●まずは前作『Break Out From Babylon』の反響はどうだったんですか?
Dasher:レゲエのレコード・ショップに久しぶりに行ったりすると「カルチ凄い評判になってるよ」って言われて、そうなのかなぁ?みたいな(笑)。
遠山:あぁ、結構海外…ハワイとかスペインとかで流れてるらしいですよ。
Dasher:そう、あとヨーロッパ、アフリカとか。外国人に凄い評判が良くて。
●今回のアルバム『Voice Of Love』のコンセプトを教えて欲しいんですけど。
Dasher:前作とはコンセプトは変わってないんですけどね。まあ、今回はスカをやってみたりとか、スカからルーツ、ダブまで、レゲエ全体を一緒に表現したってところですね。それを自分等らしい表現にしたいなぁっていうのがあって。
●本作はいつ頃から考え初めてたんですか?
Dasher:何も考えてないです(笑)。何となく録ってみて、長さ的にもミニ・アルバムより長くなっちゃったし、そうなるとアルバムなのかなぁ?って(笑)。
笹間:全曲10分位だから、それをそのままCDにしちゃうと飽きちゃう。だから、それをどうやってアルバム・サイズにまとめるかっていうのが一番悩んだ。
●そう言う意味ではインタールードが効果的ですよね。
Dasher:駒沢公園のプールの入口に幅の広い螺旋階段があって、ちょうど貝殻の入り口みたいな。どんどん下がっていくと、今度はトンネルがあってパイプのシャッターが閉まってるのね。そっから長いトンネルになって、先がもう見えない。100m位あるのかなあ。反対側もまた同じ感じになってて。で、そこで音を出すと向こうから音が抜けて凄いいい音なんですよ。
笹間:そう。「ボン!」「ドン!!」、「ボン!」「ドン!!」って良いディレイが帰ってくる。もう、やったらハマりますよね。で、そこで何か一発撮りでもやりたいねって話してて、あえて普段使ってない楽器を一時持ち込んで、ナヤビンギじゃないけど、延々と4時間ぐらいやってましたね。後で聴くと一段と昂揚している部分があって、それを使いました。
●収録曲の解説をお願いします。
Dasher:まぁ、特にどの曲も別に解説することはないですね(笑)。カルチベーターの等身大のサウンドが表現できればいいなって思ってるだけなんで。それが何かと言えば、ルーツ・レゲエじゃないですか。特にダブを意識してないっていうか、それは自然なものとして考えて。レゲエの場合、サウンド的にはどのパートもメインだし、どれかが特に主張するとか、そういう部分を敢えて強調する必要はないんじゃないかなと思ってて。ルーツ・レゲエのあるべきサウンドをうまく自己主張せずに表現出来ればいいなって思いますね。自然にルーツ・レゲエを身体で感じられるようなサウンド。素直にレゲエを表現しているので、その底力を感じてもらえたらなぁって。あと、歌っている事はどの曲も一貫して同じなんですよ。やっぱ人間としてもうちょっと原点に帰ったほうが良いんじゃないっていう。ラスタ達が唱えてる事をもうちょっと分り易い言葉で伝えたいなぁって…。
●今後、カルチベーターが目指すところって何ですか?
Dasher:元々バンドを始めたのもUKのサウンド・システムの、ダンス・ミュージックとして進化した研ぎ澄まされたサウンドに感化されたって言うのがあって。やっぱりレゲエを純粋に進化させて行きたいし、その研ぎ澄まされた世界にも同調して行きたい。
●最後に読者に伝えたい事があれば…。
Dasher:ここに入っている「Aka-Hige」のダブ・フル・ヴァージョンもヤバいのでアナログ盤で聴いて下さい。
遠山:あと「Spanish Town」は実は歌物もあって、それもアナログ盤で聴けます。
Dasher:それから僕らバンド形式でやってるけども、ジャー・シャカの様なUKスタイルのサウンドが日本でもマイティ・マサを筆頭にどんどん出来てるんですよ、北海道から九州まで。機会があれば是非、足を運んで体験して欲しいです。
"Voice Of Love" Cultivator
[Flying High / FLHI-17]
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