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GHETTO
LIFE / JAH CURE
[HARMONY HOUSE / VP
/ VPCD 2215]
最近、色々と問題があったようだが、ベレス・ハモンドの助力によって、めでたくアルバムが完成。コンシャスなテーマ、アクの強い声だけど、耳に柔らかく馴染む歌にレゲエの良心と強さを同時に感じる。何度もじっくり聴いてると、キャラは違ってもベレスに共通する何かがある事に気付くはず。勿論、プロデューサーがベレスというのも関係しているだろうけど。何れにしても良い作品である事には違いない。[輸入盤](鎌田和美)
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BOOK
OF EXIT:SACRED SYSTEM-DUB CHAMBER 4 / BILL LASWELL
[ROIR / RUSLP8280]
様々なアーティストと実験的な仕事をしてきたこの超大物のダブ作品と言えば、数年前にワードサウンドでスタイル・スコットと共演した作品が強烈だったのでその路線かと思えば、あの暴力的なヘヴィーな肌触りとは又違い、アンビエントな展開のダブ。エチオピア、シャシャマニ方面のフレイヴァーが効いた作りで、今までの活動のエッセンスが見事にブレンドされた懐の深さにいつの間にか引き込まれるはず。[輸入盤](鎌田和美)、良いモノは良い。傑作です。[輸入盤](鎌田和美) |
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THE
BLESSED YOUTH / HUGH MUNDEL
[MAKASOUND / MMLP003]
1980年代初頭に他界したヒューマンデルの隠れた最高傑作アルバム。1978〜1981年までの作品を集めたものとなると、つまりはオーガスタス・パブロと蜜月の時を過ごした頃である。ロッカーズ軍団の最高のセッション、泣き節満載のメッセージ・ソング、そしてキング・タビーのダブ・ミキシングと3拍子そろった文句無しの内容である。未だ人気の衰えない伝説のシンガーによる秀逸な12曲を収録。[輸入盤](長井政一) |
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THE
MAGICAL LIGHT OF SABA / CEDRIC IM BROOKS & THE LIGHT OF SABA[HONEST JONS / HJRLP4]
1974年、セドリック・ブルックスがカウント・オジーの下を離れて結成したライト・オブ・サバのコンピレーション。昨年の12"リイシューと同様、今回もかなり凝った作りで、手許にぜひとも置いておきたくなる秀逸パッケージ。もちろん内容も文句なし、奇跡のファンキー・アフロ・ナイヤビンギがじっくり味わえる音質極上2枚組。ホレス・シルヴァー「Song
For My Father」のカヴァーがとにかく素晴らしいのだ |
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TROJAN
12" BOX SET / V.A.
[TROJAN / TJETD084]
これで一体何作目なんだろうか? とにかく凄いリリース量なのは間違いない『トロージャン・ボックス・セット』の最新作。今回は12インチ・シングルとしてリリースされた曲を集めたもの。収録された曲の殆どがディスコ・ミックス・スタイルのロング・ヴァージョンとなっており、各曲のダブやDJ物が続けて楽しめる。ルーツ好きには聴きごたえ充分のアイテムではあるが、マニア向きの感が強いのも確か。[輸入盤](小池信一) |
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JAVA
JAVA JAVA JAVA / V.A.
[IMPACT / LP2003-1]
ダブ・アルバムとしては『Aqua-rius Dub』と並び最も初期のものとされている『Java
Java Java Java』がデジタル・リマスタリングされて復刻。ぶっといベースに乾いたドラムとギターを粗くダブワイズ、そしてシンプルなトラックの上を流れる哀愁のメロディ。ミキシングは後にジョー・ギブスとタッグを組み、ダブ名盤を連発するエロル・トンプソンの手によるもの。いやいやスゴイ再発です。[輸入盤](武田洋) |
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ザ・シニア/ジニュワイン
[ソニー/EICP-178]
2年振りの4作目。その卓越した歌唱力やスヌープ、メソッドマンらとの的を射た共演を前にしてなお、鮮烈なデビュー時の呪縛に囚われ「ジニュワインはもっと狂ってなきゃ」とか言ってる貴兄には、R・ケリーとコラボった先行シングル“Hell
Yeah”を。この「いろいろあった」ふたりによるゴロツキ感たっぷりのパフォーマンスには「商売っけ」も含めた味わいがある。ティンバはいない。だから何だっちゅうねん。(石澤伸行) |
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スター/702
[ユニバーサル/UICT-1018]
3年振りの3作目。これまで「メンバー交代の危機」や「レーベル運営の不安定」に翻弄されてきた感のある3人だが、内容の方はそれをも糧としたのではないかと思えるほどの充実度。ネプチューンズやシェイクスピアらによるフレッシュなプロダクションが「少し先」をみせてくれる一方で、彼女たちによるキュートさはそのままの本気モードの歌唱が実に素晴らしい。近年稀にみる「大バケ物件」として強く推奨!(石澤伸行) |
