レゲエ大使=UB40が5年の時をかけ世界中のレゲエ・ファンからリスペクトされ続ける偉大なるレゲエの父達とコラボレーションした『The Fathers Of Reggae』が遂に完成。早速バンドのキーマンでありコンポーザーでもあるブライアン・トラヴァースにメール・インタビュー。 |
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![]() ブライアン(以下B):アリ・キャンベルと僕がOra-cabessaスタジオ(ジャマイカ)でこのアルバムの制作をスタートさせたのは5年前。アルトン・エリスとトゥーツ・ヒバートがレコーディングをした最初のアーティストだったんだ。レコーディングが進むにつれ、最初に選んだ曲と違う曲が彼らに合うと思って結局、それぞれ別の曲でレコーディングしたんだ。 ●誰が選曲を行ったのですか? また、選曲の際に特に気を使ったことはありますか? B:僕達とアーティスト達の選曲は嬉しい事にほぼ一致していた。違う場合はアーティストのチョイスを優先したけど。一番大事な事はレゲエという音楽を生んだ彼らがまだ精力的な活動をしているという事を音楽業界に知らしめる事なんだ。彼らの様な偉大なアーティストの曲を聴く機会が次第に減っているからね。このアルバムはUB40がどれだけ彼らの様なレゲエ・グレイツを愛し、リスペクトしているかを伝える為に制作したんだ。 ●レコーディングしたアーティスト達について一言。 B:僕からの説明の必要はないと思うよ。全てのアーティストは本当に“偉大”だから。このプロジェクトに参加するはずだったデニス・ブラウンが他界してしまったのは本当に残念だけど。僕らは彼の冥福を心から祈っているんだ。 ●本作に参加したミキサーについても話を聞かせて。 B:ジャマイカで最高のミキサー陣が参加してくれたと思っている。この作品ではプロデューサーも含め僕らのヒーロー達と一緒に仕事ができて本当に嬉しいんだ。僕らにとってスライ&ロビーはこの地球上で最高のミュージシャンだと思っているよ。今回はファッタやバルビーにもミックスを頼んでいるけど、彼らには過去に何回もミックスをやって貰っている。ダニー・ブラウニィはブラッドファイヤー・ポッセと欧州を一緒にツアーしてた頃からの付き合いだし。レゲエは国際的な“クラブ”みたいなもので、“Fathers”という名のつくアルバムには“Sons”(息子たち=UB40)の参加なくしては出来上がらないからね。 ●忘れられないエピソードはありますか? B:このプロジェクトを進める上で様々なトラブルが発生したよ。個々のアーティストとの契約上の事や、レーベルのヴァージンもここ2、3年は色々な意味で大変だったし。でも、僕らは信頼できる人々に支えられながら全てのトラブルに打ち勝ってきたんだ。 ●UB40の作品の中で本作のポジションは? B:特別な位置付けは必要ないと思う。22年前にUB40が結成されてから続く“音楽の旅”を構成する一枚かな。とにかく僕らにとってレゲエは人生そのものなんだ。僕らの存在を敢えて例えれば“レゲエ大使”かな? とにかくレゲエこそが一番大事なんだ。だから三木道三の作品も大好きだよ。彼は日本のレゲエの大使だし、彼といっしょに出来た事を誇りに思っている。三木にリスペクト! ● 現在のミュージック・シーンについてどう考えていますか? B:昔も今も本質的には変っていないと思うよ。ゴミの様にすぐ捨てられてしまうポップ・ミュージックの山から本当に良いモノだけは残っているけど。ただ、それらのゴミの様なものが溢れる程、レゲエの素晴らしさが輝きを増すのも事実だね。でも、レゲエとダブのテクニックがあってこそ、現在のヒップ・ホップやハウスやテクノが存在する訳だから、レゲエ以外でレゲエのテクニックを使用している音楽はその類似品とも言えるかもね。 |
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