2001年1月号
 


Sylvia Tella (front) & Friends

 Greetings friends,
アメリカでのテロ事件及び中東アジアでの戦争の影響からか、飛行機での移動を拒否するアーティストが続出しているようで、ここ1、2ヶ月は予定されていたショウのキャンセルや延期が相次いだ。そんな中、この数週間で唯一私が行ったイヴェントは、素晴らしい具合に改装されたHackneyのOcean Music Venueにて開催された、Mellowmix StudioとUpfront Arts Alliance主催の「British Black Music History Day」である。

 UKのトップ・レゲエ・アーティスト達が一つの会場にこれだけ集結したのは喜ばしい事であったが、早い時間の前座アーティスト達に長く時間をさばき過ぎたりと例によって時間の仕切りの悪さが目立った。結果、最後の1時間は猛烈に慌ただしく沢山のシンガー達やプレイヤー達の名誉を称えるばかり、彼等の音楽をゆっくり楽しめなかったという点でイヴェント自体は大成功を収めたとは言い難い。ちなみに受賞者にはPeter Hunnigale, Louisa Mark, The Original Undivided, Sylvia Tella(短かったが彼女のライヴがこの日一番良かった)等。

前述のイヴェントでも受賞は当然であったRuff Cutt Crewによれば、彼等は延び延びになってしまっているもののNereus Josephとのアルバムを未だあきらめてはいないそう。多才多芸のNereus、どういうわけかFashion Recordsでは″ラヴァーズ″のシンガーとして分類されているが、今回、北西ロンドンをベースに活動している彼等Ruff Cuttとおよそ一年間をかけてこのアルバムの制作に取り組んだ事により、彼の本来の姿はやはり″ルーツ″の男であったという事が証明された。とにかく一刻も早い完成を願うばかりである。

Ruff Cuttといえば、どうやら彼等は設備の良い現在のスタジオを手放す事となったらしい。何でも賃貸契約期間が過ぎ、建物全体の建て替えが行なわれるので出て行かざるを得ないのだそう。よって彼等は古く馴染みのある土地、Stonebridge Parkに再び戻る事になりそうとの事。

先日BBCのRadio 3でとても興味深いテーマの番組が放送された。「Carribean Night」と題されたこの番組、雄弁なLinton Kweski Johnsonをパーソナリティに迎え、カリブ海の島々の歴史的、政治的、音楽的なバックグラウンド、そしてそれらがこの現代社会に及ぼしている影響力などについて、4時間半にも渡って紹介した。最後の30分間はラジオDJ、Andy KershawがOcho Rios方面の山奥に居るJustin HindsとWingless Angelsを訪ね、ラスタファライ、そして良いガンジャについて語り合っていた。

この原稿を書いている10月末現在、毎年恒例となったLondon Jazz Festivalが開催を目前に控えている。BBCのRadio 3が各会場からのライヴ中継に(及び後日放送の為の収録にも)今まで以上に力を入れるとの事。よって土曜の夜、BBCのウェブサイト、www.bbc.co.ukからRadio 3にアクセスすれば、これらのみならず他にも素晴らしいジャズが堪能できる。最近のラインアップはGreg Osby, Wallace RoneyのクインテットとGary Bartz, Branford Marsails等のライヴ、要チェック!


Nerevs Joseph

CamdenのDingwallsにて、UKではめったにお目にかかれないというEthiopian(s) のギグがあるとその当日になって招待を受け、本来その日は 'Jack Sparrow' Dillonと彼のクルーを観に行くはずあったが、そちらの方は1週間後のBrighton公演まで足を伸ばせばチェック出来るであろうと考え、急遽予定を変更したのであった。しかしである。会場側が前売りチケットをわずかしか売らなかった為、結局Ethiopian(s) のショウは中止という事に。ついてない事この上ないが、この業界ではありがちな事、私もいい加減学習せねば。

今月はこの辺で終わりにしようかと思っていた矢先に、 T.O.K.のロンドン初公演と、記者会見へのお誘いの電話が入った。次回、感想を述べるとするが、やかましくて独創性のない彼等の最近のアルバムに関してはあまり良い印象を持っていないとだけ言っておこう。
 それではまた次号。 Take Good Care............... [訳/有賀由紀子]