォーカル、DJ陣をフィーチャリングしたオムニバス形式。サウンドはいつものコンシャス・サウンド・スタジオで作られている模様で、ブイブイのヘヴィー・ベースもの。もちろん、ダブも収録されている。[輸入盤](長井政一) |
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PLAYING IT COOL&PLAYING IT RIGHT / KEITH HUDSON
[JOINT INTERNATIONAL / BRJT-0009]
独ベーシック・チャンネル発のナイス・リイシュー。N.Y.に移住したキース・ハドソンが、エグゼクティヴ・プロデューサーにワッキーズのロイド・バーンズを迎え81年に発表した本作、なんといっても聴きどころは3曲めの「Trust & Believe」。硬いブレイクビーツの後にこってりとアクが強いボーカルが続き、そこへギター、ピアノ、ファルセット・ハーモニーの甘美なアンサンブルを注入。これぞワン&オンリー |
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AUX ARMES ET CAETERA / SERGE GAINSBOURG
[PHILIPS / 077261-2]
仏人ジャーナリスト兼シンガー、ブルーノ・ブルムがS・ゲンズブールのマスターをジャマイカに持ち込み、ソルジーが当時の音色をそのまま残しながらリ・ワークした2枚組CD。マスターテープをミックスし直したオリジナル・ヴァージョン、新たに構築したダブ、そしてDJヴァージョンの3パターンを収録。醒めたゲンズブールの声とキング・スティットの口荒いトースティングとの組み合わせの妙には驚いた。[輸入盤](武田洋) |
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RED BUMB BALL / V.A.
[PRESSURE SOUNDS / PSCD-40]
流石はプレッシャー・サウンド、これはオススメ! メロー、和み、ファンキー、ヒップ…と言った、ロック・ステディならではのノリが全部詰っている。音源は意外とレアなリン・テイト関連の物で、レアを売りにしたサブタイトルにも偽り無し。あと、どうしても書いておきたいのがトミー・マクックの凄い曲が入ってるって事。誰もが知ってる曲のカヴァー(聴いてのお楽しみ)だけど、ホント極楽な一曲 |
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スカ・クバーノ/スカ・クバーノ
[ビクター / VICP-62376]
キューバとジャマイカとの距離はごく僅かなのでその昔は様々な交流があったのだが、キューバ革命(59年)により互いの文化交流が途絶えてしまった為、キューバにはスカが伝わっていないのだ。本作はキューバの名うての演奏者がスカに挑んだ企画盤。首謀者はTop CatsのN・ボウ。もしキューバ革命がなかったら…音楽の歴史に又一つ伝説が生まれていたのかも? でも、スカ・クバーノが歴史を作るのかもしれない。(大場俊明) |
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ライズ・アゲイン・リミキシズ/ムーミン
[ユニバーサル / UPCH-1277]
日本レゲエ・ファン必携のアルバム『Rise Again』に収録され、特に人気が高かった6曲をリミックスしたミニ・アルバム。リミキサー陣にはSaigenji & Eiji Hirano、Butter Dog Market、金原千恵子、DS455のDJ PMX、Pushimの作品でもお馴染のTakahiro Watanabe、そして米国から参加のDilated Peo-plesのBabu & Rakkaの6組。各リミキサー共、非常にアクの強い面子だが、どの曲もMoominの声がピンと立つ様なアレンジだ。(大場俊明) |
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レゲエ・マジック/レゲエ・ディスコ・ロッカーズ
[フラワー / FLRC-021]
結成7年目にして、進むべき道を決定づけた1stアルバムにして名作、『Oasis』から2年近く経って届いたRDRの2nd。コケティッシュな魅力溢れるEicoが参加した名曲「太陽の石」に代表される様な、スウィート&ビターな曲を多数収録しているが、懐の深い彼ら故、そればかりに固執せずレゲエ・ミュージックの様々なエッセンスを各所に絶妙にブレンド。ピアニカ前田、松竹谷清、横山剣らゲスト陣もいい味出してます。(大場俊明) |
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サマー・ジャンボリー/ロッキング・タイム
