今年の夏も日本全国各地のダンスを飛び回り大忙しだったムーミンから半年ぶりの新曲が届いた。「ストレート・アヘッド」と題されたブランニュー・チューンは「@・ザ・ダンスホール」、「サマー・リディム」、「ムーンライト・ダンスホール」といったムーミンの楽曲や、コーン・ヘッドの一連のシングル、さらにはレゲエ・シーン以外の楽曲で数々のダンスホール・リミックスを手掛けてきた日本屈指のトラック・メーカー、上代学(クライマックス・レコーズ主宰)がプロデュース。これまでの作品でも彼とムーミンとの相性の良さはすでに証明済み。

 さらにホーム・グロウンのメンバーと交流の深いウンチャカ(昨年の「横浜レゲエ祭」に参加)のメンバーであり、プシン・バンドのギターを担当している野田直人a.k.a. ノダチンがアコースティック、エレキ・ギターで参加。そのオケにムーミンが得意とするポジティヴ・ヴァイブス満載のリリックと軽快で疾走感溢れるメロディーがうまくハマっている。

 本当にムーミンはこのような曲をやるととても気持ちが良い。ムーミン節ここに極まれり、と言った感じだろうか。ちなみに本作のビデオ・クリップではノダチンとムーミンの絡みがあるので、気になる方はコチラもぜひ見て欲しい。

 そしてこのマキシ・シングルには「ストレート・アヘッド」の他にサード・アルバム『ゲット・ヒアー』の楽曲のリミックスが2曲収録されている。一つは現場ではすでにお馴染みのチューン「楽しむために」。こちらはもはや説明不要、日本が誇るハーデスト・ワーキング・バンド、ホーム・グロウンによるリミックス。

 ミックス・エンジニアには自身のバンドの他、リトル・テンポ、アジコ、あぶらだこまで手掛けるドライ&ヘビー・コネクションの内田直之が担当。先日、発売されたパパ・Bの「ソン・ソン・ソン・ソング」のミックスでもそのマッドな仕事にはヤラれっぱなしだった人も多いはず。ホーム・グロウンと内田直之とのこのコンビ、恐るべし。間違いありません。

 もう一方は湘南のシンガー、Ma-Boのカヴァーで『ゲット・ヒアー』でも最後を飾っていたので既にクラシック感ある「安らげる場所」。こちらはドライ&ヘビー・コネクションから外池満広がリミックス。ミックス・エンジニアは、こちらも内田直之が担当。

 タフでありながら浮遊感漂う楽曲に衣替えしたこのリミックス・ヴァージョン、10分にも及ぶ長尺もショウケイス・スタイルならではのスリリングさで圧巻。後半のダブ処理は飛ばされます、の一言。オリジナルをも越えた感のあるこのリミックス2曲、どちらも素晴らしい仕上り。
 このマキシ・シングル全3曲を聞いていたら、早くもアルバムが気になってきてしまいます。今後のムーミンの動き、期待大です。