マイクを握って 14年(!)、“ハマの兄貴”として全国の不良少年少女に愛されるDJ、ナンジャマンがようやく自身初となるフル・アルバムをドロップした。これまでのライヴ等でもお馴染みの数多くの代表曲のリメイクを中心に、4曲の新曲までも収録したこの『Straight Up』は、ナンジャマンの過去から現在まで、その長いキャリアを一気に凝縮した集大成的作品とも言える大作だ。出来上がった作品を前に本人を話を聞いた。 |
![]() Nanjaman(以下N):もう14年ぐらいやってて、ホンマやったらもっと早う作ってても良かったんやろうけど、まぁ自分の周りでも色んなこともあって、ちょっと遅れてもうて(苦笑)。でも、“俺がホンマにやらないかん仕事は音楽なんやろ”と思って、新しい曲とかも入れてアルバム作ることにしました。 ●作るにあたって、特別に考えられたこととかはあったのですか? N:とにかくやったことないから、まず入れる曲を決めて、で、新しい曲は自分で「コレがいい」っていうトラックを決めて、周りの仲間に作ってもらっ て、あとミックス・ダウンはジャマイカでやろうと、(デジタルBの)ボビー(・デジタル)のオッサンにやってもらおうと、それで大丈夫やろうと(笑)。やっぱボビーのオッ サンはうまいし、“ジャマイカの音”になったんで、やっぱジャマイカでやって良かったです。まぁ、(手伝ってくれた)周りも皆うまいことやってくれて、うん、満足ですねぇ。 ●でも、何故ボビー・デジタルに? N:もともとは去年にデジタルBから出てたトラックで気に入っていたのが2曲あって、それを借りに行ったんですよ。そしたらボビーのオッサンに「ミックス・ダウンしてやるからまた来い」って言われて、そんで行ったんですよ(「Tsure」/"Hold On" リディム、「Soul Rebel」/"A Ya Wi De" リディム)。まぁ、もともと好きやったし。 ●自身の経歴が英語で語られている最初のイントロが映画みたいで面白いですね。 N:なんでレゲエを歌い出したんかを説明したかったんすよ。でも、自分で日本語で言うのもなんかベタやから(笑)、そしたら、知り合いのDJのノリス・マンがデジタルBにおったから、書いたのを英訳して「言うてや」って言ってやったんです。 ●これまでの代表曲も多く、フローやトラック選びにもヴェテランらしさ表れてますが。 N:うん、最近の2コードのリディムよりもやっぱり、昔のベース・ラインにメロディが乗っているものが好きですね。格好良いと思うのを選ぶとそういうのになりますねぇ。今回のトラックも、そうしたのを基に作ってもらいました。スタイル?…自然にこうなったという感じですかね。ニンジャマンとかスーパー・キャットとかは好きでよく聴いてたけど。あとDJの色んな事はモンテゴベイのカルチャーCって友達に教えてもらってん。 ●ところで、今作には、あのジャップ・ジャムでのビッグ・チューン「Gangsta893」、「やめとき、Yametoki」のリメイクも入っていてますけど、そう言えば早くからジャマイカには行ってますよね? N:あの当時は、レゲエDJやるんにもどうしていいか分からんくて、ならとりあえず行ったら早いやろとか思って。でも、最初にモンティゴ・ベイとかに住んだりして体験したことは、ホンマにカルチャー・ショックでした。パン一つを皆で分け合うような、ああいう国やからしか出てこない音楽やと思いましたし、日本と全然違うし…。 ●やはりそうした経験はこれまでDJを続けてくる上で大きいですか? N:自分が勝手に考えているんですけど、そうやって自分がジャマイカに住んだりして教えてもろうたことが色々あるんですよ。で、それとちゃうことを言うたりしたらあかんなとは思ってます。歌詞でも、歌でも、ジャマイカではレゲエは“くよくよせんと元気出していこう”って音楽なんですよ。だから、日本でレゲエDJをやっていくことの意味としても、ちょっと落ち込んでいる奴とか、変な道行ってしまう奴とか、クスリとかで自分の首を締めてる奴とか、自分の周りにも居たんですけど…、やっぱ楽しく明るく生きた方が良いじゃないですか、だからそういう奴等にこう「そんなことで時間無駄にせんと、くよくよせんと元気出していこうや」って言いたいんですよ。 ●道をハズれた経験もある身としても(笑) N:そう(笑)、だから自分に向けても「Straight Up」=「まっすぐ行こうや」ってことなんです(笑)。だから元気ない奴に聴いてもらって、元気出してもらたいです(笑)。 ●今後の予定は? N:来年の夏までには新しいアルバムを出します!(笑)。日パ連? いや、もうパトロールしてる場合やない、仕事せんと(笑)。 |
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