SHRUNKEN HEAD / AFRICAN HEAD CHARGE[V / V]

Bonjo-Iを中心とするOn-Uの看板グループ。初期はアフリカン・ダブ・ジャズと言われたりしたが、ナイヤビンギ、ソカ、アフリカの音楽を呑み込んだ様々な音楽性故にラリー・レーバンがよく彼らの曲をプレイして話題になっていた。本作は彼らのベスト盤的内容だが、レア・テイク、新曲を1曲ずつ収録。遠く、でっかいアフリカの大地が目に浮かぶ様な音。個性が強いだけに昔の曲も全く古さを感じさせない。[輸入盤](鎌田和美)

DECIBEL / DENNIS BOVELL
[ / S1]

今更、説明不要のこのお方。76年から83年の名ダブ傑作選。抜き差しの妙、エフェクト処理の面白さ等、コアながら素人耳にも分かりやすい感じだけど、背後に様々な音楽性が見え隠れする辺りでニヤリとさせられる。LKJやジャネット・ケイ、ニュー・ウェイブ系等々を手掛けてる彼の音源は、例えレアでもクローズアップされやすいだけに、返ってこういった内容の方がレア度も高い気がする。[輸入盤](鎌田和美)ージされた作品だ。(石澤伸行)

ZION HIGH / RANKIN JOE
[BLOOD AND FIRE / BAFCD043]

名作ルーツのリイシューで知られるブラッド&ファイアの最新作は、70年代後半から80年代前半にかけて活躍したキラー・トースター、ランキン・ジョーを取り上げている。デニス・ブラウンのレーベル、DEBの音源を収録したアルバム『ラウンド・ザ・ワールド』を中心に、その元ネタであるデニスやブラック・ウフルの曲までもコンパイル。リディムに合わせて正確に韻を踏んでいく80'sスタイルがカッコイイ![輸入盤](小池信一)

ULTIMATE COLLECTION / DILLINGER
[ISLAND / 440 063 161-2]


70年代中〜後期を代表するハードコアDJ、ディリンジャーのベスト・アルバム。勢いに任せたラフでパワフルなトースティングは当時のDJ陣の中でも群を抜いて個性的であり、血生臭いゲットーの空気をリアルに伝えてくれる。チャンネル・ワン、ジョー・ギブス、バニー・リー他、複数レーベルからのセレクションで代表曲中心。ベスト盤の多いアーティストだが、初CD化の音源も収録されておりお薦め。[輸入盤](小池信一)

ROOTS OF DUB FUNK 3 / V.A.
[TANTY / TNTYCD-009]

2003年、UKのタンティー・レコーズからリリースされたニュー・ルーツ系アーティストによるオムニバス盤、シリーズ3作目。アルファ&オメガ、ジャー・ウォリアー、ヴァイブロニクス、バーニング・バビロン、ラス・シャガイ、ダブ2ダブなどイギリスを代表するダブ・アーティストの面々が次々と登場する。彼らの新鮮なダブ・チューンが満載。前作同様、今回も強力なダブ・チューンが堪能出来る。[輸入盤](長井政一)

KING SIZE DUB CHAPTER 9 / V.A.
[ECHO BEACH / EB043]

ドイツ発のダブ・コンピ盤、シリーズ9作目である。イギリス、ドイツのアーティストをフィーチャーした現代風のダブが満載だ。参加アーティストは、アフリカ・ユナイト、ジュニア・リード、ヘッドコーナーストーン、マナッサ、ブーズー・バジョー、プロフェッサーOZ、クール・ヒプノイズ他、有名、無名を取り混ぜている。全曲打ち込みの未来派ダブとでも言おうか、とにかくお勧めの要チェック盤![輸入盤](長井政一)めの要チェック盤![輸入盤](長井政一)

ラヴ・サンセット/バグダッド・カフェ・ザ・トレンチ・タウン [エム・オー・ピー / MOPR-003]

大阪発の名コンピ『Love Sofa』にも収録されたルーツ・レゲエ・バンド、B.C.T.T.T.のデビュー・ミニ・アルバム。総勢11名、平均年齢23歳という彼ら。端々にはまだ成長途中といった感じは残るが、レゲエ独特の“間”は、既にメンバー全員の身体に染み込んでいるようだ。母性を感じさせるヴォーカルを聴かせるマイの個性も立っているし、アイ・スリーを彷彿とさせるコーラスの掛け合いもいい味を出している。(大場俊明)

ベラベラ/ラバ・ダブ・マーケット
[フライング・ハイ / FLHI-19]


本誌『Riddim』創刊20周年を記念して制作されたアルバム。現在では文章なんぞ書かせていただいているこのオレも、かつては一読者として色々と勉強させてもらいました。何はともあれ、20年もの長きに渡りレゲエ・ミュージックを支え続けてきた本誌の功績にマジで大リスペクト! とういうことでこのアルバムですが、音源は全てアイランドのもの。ルーツ〜ダンスホールの名曲がギッシリ詰まった万人向けコンピ。(小池信一)

