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EXPRESSIONS / SINGIG MELODY
[VP / VPCD1647]
VPからの前作も良かったけど、またしても素晴らしいS.メロディの新作。実に彼らしいミドル・テンポのラヴァーズを中心に、デジタルBからのヒット曲「Say
What」に代表されるリメイクやカヴァー曲等々、お決まりと言えばそれまでだが、そんな中にファット・アイズ製ジョグリン・リズムが入ってたりとダレさせない作り。声のインパクトが強いので、どんなトラックでも彼の世界にしてしまうのは流石。[輸入盤](鎌田和美)
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HOSANNA / SIZZLA
[REGGAE CENTRAL]
新興レーベル“レゲエ・セントラル”からリリースされたシズラのニュー・アルバム。「クイーン・マジェスティック」「ロッツ・オブ・サイン」のリメイクやナイヤビンギ系メディテーション・オケなどミディアム・チューン中心で相変らずコンシャスな一枚。捲し立てる様なDJスタイルだが、良い意味で力の抜けた素晴らしいフロウを聴かせてくれる。アスワド「ダブ・ファイア」オケ使用曲にグッとくる。[輸入盤](小池信一)
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WACKED
AGO FEEL IT / SUGAR MINOTTO
[WACKIE'S / W-1718]
以前、オーバーヒートからも出てた盤の再発。何かと交流が深かったワッキーズと組んだのなら悪い訳がない。大都会の中のゲットー的なタフさ、優しさ、そして強さを包み込んだシュガーの声は完璧。ボブ・マーリー「So
Much Trouble」のカヴァー、そして今や定番と言える「Good Things Going」(マイケルのカヴァー)の再演も収録。先月紹介した『Afri-can
Roots Act.3』に本作のダブが入ってます。[輸入盤](鎌田和美) |
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JAMAICAN GOLD / ANSEL COLLINS WITH
SLY AND ROBBIE
[MOLL-SELEKTA / EFA12144-2]
70年代のレゲエ名盤のクレジットを見れば必ずといっていい程、キーボーディストとしてクレジットが載っているアンセル・コリンズが79年にレヴォリューショナリーズと作り上げた作品。インスト中心だが、元々リー・ペリーのもとシンガーとして活躍しただけあって、ヴォーカルをとった4曲も彼のキーボード同様、優しい歌声で素晴らしい。ハカセ・ファンは必聴?!
[輸入盤](長井政一)
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DANCEHALL 101 Vol.3 / V.A.
[VP / VPCD1653]
80〜90年代、ダンスホール・シーンを熱く燃え上がらせたヒット曲の数々を収録したVPの人気シリーズ第3弾。ここ最近、この時代の曲を聴く機会が殆ど無く、かなり久々に聴いたけど、やはり良いモノは良い。シャバの「ティンガ・リング」なんて思わず右手が上がっちゃったもんネ。他にもマッド・コブラ「フレックス」、カティ・ランクス「ストッパー」等、強力チューンばかり。爆音で聴いて下さい
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DANCEHALL 101 VOL.4 / V.A.
[VP / VPCD1654]
こちらは同時発売の第4弾。デニスの「レボリューション」、バーリントンの「ヒア・アイ・カム」、テナー・ソウの「ゴールデン・ヘン」等、Vol.3に比べると個人的に好きな曲が多く、こちらの方を愛聴している。現在聴いても全く古臭くなく逆に新鮮さすら感じさせる楽曲の数々、当時のサウンド・クリエーター達の手腕の確かさが確実に伝わってくる。両作共にボーナスCDとしてノン・ストップ・ミックス付き。[輸入盤](小池信一)
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SELECT CUTS FROM BLOOD & FIRE
3 / V.A.
[SELECT CUTS / SC2003]
シリーズ3作めにしてこれが一番カッコイイ。ホレス・アンディの曲にヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのサンプリングを被せた[2]、怒濤の4ツ打ちステッパー・トランス[6]、「Stalag」がドラムンベースになったスミス&マイティ仕事の[7]、超ハードコアに生まれ変わったビッグ・ユースの[11]など書き上げたらキリがないので止めておくが、これはかなり濃密で聴き応えのあるコンピ盤である。激薦。[輸入盤](武田洋)
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ROUGH INNA TOWN / V.A.
