この原稿を書いている時点では、バクダッドがそろそろ落ちるとおっかなびっくりのアメリカ−イギリス共同軍の報道が流れています。実際、戦時中は、こういったニュースの殆どがプロパカンダで、何を信じて良いのか分からないのですが、テロが多発するのは確かで、皆さま、くれぐれも海外、いや、日本でも注意して下さい。しかし、この時勢にエジプトからトルコまで観光に出かけるのも命知らずだが、そういった事を旅行代理店とか航空会社は、どうツーリストに説明しているのだろうか? 流石に『リディム』の読者にそんな間抜けはいないだろうが、そろそろ誰かが正直にならないと、本当に世界、終わるぜ。明るいニュース(?)では、ゴジラの開幕前の活躍振りと、NY市長が、「たっぷり松井で儲けまっせ」とあまりにも率直な発言だろうか?
●今月のトリビュート なんと、ビースティ・ボーイズが、影響を与えてくれた恩師とリスペクトを送り、デフ・ジャム在籍時にツアーも共にした、故ジャム・マスター・ジェイのトリビュート・コンサートを、なんとラス・ヴェガスのハウス・オヴ・ブルースで4/25に行うと発表した。このライヴの収益金はジェイの遺族に送られるそうだが、ジェイの悲劇の後、引退を表明したDMCと、過去にビースティのDJを務めていたDJハリケーンの出演が予定されている。最近、アディダスを止めて、兄貴のファット・ファームのスーパー・スターもどきのスニーカーのキャンペーンをやっているランは、今のところ出演の意志はないとの事。そして、またなんと、モノ凄いスピードで、デイヴィット・シグペクなる学士が書いたジェイの伝記も4/1に出版された。これには、各レヴューで批判を受けている。なかでもシカゴの地元紙、『トリビューン』では、「こういったマーケッティングによって、時間をかけたリサーチが出来ていないモノが記録として残るのは、残念だ」と、厳しい。ちなみにジェイを凶弾に浴びせた犯人は、現在も検挙されていない。伝記もそれまで待てないのか?
●今月のFBI 実際に、FBIからの捜査によるいやがらせ紛いな事が起きていると主張するマーダー・INCのジャー・ルールのヴィデオで、パトリック・スウェジが扮するFBIの捜査官が気に入らないと、FBIのスポークスマンがマーダー・INCに抗議したそうだ。それこそ、アーヴ・ガッティのスタントにしか見えないが、実際、クイーンズのドラッグ王、ケネス・マクグリフとの関係が明るみに出てから、捜査は本当に入っているらしいとタブロイドですっぱ抜かれてから、偽善行為と非難は激しい。結局、ブラック・エンタテイメントは、どっちに転んでも攻撃の対象になるみたいね?
●今月の釈放 2年の刑を終了し、州刑務所からODBが釈放された。直後、精神科医の判断で、「一般市民に危害を加える恐れがある」として精神科に収容されたという、歯切れが悪い刑期満了となった。グループの同僚、GZAによると、早くも7月には退院出来るという話。そして、WBAIのGメン(今月の写真)の情報によると、MTVのリアリティ・ショウ「Osbornes」よろしく、彼のリアリティ・ショウが、退院後、収録が予定されているとの事。一体、一時は正気か狂気かわからないと、プロパカンダ的に批判されていた彼だが、早く元気な姿を見たい?
●今月の近所迷惑 日本で放映されていたリアリティ・ショウをそのままPディディに置き換えて、新人発掘ドキュメンタリー「Making The Band」の為にレンタルしているグリニッジ・ヴィレッジの家を巡って、近所は騒然としているそうだ。その新人達が合宿するこのブラウンストーンと呼ばれる共同住宅に、近所に住む人々がマナーの悪さやタバコの吸い殻などに腹を立て、立ち退き要求の署名を集めていると、4/1に報道された。この番組は、一般から集めたタレント志望から選りすぐった者をR&BグループにPディディが仕立て上げるという彼のレーベルとMTVの共同プロジェクトで、その涙と汗の努力をドキュメントして毎週放映されている。第一シーズンで、見事勝ち抜いたグループがデビューする前に今回の騒ぎとなったのだが、このグループがストリート出身とは、間違っても言わないよね?
|