ブルー・ビート・バップ ! プレゼンツ・アイランド・レゲエ・クラシックス 70's→80's/V.A.
[ユニバーサル / UICY4114]


昨年復刻されたスカ関連の書籍『Blue Beat Bop!』をタイトルに使用したアイランド音源のコンピ。本との関連性は見い出せないものの、内容は相当ヤバイ。12"のみでリリースされていたリコの未CD化音源を筆頭にディンジャー、J・モワット、LKJらのレア・テイクがザクザク。こんな音源が国内メジャーからリリースされるとは。世の中に於けるレゲエの認識度が確実に上っていると実感させられた。 [輸入盤](小池信一)

ロッカ・シャッカ VOL.5〜ダンス・クレオパトラ/プリンス・バスター
[ユニバーサル / UPCH-1261]


CD帯の謳い文句「“キング・オブ・スカ”プリンス・バスターのキラー・セレクション」に偽りなし。気を抜くヒマもないほどビッシリとキラー・スカが詰め込まれた濃密濃厚な1枚。えも言われぬバスターの豪胆なヴォーカル、クールだが音色の奥に荒ぶる魂がひそむ裏街道的ホーン・セクション。レア云々よりこのタフさ、ルーディーっぷりにこそ注目。男気1000%のワイルド・スカに打ち震えて欲しい。(武田洋)

リラクシン・ウィズ・ラヴァーズ VOL.3/V.A.
[15 16 17 / ソニー / AICP-266]

『Japanese Lovers』を挟んでシリーズ復活。このVol.3はUKラヴァーズ・コレクターなら存在自体は知ってるはずのスタジオ・16音源。その中からラヴ & ユニティ、ブラウン・シュガーなどガールズグループにスポットを当て12曲を選出。「Our Reggae Music」「Just Don't Care」をはじめ、ここにこんな可愛い曲がこんなにもたくさん残されてたのを知る通人は少ないだろう。選曲だけでなく曲順も見事。(武田洋)

リラクシン・ウィズ・ラヴァーズ VOL.4/V.A.
[15 16 17 / ソニー / AICP-267]

デニス・ボーヴェルのサポートにより質の高い作品ばかりを残したマニア垂涎のレーベル、ブシェイズのコンピレーション盤。看板シンガー、ルイーザ・マークスの名曲「6, Sixth Street」で幕を開け、ジャネット・ケイ&リコ「Sil-houette」、さらにジャズボのトースティングが加わった「Silhouette Gone Clear」と続き、その後は怒濤のメロウ・コレクション。これにヤラれないラヴァーズ・フリークはいないでしょう!(武田洋)

フリー・ソウル〜フライト・トゥ・ジャマイカ/V.A. [サブスタンス / BSCP-30082]

Count Lasher等によるカリプソ・チューン「The Weed」でスタートする“フリー・ソウル”シリーズの番外編とも言えるジャマイカン・オールディーズ集。前半はLord KitchnerやLord Tanamoによるカリプソ・チューンやスカ、ロック・ステディでも比較的軽快なチューンが並ぶ。後半はロック・ステディ・チューンが並ぶが、ソウル・ファンにもお馴染の曲が多いのは、このシリーズならではの配慮? 選曲は保証付き。(大場俊明)

デンジャラスリー・イン・ラヴ/ビヨンセ
[ソニー/SICP-406]


待望のソロ・デビュー・アルバム。ジェイ・Zとの共演曲での、エッジィなトラック捌きと小股の切れ上がったパフォーマンスが切磋琢磨するかのような雰囲気が大勢を占める中、ミッシーやショーン・ポールらとの交わりはどこかくつろぎモード。自分のチャーム・ポイントを把握できている故の余裕の風情が、ディーヴァとしての「君臨」を醸す。「旬のオンナ」の芳香がほぼ理想的な形でパッケージされた作品だ。(石澤伸行)

ミュージック・イズ・ライフ/ジェフリー・オズボーン
[ビクター/VICP-62290]


約3年ぶりに自ら設立したレーベルから新作を発表。タイトル曲では、ラガ・フレイヴァを取り込んだアグレッシヴなビートの上でしなやかに歌い倒し、俄然気を吐く。最先端のサウンドは求め得ないものの、ここに収められた入魂のトラックはどれも生々しく熱い。そして思わず拳を握ってしまうのがミッド〜スロウ。ここでのバック勢と絡み歌いまわす際の「艶」には、往年のファンならずとも引き寄せられるはず。(石澤伸行)

ビタースウィート/ブルー・カントゥレル
[BMG/BVCA-21129]


本作を制作するに当って踏まえられたのは、実際に彼女の身に降りかかった恋愛関係上のトラブル。トリッキー・スチュアートやシェップ・クロフォードらが提供するトラック上では「男女の酸いも甘いも」が描かれる。彼女の魅力は何と言っても「しなやかさ」と「揺るぎない軸」を兼ね備えた歌唱力だが、今回それは切れ味鋭いアップで堪能できるだけでなく、ミッド曲での大らかな表現力にもただ恐れ入るばかりだ。(石澤伸行)