[MAXIMUNM PRESSURE /
MPCD002]
Maximum Pressureからの第二弾はXterminator編。前回のDigital-Bも評判が良かったですが、今回もかなりの好内容。Xterminatorと言えば、シズラやルシアーノ、ケイプルトンといったアーティストでお馴染、みだから本誌読者には説明不要でしょう。ルーツ・ファンからダンスホール・ファンまで納得させる音とメッセージ。そんなXtermi-natorレーベルの魅力が詰ったアルバムです。シズラの未発表曲のオマケ付き。[輸入盤](鎌田和美)
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ダブ・クリエーション/ドライ & ヘビー
[ビート・インク / BRC-56]
レゲエ・ファンだけでなく各方面からも絶賛された最新アルバム『New Creation』のダブ盤。当初からダブを作る事を念頭に置いていたためにわざと歌物曲を多くした、とインタビューで語っていたが、その生声を要所要所に活かし、よりイマジネーションが膨らむ強烈なダブを作り上げた。内田直之のミックスもいつも以上に暴力的に感じられるが、それはメンバーの意見も随分反映されているからだろう。[輸入盤](大場俊明)
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コンスタント・ミュージック /
ザ・マイスティース
[P-ヴァイン / PCD-3969]
関西を中心にデタミネーションズの弟分として活動をスタートしたマイスティースが、過去2枚の7インチ・シングルから計4曲(「Old-man
Silence」「トルキッシュトルコ」は共にCRJチャート1位を獲得!)に新曲1曲を加えたミニ・アルバムをリリース。歌物は抜群のメロディ・センスでメランコリックに、インストではぐっと引き締めてキラーにキメてくれる。妙に心に引っ掛かる胸キュンなフレーズがいっぱい。(大場俊明)
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アイ・ゴット・ノー・リーズン/ローリングス
[ポジティブ・プロダクション / HMS-0031]
誕生から20年以上も経っているのに相変らず根強い2トーン系のスカ。このローリングスも、とにもかくにも2トーン、とりわけスペシャルズが好きで好きで溜らないという初期衝動がバンドを突き動かしているのだろう。元々ライヴには定評のある彼らだが、本作を聴けば、それは楽曲の良さがあってこそというのを実感されられるはず。スペシャルズのネヴィルとの夢の共演も果たした痛快な一発。(大場俊明)
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イースト・オブ・ザ・リヴァー・ナイル /
オーガスタス・パブロ
[P-ヴァイン / PCD-3269]
米シャナキーからリリースされた25周年記念ヴァージョンが国内盤でも登場。メランコリックなメロディが心の深層まで響く「Addis-A-Baba」が断トツにオススメというのは変わりなしだが、ボーナス・トラックとして収められた「East
Of The River Nile」のオリジナル、そしてテイク違い「East Africa」から放たれる強烈なルード・スピリットも聴き逃せない。『ファー・イースト・サウンド』の真髄を伝える全18曲。(武田洋)
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オール・アイズ・オン・ミー
/ モニカ
[BMG / BVCP-27026]
マイケル・ジャクソン「P.Y.T.」を引用したシングル「All
Eyez On Me」がヒット中の彼女が4年ぶりとなる新作を発表。ロドニー・ジャーキンズ、ダラス・オースティン、ジャーメイン・デュプリ、ソウルショック&カーリンら、これまで共に名作を作り上げてきた仕事人たちを一挙招聘。14歳でのデビュー以降天才の名を欲しいままにした歌唱に、21歳なりの大人の装いを加えたパフォーマンスを見せつける。(石澤伸行) |
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マリオ / マリオ
[BMG / BVCP-24008]
ビズ・マーキー「Just A Friend」を敷いた同名シングルが話題となっている若干15歳のシンガー。ウォーリン・キャンベル提供の小気味よいファンクものでは熱く吠え、アリシア・キーズによるブルージィ曲では年に似合わず苦味ばしった振る舞いを見せ、アンダードッグスの切なげミッドを前にしては青臭くも瑞々しい世界観を見事表現。時にアッシャーを思わせ、大のオトナを本気にさせる侮れないヤツと見た。(石澤伸行)
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インディアへの旅 / インディア・アリー
[ユニバーサル / UICT-1015]
ネオ・ソウルの新進にして、デビュー作がグラミーを始め大きな評価を受けた彼女のセカンド作。アコースティックな質感たっぷりのサウンド構成は、主役を引き立てんと終始穏やかな表情ながら、その歌声はふくよかさと力強さに下支えされ、ここぞという時に爆発してくれる熱も持つ。スティーヴィ・ワンダーも絶賛の豊かな音楽性とスピリチュアルな歌唱は、前作の成功による自信を伴って益々輝きを増している。(石澤伸行)
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ヒア・ミー / ヤーザラー
[Pヴァイン / PCD-23299]
ビヨンセの妹がデビュー。前半を占めるネプチューンズ、ティンバランド、ロックワイルダー、クリス・ストークスといった名うて達によるアップでは、15歳という若さを味方につけ一気に駆け抜ける。中盤には最近制作者としても才覚を現す姉が登場し援護射撃。スロウではベテラン顔負けの堂に入った振る舞いを見せ、気がつけばそこには全くスキのない一大エンタテイメント絵巻が。この「大型新人」は本物かも。(石澤伸行)
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セカンド・チャンス /
カレン・クラーク・シェアード
[ワーナー / AMCY-10058]
かつて5人姉妹グループ、クラーク・シスターズに所属していた彼女のソロ2作目。現行R&Bと拮抗するコンテンポラリー・ゴスペルの醍醐味を味わうなら、ミッシーが提供、トゥイートらがバックで歌う「Only
Call On Jesus」やティンバランドが手掛け、メアリー・メアリーらが参加する「Higher Ground」あたりか。マイク・シティやティム&ボブによる純粋R&Bも含め、全編が豊かな包容力に満ちている。(石澤伸行)
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バーバー・ショップ / O.S.T.
