ひどいニュースが2つ。5年前のNY市警の警官によるアブナル・ルイマ(ハイチからの移民)虐待事件の主犯の一人、チャック・シュウォーツが、不当な捜査で誤認逮捕されていたとして、今更ながら釈放になった。誤認と言っても彼は既に地方裁判所までに2度、有罪を認められていたが、彼が住むスタテン・アイランドの群知事の主宰するキャンペーンにより、100万ドルの保釈金をもって釈放された運びとなった。勿論、シュウォーツは、独房に入っていて元警官というだけで特別な措置を受けていたが、ほとぼりが冷めた今とは言え、記憶に新しいこの不可解で変質的な事件をこうも簡単にくつがえしてしまう関係者に、一般市民やハイチ移民グループ、ブラック・コミュニティの怒りと不信感が募っているのは明白である。シュウォーツ以外に既に有罪が認められていた2人の元警官も、裁判が不当だったとして警察に戻る亊も許されていて、もう目茶苦茶。再び裁判も行われるが、彼らが軽い刑、あるいは既に服役したとして許されるのは必至。
もう一つは、アメリカ軍の核兵器の使用ガイダンスの見直しで、攻撃用に規模の小さい核ミサイルなら使用しても良いのではないかという動きがでている事。実は苦戦しているアフガニスタンの地下施設を破壊する為に、地下のターゲットをヒットするまで、核爆発しないといわれているこのミサイルの使用は、広島に投下されたものよりは規模が小さいが、充分な放射能汚染はするらしい。この動きの説明では北朝鮮、イラク、イランなどの核武装、細菌兵器への対策として、冷戦以来規模が小さくなる一方の核兵器の再浮上が考えられたという声明が含まれていた。アフガニスタンの戦争に経済援助しても有り難うとも言われない日本が、核兵器の恐ろしさを知っている一国として、そろそろものを言わなければならない時が来たのではないだろうか?
●今月のスニーク・プレヴュー
ドクター・ドレのレーベルに落ち着いたというニュースはここでもお伝えしたが、そのラキムのアルバムが今夏リリースとなる様だ。今でもヒップホップへの情熱は変わらないというラキムだが、プロデューサーにドレからプリモ、ハイ・テックを迎え、『Oh
My God』というタイトル・アルバムがほぼ仕上がっているとの事。ラキム・アラー! 神頼みでもしたい今日この頃のヒップホップを救う亊が出来るのか?
●今月のスニーク・プレヴュー2
ナズのアルバムで健在の所を見せたラージ・プロフェッサーが、やはり夏頃アルバムをリリースする予定。メンバーは不明だが、その前に彼のファンディション、メイン・ソースのアルバムが再発される模様。更に、ジェイZと揉め続けているナズにも援護射撃をしている。ジェイのディス曲「Take
Over」で、ナズにガンを初めて見せたのはジェイだと言っている部分で、「ツアーで、ショウに不服だったファンがツアー・バスに詰め寄ってきた時、ジェイが持っていたガンを出しただけで、ナズ本人にガンを突きつけた訳でもなんでもない」と言っている。とりあえずアルバムに期待したい?
●今月のスポット
ロウワー・イースト・サイドのルドロー・ストリートにあるルドロー・バーで、毎週火曜日、ヒップホップを中心としたパーティが行われている。DJ陣はWBAIのモンク1、エム・スキー、同じくWBAI出身のスピナなどがゲストで入っている。入場無料。飲み物は高いが至近距離でベテランDJが堪能出来る?
●今月のスポット2
同じくロウワー・イースト・サイドのクリントン・ストリートと、スタントン・ストリートの角にあるロータス・クラブでも、各種のパーティが行われている。木曜日がヒップホップ、ラテン、オールド・スクール・ファンク、ジャズなどで、やはりゲスト中心のDJ陣で金曜日がレゲエとなっている。飲み物は安く、最近では珍しいフレンドリーな雰囲気が良い。レゲエの日はNYベースのレゲエ・ミュージシャンも多く訪れている。NYにお越しの際は、是非?
●今月の写真
モンク1。
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