【海外オムニバス・アルバム】

石川:もう『Strictly The Best』の27番、28番でいいんじゃないですか。

ランキン:テーマ性じゃなくてヒット曲ばっかりなんだもんな。これシンガー編、DJ編と別れてるけど、2枚でひとつだから両方とも1位でいいんじゃないの。

石川:『Reggae Gold』とか『Reggae Hits』もそうだけど、内容だったら『Harmony House Verse 2』なんて名曲ばっかだよ。未だにシングルで出てないのもいっぱい入ってるし。

ランキン:今年のリディムって考えると "Liquid" と "Rice & Peace" だよね。どっちかって言ったら "Rice & Peace" 。この1ウェイも今年って感じじゃないの?

塩田:Mighty Crownがやった『Dancehall Ruler 2001』は?

大場:さっきも言ってたけど、ジャパニーズ・レゲエ・ファンにジャマイカのレゲエを教えるって意味でも凄い貢献してますよね。現場でもこれに入ってる曲がかかると反応いいし。売場的にもかなりヒット商品ですよね。

Strictly The Best Vol.27 / V.A.
(VP)
Strictly The Best Vol.28 / V.A.
(VP)
Dancehall Ruler 2001 / V.A.
(Victor)
Rice & Peace / V.A.
(Natural Bridge / VP)
Harmony House Verse 2 / V.A.
(Harmony House / VP)
Reggae Hits Vol.29
/ V.A.
(Jet Star)
【リイシュー・アルバム】

大場:今年もリイシュー物は充実してましたね。チャートや売上げから見ればBob Marleyのベスト盤『One Love』。これがオリコンで20位以内に長くいたのには驚いたけど…。でも内容的には『Catch The Fire』のデラックス・エディションの方が断然興味深かったですけど。
八幡:Chris Blackwellがこうでなきゃいけないっていうのがよく分かって面白かったよね。Bob Marleyがそれを理解したのも凄いけど。Peter ToshとBunny Wailerが離れたのもよく分かるし(笑)。
大場:Big Youth『Natty Universal 73-79』は3枚組で渾身の力作だし、Matumbiのベスト盤『Empire Road』は12"ヴァージョンも入っててよく聴きましたね。あと80年代初期のGleensleevesも多くのタイトルをCDで再発してて嬉しかったけど。
石川:それならVirgin Front Lineが一杯再発になったじゃないですか。Front Lineで全部埋まっちゃいそうだけど、Althea & Donna『Uptown Top Ranking』なんて当時もそんなに出てなかっただろうから奇跡の再発ですよ。あとはHeartbeatから出たTressure Isleの『Knock Out Ska』はいいですよ。Don Drummondが最高だった。
ランキン:Channel 1のも幾つか再発しててどれも良かったけど、Pressure Soundsからの『Maxfield Avenue Break Down』がいいですね。
石川:再発レーベルと言えば、今年はJamaican Recordingsが凄い頑張ってますよね。Bunny Lee音源で音も内容もいいし、とにかく仕事が素晴らしい。あと最初怪しいと思ったけど、Soul Jazzは頑張ってますよ。特に『Studio One Soul』は良かったなあ。
ランキン:VPの "Anthology Series" はどれもいいですよね。90年代初期って凄いダンスホール臭いし、今こそ若い人に聴いて欲しいじゃん。
大場:そういう意味ではDEB音源の『Relaxin' With Lovers Vol.1』が良かったですね。待ってた人は多かったと思う。
ランキン:でもこのコーナー、選びきれないから、来年はもっとジャンルを細かく分けましょうよ。
Catch A Fire (Deluxe Edition) / Bob Marley & The Wailers
(Island / Universal)
Uptown Top Ranking / Althea And Donna
(Virgin Frontline)
Channel 1-Maxfield Avenue Breakdown / V.A.
(Pressure Sounds)
Studio One Soul / V.A.
(Studio One / Soul Jazz)
Reggae Anthology Penthouse Classics / V.A.
(Penthouse / VP)
Knock Out Ska / V.A.
(Beat Records / Haertbeat Records)
【海外アーティスト・シングル】

八幡:今年も一杯出てるけど、ドカーンと印象的なのって何だろ?

石川:トラックで言ったら "Rice & Peace" と "Double Jophady" 。後半だと "Liquid" ですかね。あとは唄物が多かったですね、VCとかWarrior KingとかNatural Blackとかが出て来たのが去年と違う所ですよね。

八幡:確かに唄物の当たり年だったね。

石川:唄物はハズせないのが沢山ありますね。それ以外ならBeres Hammond「Rock Away」とTony Rebel & Swade「Just Friends」は大ヒットだし。

塩田:「Rock Away」は絶対入れて欲しい。

八幡:DJならSizzla「Taking Over」、Elephant Man「Jamaica」と「Log On」。

石川:それは入れないとマズいですよね。"Liquid" なら「Log On」ですね。あとCoco Tea「Sweet Life」ね。

塩田:Elephant Manは01年を代表するDJですね。

ランキン:これだけはね、って感じだな。もう当確。T.O.K.は?

八幡:「Chi Chi Man」だ! 出たのが00年の10月位だけど、あれだけ流行ったのは今年なんだよな。Shaggyも出たのは去年なんだよね。だから残念ながらパスかな。T.O.K.ならBounty Killerとやった「Man A Badman」は?