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フロエティック/フロエトリー
[ユニバーサル/UICW-1037]
ロンドン出身ながらマイケル・ジャクスンの“Butterfly”やネオ・フィリーを代表するシンガーたちに多くの作品を提供してきたユニットが、好き者にとってはまさに待望のアルバムをリリース。優れた作曲能力を武器にア・タッチ・オブ・ジャズの面々ら名うてのミュージシャンによる援護射撃を得て、豊潤なる世界を実らせる。歌+MCのコンビネーションが醸すメリハリはジル・スコットをも脅かさんばかりだ。(石澤伸行) |
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ワン・ステップ・フォワード/レ・ニュビアン [東芝EMI/VJCP-68476]
産後休暇もそこそこに発表された新作。“夕焼け感”とでも言うべき“泣き”の要素を含んだソウルネスは相も変わらず濃厚。その一方で美麗な情景を描いた「波紋」では新機軸を感じさせ、ダブ処理を施した“パパパパーン”も良いアクセントに。“我ここに在り”を高らかに宣言するかのような歌声は唯一無二な響きを湛え、その力強さはもはやレゲエやR&Bといったキーワードさえも必要とはしていないかのようだ。(石澤伸行) |
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アート・オブ・ノー・ステイト/ステイトレス [ヴィレッジアゲイン/VIA-0008]
北欧はエーテボリ出身のアンドレアス・サーグ率いるプロジェクトのデビュー作。ジャイルズ・ピータースンやケン・イシイらからの高い評価を受ける音世界は、エレクトロ・ミュージックの冷たくインダストリアルな質感とジャズやハウスを通過した洗練を併せ持つ。ループ感ともまた違うビートの繰り返しが生むグルーヴ感は、ひとつの楽器として機能するかの如きヴォーカルが乗る時、ひときわディープさを増す。(石澤伸行) |
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ドラフト7.30/オウテカ
[ビートインク/BRC67]
世界中の音フリークが待っていたオウテカによる新作が遂に完成。金属感溢れる硬質な音につつまれながらも刻々と表情を変化させ、決してアコースティックな楽器では構成することのない圧倒的なオリジナリティーに包まれたオウテカ・ワールドを展開。俗に言われる多くのオウテカ・フォロワーとは存在感の違いが歴然としたある種仙人のような域に達しつつある彼ら。今後どう変化し、また固まるのが実に楽しみ。(高橋晋一郎) |
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HIGH
EXPLOSION / V.A.
[TROJAN / TJDDD085]
ここ最近のトロージャンのリリース・ラッシュには驚かされるが、強力な作品がまた一枚加わった。今回はDJモノに焦点を当てたコンピレーション。70〜76年にリリースされた作品を収録したもので、DJオリジネーター、U-Royのトレジャー・アイル音源を始め、ロック・ステディ、アーリー・レゲエ期のオケにトースティングしたものが中心。「クールでシタイリッシュ」、これが当時のDJ達の基本スタイル |
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レゲエFM
Vol.7/V.A.
[オーバーヒート / OVE-0089]
パブロの名曲「Java」をはじめ、70年代に数多くのシングルをリリースしていたクライヴ・チンのレーベル、インパクト。アーリー・レゲエ調のものからドロくさいルーツ・ナンバー、はたまたソウル・マナーなチューン等々、サウンドのバリエーションはかなり豊か。今では聴く事の出来ないレア・ナンバーを多数収録した本作品、アルバム単位でのリリースが少ないレーベルだけに実に聴きごたえがある。[輸入盤](小池信一) |
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ワッキーズ・セレクティヴ・ショウケースVOL.2/V.A.
[ワッキーズ・ファー・イースト・チャプター
/ WFE003]
70年代後半にロイドー・バーンズ率いるワッキーズ・スタジオで録音された古い音源に、ラス・タカシのメロディカをリミックスしたロッカーズ・スタイルの作品集。目玉としてはワッキーズ秘蔵のマスター・テープからホレス・アンディ、ストレンジャー・コールなどの発掘作も収録したことか。ミックスはロイドー・バーンズ本人によるもので、当時のアナログ・ミックス風に仕上がっている。(長井政一) |
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ブルー・フレイム・ダブ
Vol.3/V.A.
[SFレコーディング/SFR005]
毎回、関西ダブ・シーンから生まれた高品質な音源を紹介するシリーズ第三弾。今回はSoul
Fire、Bush Of Ghosts、Dru Weed等のお馴染の面子に加え、Echo-Mountainのメンバーも参加するHenircoots、EqualizerとIcchie
& YossyによるGreen Green、パラッパラッパーでお馴染のTuttle & Dynamo Laboratoryの珍曲等を収録。更に大阪アングラ音楽シーンの裏番(?)一番星クルーも参戦。恐るべし。(大場俊明) |
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リディム&ヴァイブレーションII/V.A.