チャプター II/アシャンティ
[ユニバーサル/UICD-9010]


1年ぶりの2作目。サウンド・プロダクションにおけるメリハリの効かせ方やヴィヴィッドな彩色の施しもさることながら、何よりも彼女の歌に力がある、こっちを向いてしっかりと歌い伝える、そんなベーシックな部分での佇まいに格段の成長が認められる。シングル曲で放たれる色香を始め、ミッド曲でのパフォーマンスはアリーヤの喪失感を埋めて余りある出来。「大磯ロングビーチ」なポスターも部屋に張るべし。(石澤伸行)

ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー/ルーサー・ヴァンドロス [BMG/BVCP-21317]

もうあの声が聞こえてくるだけでトロントロンってな貴兄を、今度のルーサーはミッド責めで再び溶かしにかかる。旋律のひとつひとつを丁寧にすくい取って優しく愛でるかのような歌唱は珠玉の輝きを放ち、フォクシー・ブラウンやクイーン・ラティファらと絡んだアップ群でも、シェイプアップされた身のこなしで「粋」を伝える。脳卒中により今も病床にある彼が、今一度立ち上がることを願わずにはいられない。(石澤伸行)

ヴァルネラブル/トリッキー
[ビクター/VICP-62410]


約2年振りとなるトリッキーによる最新作。通算7作目となるこの新作で、どちらかといえばダークかつパンキッシュなイメージのサウンドを一新、イタリア人の女性ヴォーカリストコスタンザ・フランカヴィリアをほぼ全編にわたってフィーチャーし今までになくやわらかでエモーショナルな表情を構成している。好みは分かれるところだろうが、トリッキーの新しいディレクションの第一歩として興味深い。(高橋晋一郎)

エレクトロピカ/ブッシュ・オブ・ゴースツ
[バス・レコーズ / IMS / BUS-002]


何となく80年前後のニュー・ウェイヴ的なカオスティックな雰囲気のジャケットがインパクト大な大阪のB.O.G.によるセカンド・アルバム。前作『Buddhists Tracks』以上に、メンバー各々のやりたいことや閃いたことを躊躇せず、えげつなく吐き出した結果、摩訶不思議な美味なる濃厚なスープが完成した、といった感じか。そんなトラックに絡むBunbunのオールドスクールなトースティングもかなりヤバめです。(大場俊明)

オウディブル/D.O.I
[リヴァース/RECD-009]


日本のヒップホップ作品のクレジットをきっちりチェックしている人なら、D.O.I.の名前は既に脳にインプットされているだろう。本作はずっと裏方に徹してきた彼がインドープサイキックス解散後に放つソロ名義作品。引き出しの多さは当然として、その混ぜ具合や配置が絶妙で、一瞬たりとて気が抜けない。これを聴けば、何故に彼が多くのヘッズ達に絶大なる信用をもってサウンドを任されるのかが分るはずだ。(大場俊明)

エクスカージョンズ/チャンピオンソウル
[ライフライン / LLCD-1004]

NY在住のハウス・ユニットながらウエスト・ロンドン周辺でも高い評価を受けているチャンピオン・ソウルの1stアルバム。国内外を問わず良質な音源をリリースするライフ・ライン・レーベルからのリリース。女性ヴォーカリスト、マリアナ・ヴェラをフィーチャーした「Cancion De Amor」は既に先行リリースされたサマー・アンセム。ボーナス・トラックとして収録されたDJスピナによるリミックスも秀逸。(高橋晋一郎)

ギャラリー/V.A.
[フラワー / FLRC-020]

青山Cayで行われている、恐らく東京でも屈指のピースフルなパーティー「ギャラリー」のクラシックを収録しコンピ盤が登場。選曲を手掛けるのは勿論、Nori、Alex From Tokyo、Kenji Hasegawa、FukubaのギャラリーDJズ。バーバラ・ジャクソン「Revitalized」、ラリー・スピノザ「So Good」、ア・ハンドレッド・バード「Ba-tonga」などの名曲に加え、ギャラリーのオリジナル・テーマも収録されるとのこと!(高橋晋一郎)

ドリーム・ホワイト・アイランド/V.A.
[ユニバーサル/ISCP-1014]


アイランド・レーベルに残された所謂80年代音源のコンピ盤。グウェン・ガスリー「It Should Have Been You」に始まり、トム・トム・クラブ「Wordyrappinghood」やNYCピーチ・ボーイズ「Come On, Come On (Don't Say Maybe)」等を収録。かつて無い視点からこのきわどくも実に今っぽい選曲を手掛けたのは二見裕志。同時リリースされた『Dream Green Island』も驚くべく曲が並ぶバック・トゥー・ルーツな一枚。(高橋晋一郎)