新たな方向性を示した先行シングル「禁断の森」も絶好調のMoominの約1年ぶりとなる4thアルバム『ナチュラル・ハイ』が完成! ブランニュー・チューンはもちろん、お得意のカヴァー曲、はたまた山嵐との共作チューンと今回のアルバムもヤバそうだ。 |
10万枚の大台に乗った前作『Get
Here』に続く4作目のアルバム『Natural High』が到着した。「禁断の森」リリース時のインタビューで「前のアルバムを聴き込み過ぎた…って人にも満足してもらえる、より“気持ちいい作品”を、とは考えてますね」と語ってくれたMoomin。一曲一曲を大切に作り、歌い、録り、更に練り上げる…その連続としてのアルバムが彼の“モノ作り”のプロセスである事は変わらないだろう(時間のかけ方は別にしても…だ)。では早速、届けられたばかりの作品集を、一曲ずつ紹介してみるとしようか…。
「Free★Style」 フリースタイルをキーワードに、Pushim、ケミストリー、Wyolica、Bird、Nipps等とのセッションで知られるソウルフルでグルーヴィな鍵盤奏者=渡辺貴浩と、ライムスターより“ライムスター・オーケストラの指揮者”ことDJ Jinを共同プロデューサーに迎えたオープニング・トラック。爽やかなのに芯のある音に、自分自身に送るエールを“うた”に込めたようなポジティヴ・チューン。 「夏の終りのハーモニー」 山下達郎「Windy Lady」、大滝詠一「雨のウェンズデイ」、米米クラブ「Time Stop」に続くアルバム恒例の“邦楽カヴァー”は、井上陽水&玉置浩二の師弟デュオのヒット曲に。リトル・テンポの土生“Tico”剛のスティールパンに、ドラムに大石章司、ロッキング・タイムからはピアノの森俊也、ギターの山本貴志、そしてHome GrownからはベースのTanco、という職人達によるラヴァーズ・ロック・タッチのバッキングもあり、Moominの“一人ハーモニー”も冴え渡る。ヒット確実の先行カット曲。 「ビーチグラス」 レゲエ・ファンにはMoomin「Ride On」、Pushim「Strong Woman」等で知られるプロデューサー=藤本和則(ケミストリーの1st、2ndシングルで超売れっ子に)とのコラボによる切ないラヴァーズ・ロック。海辺の風景が目の前に…。 「Straight Ahead」 昨年暮にリリースされたお馴染みの名曲。今、何をやるべきか、何が出来るか、というメッセージを大らかなメロディに乗せたMoominらしい押し付けがましくないコンシャス・チューン。プロデュースはご存知、M.Kamishiro。 「禁断の森」Feat. Corn Head & Rude Boy Face 5月にリリースされ現在もヘヴィ・オンエアー中のシングル曲。ダンスホール・レゲエに“ラテンの妖しさ”を注入したこのオリジナルなトラックはClimaxのM.Kamishiro。Feat.の2人が“イキイキ”してるのはPVでも確認可能。因みにMoominが録音物で初めてDee Jayスタイルに挑んだ "Singjay Edit" は先のEPでしか聴けないので注意。 「Cause I Love You」Feat. 山嵐 “ミクスチャー”という概念さえ越えた現在最もエッジの立ったバンド=山嵐との“湘南コネクション”による絶妙な一曲(因みに彼らは自作にCorn Headを招いた事も)。いつもよりもクールな歌い口(リリックも染みる内容…)が楽曲のトーンを更に際立たせているのは言うまでもない。山嵐が何もゴリゴリのサウンドだけのバンドじゃない(ファンクも上手い)事を知る者にとっても、このボッサのテイスト込の音の気持ち良さにヤラレる筈。Keyco他、数々のセッションで知られるGenta(パーカッション)、2ndアルバムも素晴らしかった金原千恵子(バイオリン)も参加。 「Where You Are」 前作でもキース・ワトソン「Kissing You」というシブいセレクションで魅せてくれたシングオーバーの貴公子Moominが今回選んだソウル・カヴァーは、何とラサーン・パターソンの「Where You Are」。元々は“裏方”(コンポーザー)で、ブランデイ等で一躍有名になった彼の初アルバムに収められていたこの曲が、元はロック・ステディだったんじゃないの?というくらい大変身。プロデュースは森俊也。 「S.P.A.C.E. (Remix)」Feat. Yo-Yo C あの記憶に残るワン・ウェイ・アルバム『Pushim Presents Music Is Mystic』が初出となるYo-Yoとのコンビネーションのニュー・ミックス。手掛けるのは、現時点で今年一番のモンスター・ヒット・リディムと言われる "Diwali" 他、で有名なレンキーことスティーヴン・マースデン。例のヴァージョンとは打って変わってメジャー・コードとなり、印象も大幅に変わった。ある意味、別曲として接するのが◎。 「みんなしあわせ」 ポジティヴ・チューンだらけの本作の中においても一際眩しすぎるほどハッピーなチューン。森俊也によるトラックに、山本貴志のギター、そしてスカパラ・ホーンズの北原雅彦、Nargo、Gamo…とロッキング・タイムとスカパラの合体(!?)的なサウンドで、Moominの抜けるような歌声はどこまでも。 「Let Him Try」Feat. Leyona オーラスは、Moominのフィイバリットのアルトン・エリス「Let Him Try」のカヴァーで。数々の有名レゲエ・シンガーも取り上げた同曲を、ウクレレとアコースティック・ギターだけをバックに歌うシンプルかつ新鮮なアプローチが光る。コーラスにはMoominお気に入りの女性シンガー、玲葉奈をフィーチュア。 最後に、このアルバムのジャケ写を撮った人物についても少し。筆者世代には某クイズ番組の回答者として、また南国系音楽ファンにとっては、アイランド写真のジャケ…で知られる大御所フォトグラファー=浅井慎平(!)による撮り下ろし、イン・ハワイ…。何とも粋なこと、やってくれますね!! アナログ・リリースの方もヨロシクお願いします。 |