[トイズファクトリー / TFCC-86136]
真のポピュラー・ミュージックとは、時間という絶対的なるものに対しても、風化せずに耐え抜けるだけのパワーが宿っている。今野は元来そういった音楽が好きな様で、今迄にもそうした名曲を何かにつけカヴァーし続けてきたが、今作はそうした黄金の名曲を片っ端からカヴァーした企画盤(自作曲も2曲収録)。彼らのキャラに相応しい企画と言えば、それで話が終ってしまうが、彼ららしい選曲とアレンジなのは確か。(大場俊明) |
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ファイヤーブレンダー/リトル・テンポ
[ビクター / VICL-61151]
曲が良くなければダブの魅力は半減してしまうし、逆もまた然り。リトテンの最新ダブ集は勿論、この春リリースされた将来、必ずや不朽の名盤になるであろうと予測している『Musical Brain Food』の音源を使用。『Musical...』は内田直之のミックスが冴え渡っていたので、もう引き出しは空っぽかと思いきや、まだまだ奥の方にはゴッソリとお宝が眠っていた様で…。『Musical...』とは姉妹品ながら全く別物としてお聴きあれ。(大場俊明) |
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万感の想いを込めて/9マイルス
[ジャミン / 0152 / OIGNCD 1003-02]
7"シングル「Mind's Journey」と「Catch Trace Of Window」、そして先日の「Club Ska」15周年パーティにも出演したので彼らの音に直に触れた読者も多いだろう9 Milesのミニ・アルバム。ロック・ステディやアーリー・レゲエの“味”を爪の先まで染み込ませているであろう演奏者達も素晴らしいが、何よりYascoの声と歌が素晴らしい。「First Cut Is The Deepest」って、歌が巧ければ一度はカヴァーしたい曲なんだろうね。(大場俊明) |
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カリプソリズム〜クックス・クッキング/V.A.
[ビクター/VICP-62408]
つい一年程前は某大型CD店にも「カリプソ」のコーナーさえ無く、商品は「その他の南米音楽」に押し込まれていたこのジャンル。でも、ここ最近の状況は一変し、日本でもこんな素敵な編集盤がリリース。Cookはカリプソの名盤を多数発表していた名門レーベルだが中古市場にも中々出回らない隠れた名盤も多い。監修はそんな入口の分り辛いカリプソで夜な夜な腰をくゆらせ続けているLinstead Marketの面々が担当。(大場俊明) |
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プランツ/V.A.
[RD/RDR-2004]
良質な南米音楽を独自にミックスした演奏を聴かせるCopa Salvoを中心に01年より開催されてきたイベントに関わってきた音楽と植物好き(?)のアーティストが結集したコンピ盤。キューバ、トリニダート、ブラジル、ジャマイカ等々の国から発せられたダンサブルなリズムを各バンド共、見事に消化していて、単純に楽しめる構成。Majestics、Little Elephant、Bush Of Ghostsといった本誌でもお馴染の面子も参加。(大場俊明) |
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LSG 2/LSG
[ワーナー/WPCR-11629]
6年ぶりの再結成。ダンサブルな先行シングル「Just Friends」で幕を開ける本作だが、この曲以降はミッド〜スロウを軸に濃密なる男の世界が展開される。特に派手な仕掛けがあるわけでもなく、歌と制作面の両方で主導権がキースからジェラルドに手渡されたかのような印象を受けるが、結果「ヴォーカル・グループとしてのあるべき姿」をまざまざと見せつけるが如く、どっしりとした手応えを感じさせる作品に。(石澤伸行) |
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ムードリング/マイア
[ユニバーサル/UICA-1013]
3年ぶりとなる3作目。ミッシー提供の先行シングルは、フェミニンな雰囲気の中に盛られた毒がジワジワと効いてくる佳曲だし、ロックワイルダーやトリッキー・スチュアートらによる妖しい空気感は、彼女独特の「ヨゴれ感」や「場末感」さえも武器にしてしまう。かと思えば、胸キュン度満点のミッドで我々の目の前を爽やかに走り抜けたり。いくら追いかけても捉えることの出来ない「小悪魔性」に酔うのみか。(石澤伸行) |
