「Moomin、久しぶり!」。しばらく会ってなかった友達に、バッタリ街中で会った時みたいな、懐かしい感じのする新曲、「いつもそばに」と共に、今年もMoominが帰ってきた。
古巣を離れ、選んだ新しいレーベルは、なんと、あのIsland! Islandレーベルは言うまでもなく、Bob Marley & The Wailersを始めとする数多くのレゲエのカタログを誇る、レゲエの元祖的なレーベル。このレーベルを選んだ事からも今年のMoominの方向性、意気込みが感じられる気がする。
そんな思いにさせる新曲「いつもそばに」は、あの名曲「Moonlight Dancehall」制作時からの名コンビ、Kamishiro(Minmiの「Perfect Vision」も氏によるもの)とガッチリ組んだ、“意欲作!”なんて肩肘はった感じじゃなく、実にいい感じで“Moominらしさ溢れるいい歌”に仕上がっているのだ。
Kamishiro得意の、ライト感のある柔らかな感じのダンスホール・リディムに乗せて、真っすぐで、優しさに満ちたMoominの歌声が流れてくれば、「ホラッ、あの感じ!」ってMoominファンなら頷いてしまう、納得の一曲。「命があって うたが歌えて きみと出会えて ほんと感謝してる…」なんて、こんな世界だからこそ、大切に思わなくちゃいけないことなのかもね。曲中に入るDJパートも、今回はあえてゲストDJをフィーチャーせず、Moomin自身がDJを披露(知ってる人も多いだろうけど、MoominがキャリアをスタートさせたのはシンガーからでなくDJから)したりと、自分らしさへの自信みなぎる内容だ。
今回のマキシ・シングルには同曲のリミックスとして、Home Grown、そしてTombiのギタリストであるI-WatchとMoomin自身によるミックスも収録されているんだけど、こちらはまったくの歌い直しによるアコースティック・ヴァージョン。まるで、あの海の家、Oasisでのシークレット・ライヴに偶然居合わせたかのような得した気分にさせてくれる、温もりある出来で、オリジナルとは別の表情を見せる“裏A面”といったところだろうか。
そして、もう一曲、Moominファンお楽しみの名曲カヴァーも収録されているんだけど、今回はBurt Bacharach作、というよりも、筆者の世代には90年代初頭グランド・ビート全盛期のクラブ・ヒット、Sybylのヴァージョンでもお馴染の「Don't Make Me Over」をSteely & Clevieの制作で、ミックスはSteven Stanleyなんて超豪華な布陣で再現! この手のカヴァー物好き達の心をくすぐる好企画だし、Moominの声、雰囲気に、この曲はピッタリだわ。
今回のシングル収録曲の3曲だけでも、今年のMoominの、自分らしさの原点であるレゲエへの、更なるこだわりが見て取れるし、これは増々6月に予定されているっていうアルバムの方にも期待が高まりますね。
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