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HE'S
GOT THE POWER / SANCHEZ
[VP / VPCD1658]
今回はゴスペル。彼のゴスペル・アルバムは2枚目ですが、前回に較べリズムはレゲエな曲が多いので、あまりゴスペルを聴いた事の無い人にも馴染み易いんじゃないでしょうか。こういった作品はしょぼいアーティストには中々真似の出来ないもの。さすがサンチェスといった内容で間違い無い出来。きっと皆、彼の歌に対する真摯な気持ち、愛情を感じる事でしょう。因みにプロデュースはディーン・フレイザー。[輸入盤](鎌田和美)
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TREE
IN ONE / MORGAN HERITAGE
[VP / VPCD1656]
様大ヒットを記録した前作から2年、モーガン・ヘリティジが待望の新作を発表。細部までしっかりと練り上げられた楽曲群はどれも極上品で、スピリチュアルかつ力強いコンシャス・メッセージが心に響く。全曲ヒューマン・ビートによるトラックは、70年代から受け継がれたRoots
& Cultureをしっかり吸収し、現在のシーンにもキチンと対応した素晴らしいものばかり。全レゲエ・ファン必聴の彼らの最高傑作。[輸入盤](小池信一) |
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ABIJAH
/ ABIHAH
[VP / VOCD2220]
01年に「レヴェレイション」って曲がヒット。それ以来、一部ではかなり話題になった人。アビジャーという名前はあのアフリカの街に引っ掛けた名前なんでしょうか?
全体的にアコースティックな音使い、乾いた空気感。ボブ・マーレーとダブる様な唄い方に、そうじゃないとしてもそんな感じがしてしまうけど、それが彼の個性。王道ルーツなノリながら、さりげなく幅広い音楽性に可能性を感じます。[輸入盤](鎌田和美) |
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VULTURE
CULTURE / GHETTO PRIEST
[ON-U / ONULP 1003]
エイドリアン・シャーウッドのサウンドシステムでMCとして活躍しているというゲットー・プリーストのデビュー作。10"で先に出た「Dry
Bone」も収録し、ダンスホール色濃い曲が多いが、ルーツ・ロックに爆音ノイズ・ギターが突如カット・インする「Masters
Of Deception」など、いかにもON-Uらしい曲もあり。ステッパ−・リディムにレベルMCみたいな攻撃的高速ラップがのる「Show
Them」がオススメ |
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STEP
LIKE PEPPER / MANASSEH MEETS THE EQUALIZER
[SELECT CUTS / SCDOLP 1010]
ソウルジャズ・クルーやデヴィッド・ロディガンらと親交を持ち、キッスFMでもDJを務めるニック・マナサは、ジャー・シャカの様なレゲエ・ルーツ・サウンドシステムと、ジャズやブラック・ミュージックとのクロスオーヴァーを指向して90年代初めから活動を続ける一風変わったアーティスト。ぺギー・リーの名曲を「Billy
Jean」似の打込みトラックにのせた「Do Right Dub」を聴けば彼のセンスが分る。[輸入盤](武田洋) |
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JCUTTING
RAZOR / LEE "SCRATCH" PERRY[HEARTBEAT / 11661-7753-2]
またまた発掘されたブラック・アーク産リー・ペリー音源集。全17曲中12曲が未発表音源と未発表ヴァージョンで占められている。内容的に素晴らしく、70年代中頃ブラック・アーク全盛期の作品ばかりで肩の力が抜けたスモーキーなチューンが並ぶ。ペリー自身のヴォーカル曲「What
A Sin」やタイム・アンリミテッドの「Staring」など、ヤバイ曲がまだこんなに隠されていたなんて。リー・ペリー侮れず |
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CHAMPION
IN THE ARENA / JACKIE MITTOO[BLOOD & FIRE / BAFCD042]
90年12月にガンで他界したジャッキー・ミトゥ。とにかくスタジオ・ワン時代に目が行きがちである彼のキャリアではあるが、70年代にも良質の作品を多数残している。このアルバムは78年にリリースされた『ショウケース』に7曲のボーナス・トラックを追加したもの。ハモンド・オルガンの美しい音色とロッカーズ・ビートがジャスト・フィットした70'sルーツで薄口のダブも効果的。バニー・リー音源。[輸入盤](小池信一) |
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ラヴィング・ユウ…モア/ジャネット・ケイ
[ソニー/SICP-214]
ここ日本ではラヴァーズ・ロックの代名詞とも言えるジャケット・ケイのデビュー25周年を飾る5年振りとなる本作。相変わらず甘茶ソウル系のカヴァーが多いが(「Lovin'
You」のカヴァーは3度目。もはや演歌の世界)、彼女が敬愛する故デニス・ブラウンの「Created By The Father」やボブ・マーレー「Who
The Cap Fit」もいい雰囲気だ。スラ・ロビ他、去年、日本で共演したオマーがいい仕事してます。(大場俊明) |
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ドラゴンフライ/ジギー・マーリー
[BMG/BVCP-21310]
若干16歳の時にEMIと契約したジギーも今年で35歳だそうだ。つまり親父が癌と闘っていた年齢でもある。さて本作、99年の『The
Spilit Of Music』以来、4年ぶりで、しかも初のソロ名義。曲作りはジャマイカ、録音はマイアミとロスで行い、一年間という長い時間を掛けじっくりと練り上げて制作された本作は、迷いを微塵も感じない地に足が着いた力作だ。彼は自分の行くべき道を見つけたような気がする。(大場俊明) |
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ダンスホール・キラ/V.A.