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レザレクション/トニー・リッチ・プロジェクト
[ビクター/VICP-62422]
5年ぶりの新作は古巣のラフェイスを離れインディ発。彼のアーティスト性の肝となる「悶々ひとり泣き」な歌は健在なるも、サウンドの意匠の多くはロック的ベクトルを湛えたアグレッシヴなものへと大きく様変わり。前作でのファンキー路線を完全にモノにする一方で、ナヨりを効かせたメロディをハードな音に溶け込ませるあたりにも才を見せつける。やりたいようにやったことによる満足感に下支えされた作品だ。(石澤伸行) |
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ラヴズ・ドリッピン/リオン・ウェア
[Pヴァイン/PCD-25002]
オリジナル作品としては8年ぶりの新作。マーヴィン・ゲイらへの楽曲提供を始めとした諸活動を云々するまでもなく、昨今のネオ・ソウル隆盛の中で再評価も高まりまくりの彼だが、ここでの粒立ちの良いサウンドが敷き詰められたミッドやナイス・ガラージに触れるにつけ、そのメロウネスや躍動感が今なお現在進行形であることを知る。御年63の大ベテランが醸す魅力は「枯れ」ではなく紛れも無い「艶」だ。(石澤伸行) |
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シリウス・B・プロジェクト/シリウス・B・プロジェクト
[Pヴァイン/PCD-23372]
アトランタを拠点にインディ・レーベルで活動を続けてきた8人組バンドのデビュー・アルバム。メジャー進出前のインディア・アリーやドニーらとも行動を共にしてきたという彼らの音楽性は、70年代的ピースフルネスに溢れた極めて豊かな色彩感を伴っている。ジャズやファンクを基調とした生なサウンドは耳に優しく響き、女性ヴォーカルによるランディ・クロフォードの如きヴァイブも作品全体に華を添える。(石澤伸行) |
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イン・ア・ジャングル/GOMA
[ジャングル・ミュージック/JMCD-003]
前作よりたった3ケ月で発表されたゴマの最新作。前作と同様、全編バリ島録音。前作が日本でのアイディアを現地で完成させたものに対し、今作は現地で湧き出たアイディアをまとめあげたものという。確かにネイティヴ度が増したそのサウンドはより濃厚で熱帯の空気を忠実に再生してる様。レコーディング中、偶然にも遭遇したボス・ザ・MCが参加したり、ラス・タカシをゲストに迎えたりとまたも楽しめる。(高橋晋一郎) |
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エンプティ・ザ・ボーンズ・オブ・ユー/クリス・クラーク
[ビートインク / BRC-77]
ミニ・アルバム『Clarence Park』から2年、クリス・クラークが遂にフル・アルバムを完成させた。リリースはもちろんワープから。オウテカにも通じるような金属的なサウンド加工とブレイクビーツを主体としたプログラミング、そしてボーズ・オブ・カナダを彷彿とさせるようなメロディ・センスとが混じり合い、十分にフォーマット化されたエレクトロニカが新鮮に響いてくるクオリティー・アルバム。(高橋晋一郎) |
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3/アイ・キューブ
[MCJP / XACE-22001]
今年はジルベールとのユニット、シャトー・フライトとしてフジ・ロック・フェスティヴァルで来日したアイ・キューブによるサード・アルバム。テクノやハウス、ブレイクビーツを基調としながらも太いベースラインが個性的なオリジナル・サウンド・メーカーとしての立ち位置は健在。何と今回はウー・タン・クランのRZAをフィーチャー、異色の組み合わせは最高のミス・マッチとして本作に彩りを与えている。(高橋晋一郎)
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ブック・オブ・デイズ/V.A.
[ファーラヴ/SPCDF-005]
決して早いとはいえないペースながら、しっかりとソウルの宿った音楽を発表する事によって着実に足場を築いているレーベル、ファーラヴからの最新リリースは「日々の生活」「日常的な感覚」といった言葉にリンクするトラックを集めたコンピレーション。ペペ・カルフォルニア、サトル、高木一江といったお馴染みのレーベル・アーティストからエマーソン北村による「Mambo」のカヴァーまで収録。(高橋晋一郎) |