先行シングル「I Wanna Know You」が絶好調のPushimが、待ちに待った『COLORS』に続くサード・アルバム『Pieces』を完成させた。どのチューンもポジティヴ・ヴァイブス全開で完成度も高く、間違いなく彼女の最高傑作となっている。そんなホクホクのこのアルバムについて、Pushim本人にコメントしてもらった。


本作にも収録の「Forever」が昨年とてもヒットしましたが、それによってプレッシャーとかはありましたか?
Pushim(以下P):アレをみんなが好きになり過ぎたんで(笑)、アレと同じぐらい好きになる曲をアルバムには書かんとなという気持ちと、この3枚目『Pieces』はある意味2枚目『COLORS』以上のものにしなければという気持ちで自分でもハードルを上げましたね。

どういう感じでアルバムを制作したのですか?
P:今回はHome Grownと合宿をしたんですよ。ただメロディを起こす合宿なんですけど。家で一人で歌いながらつくるのもいいけども、せっかくだからみんなでということでスタジオに行って二泊三日ぐらいの合宿を9月ぐらいにしたんですよね。

ジャケットにも描かれているラクダですが、収録曲にも「らくだ〜歌の歌」がありますね。これはどういう意味ですか?
P:ただ漠然とあのメロディが先に浮かんだんですよ。で、メロディのアンニュイ具合がすごく好きなので、この歌を絶対アルバムに入れたいと思いましてね。制作時に、砂漠の絵を書いていたりしていまして、その時にポロリンと出てきた感じです、ラクダは。ラクダがポツポツ歩いていく姿というのを、ウチラの人生と照らして合わせて、リリックは書いてみたんですけども。

「I Wanna Know You」はレンキーがプロデュースに加わっていますけど、これはどのようにして決まったのですか?
P:前作『COLORS』から彼にはミュージシャンとして参加はしてもらっていたんです。で、昨年彼が手掛けた "Diwali" が世界的に大ブレイクして、あのオリエンタルで土着感のあるトラックに私も惹かれたんです。あの上でファッショナブルなメロディーの楽曲をつくりたくなりましてね。それで、彼に頼みました。骨組みだけを渡してトラックをつくってもらったんです。

Moominとの「The One Song」は今年の夏に大受けしそうな爽快なチューンですね。
P:Moominと二人でゼロから全部つくりました。王道な、どベタなヤツをつくろうと(笑)。Moominも合宿に来てくれて、その時は、遊びほうけてなんか盆踊りみたいな歌しか出来なかったんですけど(笑)。

ゲストが入って強烈なのはやっぱMighty Jam Rockの3人が参加した「Which Is Your Flavor?」ですね。
P:今まで彼らとは一人づつでやっていたんですけど、今回はちょっと贅沢に3人全員とでやりました。で、女の子に向けて「どんなタイプの男が好きや?」と問いかけ、そんでもって「どんどん男に行け」という内容なんですが、いい男っぷりを三人に発揮してもらいました。

Mighty Jam Rock関係では、「Until Da Morning」なんかもTakafinが先にリリースした「Wi Deh Yah」のトラックを使っていますが、これはどういう理由で?
P:あのトラックの80年代っぽさが好きで、すごい心を踊らされたんです。で、Mighty Jam Rockにぜひこのトラックで歌わせて欲しいと頼みまして、最初は彼らのミックス・テープに書き下ろしたんです。そして、せっかくなので今回のアルバムにも入れたいなとなりまして。

Papa-Bとの「雨のバンドネオン」は出だしから笑えますね〜。
P:この曲は今回の中で私が唯一書いていないんですよ。全てBonくん(Papa-Bの愛称)プロデュースで、Bonくん色に染めさせてということで、お願いしたんです。で、ラテンとかインドとかレゲエの中にもいろいろな音が入ってきている中で、もう一つ違う音をレゲエに入れようとBonくんと話して、シャンソン・レゲエ的なのをやろうかということになりました。ふざけているのに真剣に歌って、Bonくんの指導の下インチキ・フランス語を入れたりしてます(笑)。

「P.U.S.H. I'm a T.O.P」はPushimの元気さが前面に出ていますね。
P:自分アンセムというか、『COLORS』では「Burn Fire」がそれに当てはまりますけど、自分はイケているみたいなチューンをつくろうとしまして。こういうノリがシングルに出来たら嬉しいんですけど。こういう曲ってレゲエやっているから出来るんやろうなと思ってるんで。

「DANCEHALLIC」は有名な "Sleng Teng" を用いてますけど、これを使用したわけは?
P:ベースラインがとっても好きだし、ヘンテコリンじゃないですか(笑)。これをレゲエを聴いていなかった人に聴いて欲しかったんですよ。この曲がいちばん山が高かったですね。 "Sleng Teng" を2003年ヴァージョンにして、スキのないダンス・チューンを作りたいと思ったんで。

お馴染みのディーン・フレイザーらジャマイカ勢との曲も、どれも上手く出来ていますよね。
P:「夢じゃないToday」とかですけど、もう何回も一緒に仕事をしているので、私の歌の良いとこ、悪いとこを全て把握したうえでの今回はレコーディングだったんですよ。そういう意味で、今回は彼らとホントに仕事仲間になれたなと思いましたね。あと凄い短期集中でアルバムを作ったんですけど、いろいろ笑ったり泣いたりした中で、いろいろ迷惑をかけたなと思いつつ書いたのが「And Ever」だったりするんです。「And Ever」は「Forever」のパート2としてつくった曲ですね。

4月にはツアーも行うとか?
P:今、アルバムの制作を終えて、いろいろな人のライブをようやく見れて、勉強しています(笑)。今回の『Pieces』を中心にやりますので、お楽しみに。


"Pieces"[Ki/oon / KSCL514]