観光といえばモンティゴベイやオチョリオスなど、北海岸のビーチのイメージが強いジャマイカだけど、最近はローカルの観光も盛んだ。ダンズリバーフォール(オチョリオス)もいいけど、YSフォール(ブラックリバー)やリーチフォール(ポートランド)もね。ネグリルもいいけどトレジャービーチ(セントエリザベス)もね。住んでいても島内旅行は、いつも新しい発見があって楽しい。Jamaica Big Yu Know.

 そこで、地元の人向けにここ数年のあいだに盛り上がってきた、観光と名産の食べ物をセットにしたイベントが大人気。どこの国でも一番の興味は食べ物なのだ。その成功例がポートアントニオのジャーク・フェスティバル。日本人にもファンが多いジャマイカの屋台料理、ジャークチキン、ジャークポークを食べるお祭りだ。ジャークの故郷ボストン・ベイで開催され、その年のジャークの王を決める催し。この日はボストン・ベイだけではなく、島中のジャーク自慢が集まって、味を競い合う。今年は7月下旬に開催されるこのフェスティバル、年々ビッグになっており、他の地区もこの成功に続けとばかりに、サカナ、バミー、エビ、ココナッツ、カレー、ヤム芋、バナナ、各地であの手この手でお国自慢の観光イベントが催されている。ジャマイカにはテーマパークがないからね。

 キングストニアンが気軽に行けて、食べ物観光できる人気の場所といえば、なんといっても市街地から車で1時間で行けるポートロイヤルだろう。ポートロイヤルは、歴史的に大変興味深い町である。16世紀から、海賊とイギリス海軍で栄えた町で、地震で沈んだという地形も面白く、町ごと丸ごと博物館。しばらく、寂れた漁村という感のあったポートロイヤルも、年々観光に力を入れるようになってきている。ウェイン・マーシャルのヒット・チューン「マーシャル・タウン」のビデオは、この町で撮影されている。ガイドブックには必ず載っている「チャールズ王のとりで」博物館ばかりでなく、町を歩いてみるのも楽しい。思わず絵葉書を送りたくなるような、かわいい郵便局もある。このポートロイヤル、実はキングストン市内で、キングストン1地区。かつてWickedest Townとよばれたこの町の家々には、鉄格子がない。それがこの町のウリのひとつ。キングストンの中で、唯一窓をあけて寝られる平和な町。町の犯罪発生率は、かなり低いのである。町の人をよく見ると、その歴史からかブラウニン(白人等とのミックス)の人も多く、話し方も、キングストンの人たちよりゆっくり話す、やさしいアクセントのパトワなのね。「みあごーたぅんー」、と書いても違いがわかってもらえないっか。

 ポートロイヤルといえばサカナ料理。サカナ料理といえばグロリア・ランデブー。ジャマイカに珍しく、年中無休! グロリアは、この小さな町に、2軒店舗があります。その他、スクエアの海側角のレストラン、Fisherman's Cabin。ココはデートに最適。イラストのAngler's Barは1850年代から営業しているというし、グロリアの隣のBuccaneer's Roost Barは海賊風味のレストラン&バー。
 毎週金曜の夜がポートロイヤルの村祭りの日。古くからこの町を盛り上げているサウンド、ブレーブスターがプレイし、有名レストランだけでなく、フィッシャーマンがとれたてのサカナを料理して、海辺の屋台で売っているのがまたウマイ。

 そして土日は、ご存知ライムキーに行く人たちで賑わう。ポートロイヤルから随時出ているボートに乗って約20分で行ける無人島。キングストニアンには恰好の海水浴場で、このスリルあるボートも大人気。

 さてこのポートロイヤル、以前はダウンタウンからフェリーが通っていたが、現在はJUTCのバスがダウンタウンのパレードから出ており、陸路で行けて便利になった。しかも、バス代はJ$30(約60円)。夏休みにポートロイヤルで、Easy Rockin' Reggae!




Reiko NAGASE SMITH
(協力/アイランドツアー:http://www.nabra.co.jp/island/)


「Ricoのジャマイカ、Art Life」
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