[エピック / EICP-134]
アイス・キューブやイヴらが主役を張る映画の音盤。ジニュワインの熱唱、グレン・ルイスとアメール・ラリューのメランコリックなデュエット、ゴーストフェイス・キラーとラフ・エンズによる濃ゆい絡み、そして3LWやB2Kがマセた歌で表現する華や憂いと、大充実のパフォーマンスが並ぶだけでなく、ベスト・マンやコリンといった新進による現行R&Bの旨みたっぷりのお披露目作にも興奮しっぱなしの作品集だ。(石澤伸行)
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泥棒 / UA
[ビクター/VICL-60974]
約3年ぶりとなるUAの最新アルバムが遂にリリース。他を圧倒する孤高の存在感と誰もが愛して止まない人間性がくっきりと輪郭として見えてきた本作は、間違いなくこれまでの作品の中でも最高峰と言えるだろう。ミュージシャンとして表現者として明らかに進化/深化するUAは余分な要素を切り落とし、最小限の音数とイマジナティヴな歌詞によって生成される心臓の鼓動が伝わってくる様な音楽を作り上げている。(高橋晋一郎)
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スピリット・オブ・ザ・サン /
キョウト・ジャズ・マッシヴ
[ソニー /AICP-262]
沖野修也、沖野好洋で構成されるキョウト・ジャズ・マッシヴがその長いキャリアの中で独コンポストより遂にリリースした1stアルバム。国内はもとより海外におけるDJ経験も豊富な彼らだけにヴィクター・デイヴィスやヴァネッサ・フリーマン、マイヤ・ジェームスらを迎えて制作されたサウンドは世界レベルのクオリティを誇っている。世界への発信を前提としたアルバム・タイトルが持つプライドに共感。(高橋晋一郎)
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U.S.S.R ・ ザ・アート・オブ・リスニング / DJ ヴァディム
[ビートインク/BRC62]
未だに記憶に残る傑作『U.S.S.R Reperoire』から6年、更に前作『U.S.S.Rlife
From The Other Side』から3年ぶりとなるDJヴァディムの3rdアルバム。ブラッカリシャスのギフト・オブ・ギャブを始めとする多くのアーティストが参加した本作は、さらに生楽器までをフィーチャーすることによってより広いベクトルのサウンドを展開。ヴァディムのヒップホップ魂は健在なままでアルバムの密度は濃厚だ。(高橋晋一郎)
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ビリジアン / マウント・シュガー
[ワーナー・インディーズ/WINR-82114]
唄も演奏も辿々しいからこそ魅力的に光った『Mount Sugar+1』に続くMount
Sugarの2枚目となるミニ・アルバム。今回は現在Polarisで活躍中の柏原譲をプロデューサーに迎えた「ホタル」と「オレンジ」の2曲も収録した5曲入り。歌詞と同様、フワフワした彼らの音世界にズシリとした低音が嫌みなく浸透したこの2曲は、漠然と彼らの表現したかった事が具現化された様だ。松任谷由美のカヴァーも妙にハマっている。(大場俊明)
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ワールドワイド II / ジャイルス・ピーターソン
[ユニバーサル/UICR-1026]
ジャイルス・ピーターソンが選曲を行うラジオ番組名がアルバム・タイトルとなるコンピ第二弾。今回も幅広いジャンルからのセレクションでシネマティック・オーケストラからジャザノヴァ、4ヒーローにセイジといった音源からサン・ラやジーン・ハリスのクラシックを織り交ぜて聴かせる得意のパターン。その中で鋭くピック・アップされるニュー・カマーもブレンドされた絶妙のコンパイル技が彼らしい。(高橋晋一郎)
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ミュージック・フォー・ビューティフル・モダン・ライフ・エディテッド
4 / V.A.
[パイオニアLDC/ PICL-1261]
ジャンルや国籍、従来の法則さらには定型の発想に縛られない、同じ空気感とグローバルなセンスを持つ日本人の新世代アーティストという基準のもとリスニングという視点でコンパイルされた一枚。若きベテラン、ジャズトロニックの野崎良太やスロウマン、静かに熱い注目を集めるツキ・ノ・ワや振動弐千ら16組のクリエイターが参加。若干の凸凹はあるにせよ、統一されていないカラーがかえって楽しめる。(高橋晋一郎)
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