音楽が好きで、レゲエが好きで、オールディーズが好きなら、どうしても気になるスカ・バンド、デタミネーションズの地元大阪でのライヴが一年数ケ月ぶりに心斎橋クアトロで行われた。 当日、会場は開演前から、久々のライヴに最大限の期待を込めたファンの気持ちを象徴するがごとく、満員御礼の熱気ムンムン状態であった。 しかし、大所帯のビッグ・バンドを十年も(!)維持していくのには、それなりに我々の想像を絶する様な多種多様な苦難辛苦が今までにあったであろう。なんせ多少とも問題あり気な30男が八人もひしめき(もちろんマドンナ、ヨッシーも)、やいのやいので、わっしょいわっしょいで、なんやかんやでやっておられるのであろうから。 しかし、ライヴが始まれば、高津直由がよく(飲んだ時に)言う「想い」やらなんやらが、惜しみなく叩きつけられるように観客に与えられた。 この日も痛い程に感じいった。ありがたくも、心斎橋クアトロという晴れの舞台で演奏するデタミネーションズに対して。 眩し過ぎるライティングに照らされて、視覚の一瞬一瞬がさながらスローモーションに感じられる。楽器のひとつひとつの響きが大き過ぎる波にも似て、自分を包む薄い膜にも感じられた。ノリノリに踊りまくる若者にさえ、なんとなくいつもより近しい感情が沸き上がってきた。 と言うことは、なかなか見られるもんじゃないライヴでした。って言ってしまえば、元も子ないが、事実そうであった。 |