[エイベックス/AVCD-17284]
NYの最新のクラブ・ミュージックを発信し続ける人気シリーズ“R&B/Hip Hop
Party”の番外編とも言える、AV8制作によるイケイケのダンスホール・レゲエを詰め込んだコンピレーション。アーティストは無名ながらトラックは日本でもお馴染のヒット・トラックばかり。NYは元々レゲエと密接な土地柄でもあるが、こうした作品が制作されるのはやはり、シャギーやショーン・ポールの功績なのだろうか。(大場俊明) |
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ハード・グルーヴ/RH・ファクター
[ユニバーサル/UCCV-1037]
ディアンジェロ作品等への参加を通し、ジャズとR&Bとヒップホップの間に掛け橋を繋ぐトランペッター、ロイ・ハーグローヴの変名ユニット。もともとPファンカーだったという彼のサウンドにポップな要素は皆無、ただひたすら猥雑に黒光りするグルーヴの連続には震えが来るくらいだ。コモン、Q・ティップ、エリカ・バドゥらに加えディアンジェロの名も。抑制の効いた爆発寸前のファンクネスを堪能せよ!(石澤伸行) |
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オン・ビカミング・ア・ウーマン/
アリソン・クロケット
[P-ヴァイン/PCD-23403]
これまでにシルク130やUS3等で腕を鳴らしてきた女性ヴォーカリストのデビュー作。音の方は自作自演派ならではの統一感を誇りながら、ジャム&ルイスによるメロウ曲あり、フリー・ソウル風ありとチェンジ・オブ・ペースも鮮やか。ジャズをベースとしたヴォーカリゼーションの根っこにある逞しさもあって、マスマティックスと共作した生音ドラムン・ベースのようなトッポいサウンドをも軽々と乗りこなす。(石澤伸行) |
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サブジェクト/ドウェレ
[東芝EMI/VJCP-68492]
フィリー出身の男性シンガーのデビュー作。ジェイ・ディーらヒップホップ勢以外に、デトロイト・テクノやブレイク・ビーツの世界とも盛んに交流してきた男だが、そのまろやかな歌声を軸とした世界観は、ディアンジェロを幹とするR&Bの系譜にハマるものだ。先行シングル“Find
A Way”を始めとするドライな質感を伴ったビートとヴォーカルのアンサンブルは「ネオ・フィリーの快感原則」に貫かれている。(石澤伸行) |
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ボディ・キッス/アイズレー・ブラザーズ
[ユニバーサル/UICW-1036]
デビュー後40年を超える(!)大ベテランが放つ新作。リル・キムやスヌープといったヒップホップ畑からのゲストに加え、パイド・パイパー名義で駆けつけたR・ケリーといったツワモノまでもが、“アイズレーズの世界”の中の住人に成りきっている様を見るにつけ、このグループが刻んできたものの“重み”や今を生きる者としての揺るぎない“存在感”を実感させられる。彼らに“余生”は来ないというのか?!(石澤伸行) |
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フリー/チコ・デバージ
[ビクター/VICP-62333]
出所後3作目となる新作。モータウン及びキダー・マッセンバーグの下を離れた本作でのチコは、前作に見られたような派手な仕掛けもない中、得意のスロウでは独自のプロダクションで艶やかなロマンティシズムや深い悲哀を表現。前作に引き続き“友情出演”となったジョーと共作した2曲のアップでの瑞々しい躍動感には目が覚める思いだ。孤独な男が自らの足で立たんとする姿をしかと見届けようではないか。(石澤伸行) |
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メイド・イン・マンハッタン/OST
[ソニー/EICP-227
ジェニファー・ロペス主演の映画のサントラ。エイメリーによるダイアナ・ロス「I'm Coming
Out」のカヴァーは軽いタッチながら彼女のキュートネスが全開。ジェニ・ロペの肝煎りで本編にも登場するというグレン・ルイスの新曲は映画仕事をトコトン意識したと思しき“よそ行き”仕様。リースも独特の作風でフレッシュな風を送り込む。既発は多いものの上記曲は早くもお宝度が高いことから要チェックかと。(石澤伸行) |
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東京/NUMB
[リヴァース/サウンドスケープ/RECD-007]
「エレクトロ・ミュージック最前線」…Numbのファースト・アルバム『Numb』を聴いた時の印象を僕が言葉にすると、こんな陳腐な表現になってしまうが、確かに一歩抜きん出ている作品だった。本作は緻密に練られたそのスタジオ作品以上に、肉体感を感じさせてくれるスタジオ・ライヴ音源集。一瞬の閃きによってどう転ぶか分らない刹那的なもののはずだが、どの曲も彼のベクトルに揺るぎはない。(大場俊明) |
