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1. DJ Ameken+DJ Missie / Entotsu Two DJs' Mix Show(えん突つ) 日本語ラップ史上絶対に外せないクラッシクスを生み続けている重要銘柄“えん突つレコーディング”の音源のみで構成されたミックスCD。ツイギー「煙の拳」、GKマーヤン「Delux Relax」、DJヤス「Anger Fish」等々のリミックス、オリジナル、そしてマーヤン、シンノスケ、ガマ、チョック・スリーパー、D.Oらのフリースタイルが入る内容で、DJミッシーとアメケンの無駄なくソリッドな盤サバきが楽しめる1枚に仕上がっているのは言うまでもないだろう。並のミックス物では満足しない人もコレなら間違いナシ。改めて“ヤバイ!! ”と感じる楽曲ばかり。 |
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2. Nas / God's Son (Sony) ストリート向けの先行カット「Made You Look」で、「音楽だけでお前を振り向かせたあの時代に戻ろうぜ!」という意のメッセージを送っていた孤高の天才リリシスト=ナズの通算6作目。あのサラーム・レミが中心となり、アルケミスト、エミネム、アリシア・キーズといった面々もトラックを提供した本作は、オールドスクール・ビートバックに端々とライムする「グッとくる曲」が多い、ナズならではの深い内容に。彼がいかに現在心落ち着かせた良い状態なのかが伝わってくるヒップホップへのLoveで一杯のマスターピース。 |
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“遅れてきたベスト・アルバム”。前作で独特の路線を邁進したソウルフルMCの通算5作目は、タイトル通り“エレクトリックなサーカス”。本人曰く、ジミヘン+プリンス+ピンクフロイドな作品だそうだが、なるほどここにはプログレッシヴなサウンドとライムがある。盟友クエスト・ラヴ、ジェイムズ・ポイザー、そしてD・ディラが中心となるサウンド・プロダクション(ネプチューンズも2曲参加)は、コマーシャルもしくはフロアライな次元を越えた世界へ到達しており、コモンの愛情併せ持つ時世界も冴え渡っている(ハードボイルド!)。トータル・アルバムとして他にはないテイストを有する正にプログレッシヴな傑作。 |
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(Universal) モス・デフとのブラックスター、そしてハイ・テックとのリフレクション・エターナルを経て、遂に完成したソロ・アルバム。クオリティ・コントロールを握り、コンシャスなライムを綴りつつ、自分の持ち味をフルに発揮出来るトラックメイカー達とのコラボレーションでベスト・パフォーマンスを録り続けていた、という真のアーティスト=クウェリならではの珠玉の楽曲がズラリ。DJクイックとのあの曲や、シングル・カットされたビラルの歌をfeat.した「Waitin' For The DJ」の他、メガハーツ、カニエウエスト、アヤトーラ、ソウル・クエリアンズ、J.ディラといったプロデューサーらが手掛けたビートはどれもハイ・クオリティでクウェリのパフォーマンスも素晴らしい。9・11ソングでもある。「The proud」に泣かされた…。 |
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ソロとしては6作目。イーストサイダズや自身の“ドギー・スタイル”レーベルのショウケース、と次々と新しいプロジェクトを発表しつつも、自分の立ち位置をより確かに、幅広いモノとしている彼はやはり超一流のラップ・スターである。DJプレミア、ジャスト・ブレイズ、ネプチューンズ、ハイテックといったプロデューサーの人選も不思議じゃない。勿論、ジュリー・ロール、ミーチ・ウィルズ、バトル・キャット、フレッド・レックら西人脈の繰り出すファンキー・シットの方がウェッサイのストレートさ、スタープの“P趣味”が発揮されているとは思うが、このバランス感覚こそが今の彼なのだろう。ゲスト多数、驚きのネタ、リメイク有で、西モノ嫌いも楽しめる一枚。 |
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(Victor) ロウカス”を自らドロップしたヴェテランMC=クール・G・ラップのソロ名義では3枚目となる最新作。ゲットー・プロスが中心となり、Dr.ブッチャー、ロックワイルダー、ヤングロード、ビンク!、バックワイルドら“G・ラップ・ファン”と覚しきトラックメイカー達も稀代のヴィジュアライザーである“主役”の映画的なリリカル・ワールドを音で支え、ヴェテランらしいシブさと生々しいストリート感が 如実に出た力作と相成った。あの“切れない”ことで有名なラピッドファイア・フロウも健在で、モブ・ディープら“G・ラップ・シルドレン”らとのコラボでも強烈な現役意識が漂っている。この“凄み”は真似出来るもんじゃない。あの、「My Life」も勿論収録。 |