石川:あった、あった。7"だと「Badman Anthem」とカップリングなんだよね。

八幡:あれ? Buju Bantonはヒット曲なかったんだ?

石川:今年は無かったですね。今年のBujuはイントロマンとして引っ張りだこだった(笑)。

ランキン:あれ? 去年あれだけ活躍したBaby Chamはどこ行ったの?

石川:(笑)でも来年出ますって。来年は絶対大丈夫だって。

ランキン:これ、全部まとめてテープで出せば絶対売れるよ。オーバーヒート黙認で(笑)。


1. Rock Away / Beres Hammond (Harmony House)
2. Jamaica / Elephant Man (Stone Love)
3. By His Deeds / VC (Dig Dis)
4. Mystery Is The Man / Bounty Killer (Natural Bridge)
5. Dedicated To The World / Assain & Sugar Slic (Natural Bridge)
6. Virtuous Woman / Warrior King (Lion Pow)
7. Just Friends / Tony Rebel & Swade (Techniques)
8. Talking Over / Sizzla (Xterminator)
9. Man A Bad Man / T.O.K. & Bounty Killer (Call Me Shams)
10. Restrant / Bounty Killer (Mo Music)
10. Log On / Elephant Man (Greensleeves)

Followed by...911 / Ward 21, Elephant Man (Mentally Disturbed), Boom Draw / Jr. Kelly (Front Page), Sweet Life / Coco Tea (Xterminator), Cannibal / Bounty Killer (Pot Of Gold), Cus Cus / Mark Ice & Dilgin (Wall Street), Gun Shot / Sizzla (King Of Kings), Player Hayter / T.O.K. (Bomb Rush), Whitch One / Bounty Killer (Bomb Rush), Cuchi Daddy (Baby G), Babylon / Sizzla (Common Sense), Songs With Feeling / Natural Black (Organic), I Am Who I Am / Bounty Killer (Natural Bridge), Blaze Fire Blaze / Sizzla (CJ), Shotta Ting / Bling Dog (Riddim Driven)

【国内アーティスト・シングル】

塩田:口火を切るならやっぱり三木道三「Lifetime Respect」ですよね。

ランキン:何であれだけヒットしたんですか?

塩田:これ、ノンタイアップですよね。やっぱり歌詞じゃないですか。

八幡:結婚や恋人だけじゃないってのが伝わったんじゃないのかな。

石川:マスにアピールする歌詞の力ですよね。老人問題の事や介護問題の事も入ってるしね。凄い練られた曲ですよ。

大場:レゲエから学んだ事を万人に分りやすく伝えてますよね。三木が目立ってるけど、他にも凄い一杯出てますよね。今年スタートしたMighty CrownのLife StyleやSamuraiのYa-Low、Mighty Jam Rock、Bass Kulcha、Thunder Gate、Overheat…。シングルって言うと、カエルスタジオ関係は来年へ向けて充電中って感じかな。

石川:Geininも一杯出てますよ。ブッチャー頑張ってるって。で、僕が好きなのはChozen Lee「Come Wid It」。このB面のGuan Chai「もうじき」もいいんだよね。Life Styleの一発目はリズムがかっこいいんだよね。あとLady Q「連日連夜の決戦」とRude Boy Face「365」。

八幡:何はともあれ、こんなに一杯出してるって事が凄いですよ。

石川:来年もこれだけ出れば本物ですよ。メジャー進出決ってる人も結構いるみたいですね。で、メジャー組も頑張ったんじゃない?

塩田:それならPushim「Heavenly」が好きなんですけどね。

ランキン:彼女の曲の中でこの発声の仕方が一番いいよね。

大場:Papa Bは今年もどれもいい作品を残したと思うけど。

石川:Ryo The Skywalkerだったら「ワイルドワイルド進化論」。Moomin「@ The Dancehall」が受けたのもCone Headがスパイスとして効いたのかな。

塩田:KaanaもCrissとやった「Life Goes Around」ならここに入るんじゃない?

八幡:Crissと言えばChosen Leeとやった「流」もいいよね。因みにDJとシンガーってどっちが売れるの?

石川:やっぱお店で動くのはシンガーですよ。

ランキン:じゃあ俺、来年はシンガーになろっかな(笑)。


1. Lifetime Respect / 三木道三 (Tokuma Japan)
 
Heavenly / Pushim (NeOsite)
 @ The Dancehall / Moomin (NeOsite)
 ワイルドワイルド進化論 / Ryo The Skywalker (A.K.A.)
 365 / Rude Boy Face (Thunder Gate)
 連日連夜の決戦 / Lady Q (Bass Kulcha / Overheat)
 Three The Hardway / Mighty Jam Rock (Mighty Jam Rock)
 煙神力 / NG Head (カジノ891)
 Juicy Fruits / YoYo-C (Life Style)
 Reggaeでうねーろ / Papa B (カエルスタジオ)
 It's A Joke / Takafin (Ya-Low)
 Shatta Fire / Achee & Saltfish (錦)
 Si Dung Pa Riddim / H-Man (Overheat)
 Life Goes Around / Kaana (Toshiba EMI)