このレーベルに、このメンツ、そして極めつけはこのタイトル「Dancehall Gangsta」。知り得る中でどんなに考えて見たところで、この曲を歌うことにこれ以上のリンクはない。なぜなら今現在、彼ら以上にこの歌を歌うためのリアリティをもったアーティストが存在しないからだ。 Kashmere、Ken-Jayが歌い繰り返されるサビメロは、この看板を誇って聴かせる意志表示。そしてRude Boy Faceがマグナムを突きつけこう言い放つ「手を挙げろ! 声上げろ! 俺の言うとおり」。「ヨーヨー聞けよお前ら、ビビらず騒ぎな」とB.P.2011がどんなレーベルなのかを聞かせるCorn Head。そして最後に登場するは金属バットを片手に「手加減を知らぬハードなヒッター」と吠えるSilver-Buck。力強く地を這い、落ち着きのある“Champion Lover”トラックに、成熟したKashmere、Ken-Jayの歌声が貫禄と輝きを、次々と立ち替わる血気盛んなDJ陣が勢いと力をを与えたタイトルに相応しい一曲を完成させた。 このKashmere、Rude Boy Face、Ken-Jayそれぞれのシングルに続くB.P.2011レーベル第4弾は、“Champion Lover”を使用したレーベルのテーマ・ソングと、同トラックによるカップリングで“ホンモノ”のギャングスタDJ、Silver-Buckによる「Boss Gorilla」が収録されている。 ソロでのリリースとしては初となるSilver-Buck。3年前にNanjaman率いる爆音シンジケートの全国ツアーにセキュリティとして参加し、その後DJに転身したと言うことだが、何と言ってもその個性と“ホンモノ”と言うことが最大の魅力のDJだ。 いったい何を称して彼を“ホンモノ”と言っているのかはこのリリックで分るはずだ。 「右手に道具 左手にマイク握って裏街道を行く…」 エンターテイナーとして役者を演じきると言うこと以上に“ホンモノ”であることは歌に説得力が増す。 例え同じ様なリリックを聴かせるアーティストがいたところでリアルに勝るものはないし、ジャマイカ、N.Y.、L.A.等のアーティストでもやっぱり本物こそ勝ち残る。この世界は勿論それだけで成り立つ物でもないが、このDJは紛れもない“ホンモノ”=“リアル・エンターテイナー”であると言うことは事実。B.P.2011だからこそリリースできた強者、Silver-Buckの登場だ。 2002年からのリリースでこれまで4タイトルをリリースしてきたB.P.2011。ジャパニーズ・レゲエ・シーンで現在いくつものレーベルが存在しリリースする中、どれだけのレーベルが客観的に聴いてレーベル・カラーを出せているだろうか? そのレーベルにプロデューサーの顔はみえているだろうか? このB.P.2011は明らかにそこらのインスタント・レーベルとは違う臭いがするレーベルの1つだ。それはこれまでリリースされた4タイトルで明らかなはず。そしてそれはジャパニーズ・レゲエが好きであればあるほどその違いを感じ驚かされるはずだ! |