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グラス/ザ・シー・アンド・ケイク
[ヘッズ/THRILL-JP4/HEAZ6]
今年元旦にリリースされたアルバム『One Bedroom』がここ日本でも大ヒットを記録したシー&ケイクによるミニ・アルバム。ヴァージョン違いを含む新曲4曲とステレオ・ラヴ、ワープ・レーベルからのリリースでも知られるバンド、ブロードキャスト、更にカール・クレイグによるリミックスを収録。加えて「Sound
And Vision」のプロモーション・ビデオまでコンパイルされるというコンパクトながら濃い内容の一枚。(高橋晋一郎) |
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ジャングル・チャンプル/ゴマ
[ジャングル・ミュージック/JM-002]
何とレコーディング用の機材を全てバリへ持ち込んで行われ誕生したディジリドゥー奏者、ゴマによる4枚めのアルバム。バリの伝統的な音楽スタイルであるガムランやケチャなどを独自のセンスで取り込んだ何とも新鮮なサウンド・スケープ。多くの民族楽器がぶつかり合い、共鳴し合って生まれる何ともピースフルな雰囲気が最高でリラックスしながら聴けるトライバルなムードが他にそう例を見ることがない傑作。(高橋晋一郎) |
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ワック・ワック・リズム・バンド/
ワック・ワック・リズム・バンド
[ファイル/FRCD-116]
結成から11年、98年にファースト・アルバムをリリースして更に5年経ってやっとセカンド・アルバムをリリース…と驚異的にマイペースなファンク・バンド、WWRB。ダンス・ミュージック本来のリズムの気持ち良さを追及し続けてきたバンドだけに、本作でも当然の様にツボを心得た楽曲がズラリと並ぶし、メロディも当然キャッチー。ゲストのライムスターもまるでWWRBの一員の様。ハマってます。(大場俊明) |
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フィエスタ・ソングス/セニョール・
ココナッツ[サード・イヤー/3ECD-020]
バーント・フリードマンとのユニット、フランジャーとしても高い人気のアトム・ハートによるプロジェクト、セニョール・ココナッツによるニュー・アルバムが完成。前作が全編クラフトワークのカヴァーだったのに対し、今回はM・ジャクソン「Beat
It」、D・パープル「Smoke On The Water」、シャーデー「Smooth Operator」などの楽曲をお得意のラテン・スタイルでカヴァー。流石アトム・ハート、フレッシュです。(高橋晋一郎) |
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トロピチ・ディ・ヴェトロ/上野耕路
クインテット[しおさい/SHCZ-0023]
ピアニストの上野耕路は近年、松永義孝(b)、鶴谷智夫(ds)の3人を軸に活動していたが、増井朗人(tb)、そして本作のプロデューサーでもある清水靖晃(t.sax)を加えクインテットとして録音したのが本作。才能溢れる上野と清水のタッグは相乗効果を生み、日本ジャズの未来を感じさせてくれる怪作だ。本誌読者ならラストを飾る映画『長距離ランナーの孤独』で使われていた「Jerusalem」のカヴァーでひと踊り。(大場俊明) |
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ワールド・スタンダード.01/V.A.
[フラワー/FLRC-017]
先日2ndアルバム『Double Stan-dard』をリリースしたばかりのSunaga
t Experienceこと須永辰緒が手掛ける新たなミックスCDシリーズの第一弾が登場。収録されたのは琉球アンダーグラウンド「Kuiju
Nu Hana」やトシユキ・ゴトー「New Dance (My, My, My)」、更にロウ・ディール「Eye Fly feat.
Gary Bardouille」など相変わらずのワイド・レンジな構成とスムースなミックスで聴かせるあたりはやはり彼の独壇場。(高橋晋一郎) |
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ワン・ネーション/V.A.(インコグニート)
[ポニーキャニオン/PCCA-01900]
昨年末にリリースされた『Who Needs Love』で相変わらずの職人技を見せつけてくれたブルーイ率いるインコグニートが、日本人アーティストによるクラブヒット曲の数々をリミックスするという企画勝利な本作。言わば逆転の発想である本作に一つ返事で参加したアーティストは、Pushim、嶋野百恵、Neo、Original
Love、Fantastic Plastic Machine、キリンジ等、計13組。どの曲もフレッシュだし、安心して聴ける。(大場俊明)
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