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言わずと知れたラップ・ジェネラル=バスタの“Jレコーズ”移籍第2弾、6作目となる最新作。早くもフロアで話題の「Make It Clap」はN.O.R.E.の曲でネプチューンズもやってた“手拍子モノ”だが、ここにも“Diwali”というかダンスホール・レゲエの浸透力というか生命力を感じずにいられないのは著者だけではないだろう(そういえばバスタはJA系だ…)。しかも本作にも収録のリミックス版は先月号の“表紙”を飾ったショーン・ポールをfeat.!! というワケでレゲエ・ファンの皆さんも聴いて下さい! ネプチューンズ、スウィズ、ディラ、DJスクラッチ、リック・ロックら最先端のビート・クリエーターと組むバスタの示唆逞しさと云ったら! 本当に衰えをを知らないスゴイ男だ。 |
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(Beat Junkie Sound 「歯が痛みます、どこか良い歯医者を教えて下さい」、「ビール2本お願いします!/残念ながら今切れてます。親子丼は如何ですか?」といった日本語教則音源使いでもう話題の(?)超オリジナルなターンテーブリスト=D・スタイルズの“ビート・ジャンキーズ”レーベルからのソロ作。全19トラックを自分一人で、いや自分のターンテーブルのみで作り上げた、という本作から聴き手にもたらす快感は“SL-1200ナイト”を心から楽しんだ人なら受け入れられるだろう。業界に随一と言われるイルなコスリと抜群の構成力が、ここにインスト・アルバムとしても新たなる地平を切り拓いた。来日していたビート・ジャンキーズのみんなも「ルーツのアルバムも凄いけど、D・スタイルのはもっとヤバイ!」と口を揃えておりました。 |
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ある作家の作品の舞台にもなっていたカナダとの国境があるニューハンプシャーのキーン出身の“アルティメイト・フリースタイラー”エイディーエムの初アルバム。エミネムとジュースの名勝負でも知られる『スクリブル・ジャム』のフリースタイル・バトルで2度のチャンプとなった彼は、驚きに満ちた、しかし理路整然としたライムを滑らかな舌で運ぶ。それは、彼自身も籍を置く1200ホーボーズのビート・クリエイター・チーム=ヴァイナル・モンキーズ(あのムードスウィング9やMFシャレム、DJマヨネーズ等も参加)らの手によるイマジネイティヴなオリジナル・ビーツと相俟って、無問の世界を描く。対訳付なので、その詩を端々まで堪能出来る。愛でいっぱいのアルバムだ。 |
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(Universal) 誤解を恐れずに言えば、あのウォーレンGが提示した“Gファンク・エラ”を最も忠実に、しかもハイ・レヴェルに実践しているのが彼ら=DSとなろう。既にヴェテランの域にある、それだけに説得力あるサウンドとフロウは、アガる系Gファンクからメロウなスタイルまで、ウェッサイ・モードといっても実に様々。メジャーからの初アルバムとなる本作でも、オジロザウルスのマッチョをfeat..した「Bayside Ridaz」やコーンヘッドをfeat.した「Smoke In The Marmalade」「かげろう」といったクラシックから、マッチョとのタイトル曲、オーバーヒートからのソロ・デビューも決まっているMCマイラとの「Survive」にフォビア・オブ・サグとの「Wessyde Story」等のブランニューまで完ぺきなDSワールドが展開されている。いやあ…ヤラレました。 |
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名古屋シーンから飛び出した超法規的ラップ結社グッド・フェローズの2ndミニ・アルバムが到着。弾けまくるライムが鼓膜にこびりつく感じは更にパワー・アップ。トラックも一部担当するキロとゴーキの二人は益々“快調”。ガーブルプー!のイワサ、プライマーのアルバムでも気を吐いていたI-Dea、スパイシー・スワイプス(「Pass Da Vibe」にfeat.)、そしてマイカデリックのイタオ等、その繋がりが見えるサウンド・プロダクション、ゲスト(それも含めての“グッド・フェローズ”?)もすこぶる良い。この疾走感は中々あるもんじゃない。 |
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“東京が生んだ常時進化系MC”スウォードのNewは、新曲、リミックス(全て新録)から構成されるミニ・アルバムとライヴ PVの映像集(DVD)の2枚組。ロード・フィネス(!)制作のタイトル曲の果てしない宇宙感、デヴ・ラージ制作の新次元サッカーMC'ズ物の「Brain Shock Man」、ワタライ・ビーツでブラバスの2人を引き連れブチまける「裏R.P.G」、そして「Kross Ova〈斬〉」のケニー・ドープ・リミックス、「The Answer」のローフィーのセルフ・リミックスに、マッカチン制作の「To Da Next Evo'」と緊張感高めの6トラックからも明らかなEvo'が…。 |