[バウンス・レコーズ/ORA-1033]
前回好評だったシリーズ第二弾となる今回はオーセンティック・スカ・バンドに焦点を当て、既発曲や未発表曲を交えて日本全国から11組が参加。Cool
Wise Men、Sideburns、Rude Pressures、Ska☆Rocketsと言った名の知れた実力バンドの他、札幌のTriple
Slott、仙台のGhost Syndicate、沖縄のMajestics等、地元のスカ・シーンを盛り上げているバンドも積極的に紹介。個人的には岩国のLittle
Elephantが気になった。(大場俊明) |
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ザ・トラブル・ウィズ・ビーイング・マイセルフ/メイシー・グレイ [ソニー/EICP-198]
2年振りの3作目。あまりに痛いタイトルの割に中味の方はハッピー感に満ちていてまずは一安心。前作での「おもちゃ箱をひっくり返したような」楽しさが感じられるのに加え、本作では音や歌の繋がりがより強固になった印象。見ればそこにダラス・オースティンの名が。ありそでなかったこの組み合わせは、等身大の彼女をイキイキと描写することに成功している。聴くだけでホロリとさせるあのダミ声も健在だ。(石澤伸行) |
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ブレア・ウィッチ・アンド・ブッシュ・オブ・ゴースト・プロジェクト/中西俊夫・椎名謙介 [ポステージ/PRA-0001]
お馴染、中西俊夫と、以前本誌でもコラムを連載していた椎名謙介によるユニット(名前が凄すぎる)の第一弾。9.11.後、二人のメール交換から実現したユニットらしいが、その名の通り、G.W.ブッシュをコケにしたテーマが多く、サンプリングで彼らの肉声をそのまんま使ったりしていて笑える。でもそこは一筋縄ではいかない彼らのこと、高度な遊びや皮肉だけに終始せず、音楽的にも志は高く、完成度は高い。(大場俊明) |
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ゴス・トラッド?/ゴス・トラッド
[ラストラム/EWBE-00070]
ヘヴィーとのユニット、レベル・ファミリアのファースト・アルバムをリリースしたばかりのゴス・トラッドが、同じく自身のファースト・アルバムを発表。サンプラーやエフェクター、そして自ら制作したオリジナルな楽器を駆使して生み出されるそのサウンドは、ディープでありながら美しく、非常にイマジナティヴ。まるでストーリーを聴いているかのような、さながらサウンドトラックのような饒舌な音楽。(高橋晋一郎) |
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ヒューマン・イズミュージック/カコイ
[クロックワイズ/CWCD-001]
テニス・コーツのサヤとウエノ、そして気鋭のトラック・メーカーでありDJのDJクロックによるプロジェクト、カコイによる1stアルバム。エレクトロニックでありながらアコースティック、熱すぎず冷たくもない温度感、そして適度なユーモア的実験センスと絶妙に肩の力が抜けた個性的で清々しい一枚。エレクトロニカが騒がれ続けた喧噪の後で新しい流れの誕生をはっきりと感じ取れるフレッシュな作品。(高橋晋一郎) |
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PSBD
RMX/ネクサス
[カンマ/COMMA-12/13]
ジュズa.k.a.ムーチー率いるライヴ・プロジェクト、ネクサスのアルバム『Pearl,
Snake, Bird, Dawn』をチャリ・チャリこと井上薫やケンセイとタイヨーによるユニット、ボーダーら14組のアーティストがリミックスを施した作品。中でもパーカッシヴなブレイクビーツで聴かせるサイドラム、原曲を完全なまでにジャズ・テイストにリメイクしたクニユキ、大胆なカットアップが新鮮なL?K?Oによるミックスが白眉。(高橋晋一郎) |
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スライ・マングース/スライ・マングース
[ロカーノ/LCN-0004]
Cool Spoonの活動停止後、最も動向が気になったベーシスト、笹沼位吉を中心に2000年に結成されたスライ・マングースの待望のファースト・アルバムが遂に完成。アメリカン・ルーツを軸にしながらもレゲエへの愛情も感じさせる野太いリズム隊と、ブルージーなトランペットやキーボードがベストマッチで、男気がプンプン。長い旅の果てようやく辿り着いた泥臭いながらも孤高の音世界、いい音鳴ってます。(大場俊明) |
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ジョージィ・フェイム・フォー・カフェ・アプレミディ/ジョージ・フェイム
[ユニバーサル/UICY-1156]
橋本徹選曲によるモッズ・ファンなら定番のキーボード奏者の作品集。当時、常に誰よりも早くヒップな音楽に着目し自分流に料理してしまう彼のセンスは、この時代でも何の遜色もない。本誌読者ならスカを演じた5〜8曲目が目玉か。プリンス・バスター「Mad-ness」「Black
Head Chinaman」、エリック・モリス「Humpty Dumpty」を秀逸にカヴァー。他の曲も丁度いい具合に黒光りしいて、彼の“粋”を再確認。(大場俊明)
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