ついに戦争が始まりました。フロリダでは、アンスラックスの謎の被害者が続出するなど、国内もテロの脅威がいまだに残るという、湾岸戦争ではなかった雰囲気に包まれています。実は、日本の友人から聞かれたんですが、平和を訴えるデモとかは、こっちで無いのだろうか?という質問が、ちょっと気になりました。もちろんキャンパス内とか、意識が高い学生などは、そういった運動をしているのだろうし、確かに、ジョン・レノンの言葉などをつかったポスターなどは見ますが、全く報道されていません。
ヴェトナムの時もそうだったらしいですが、この時は、相当ラディカルな学生運動も、公民権運動から流れた政治結社とかと結託して、行われていたそうです。今でも、ワシントンなどでのフッテージが見れます。しかし、マッチョな愛国者などが、こういう運動をしている連中をオカマ扱いしたり、実際に非国民呼ばわりされ、暴力の犠牲になったりしていたというのも事実だそうで。今の時点で、アメリカにいて感じるのは、どのメディアも、政府の後押しをしていて、バランスのとれた報道はしていないという亊。まるで、国民全てが報復を訴えているようでした。ユニオン・スクエアという所にガンジー像があるのですが、その横を、アーミーのトラックなどが行き交い、なんとも皮肉であります?
●今月のジャム1
なんと、この時勢にNYに二プスが来てたんだけど、その彼が見逃したマイク・ラドのライヴが、フライング・パンという、チェルシーにある船上のクラブで、10/5行われた。バンドを擁する彼だが、メンバーは、プレジャー・ユニットのジュリルがギター・キーボード、ディマリがドラム、ティミー・タナカがDJです。「Activator
Cowboy」というシングルを出したばかりで、勢いのある彼も、この戦争中、平常通りに自分のスキルをつかって人々と接するという態度は、あっぱれです?
●今月のジャム2
ブラック・スター、タリブ・クウェリ、デッド・プレズなどで、ゲスト参加していたシンガー、アイーシャ・マイクが、ソロ・ライヴを10/11、ブルックリンのブルックリン・ムーン・カフェで行った。ラスト・ポエッツのアビオダン・オイェウオレも絶賛する彼女は、ビリー・ホリディや正統派の影響を感じさせるが、バックの音は幅広く、ジャズ、ファンク、ブラジリアン、ヒップホップという、NYミックス。最近のティーン・アイドルに食傷気味の我らの耳に優しく、未来を感じさせるショウだった?
●今月の噂
まだ、確認はとれていないが、カンゴール・クルー筋の噂によると、WTCにデイナ・デインが犠牲になっていたといわれている。勿論、「Nightmare」や「Cindefella
Dana Dane」で有名な彼です。彼は、スリック・リックと、ロード・スカッチとカンゴール・クルーを結成、80年代後半にソロ・デビュー、その後、マドンナのレーベル、マヴリックと契約するなど、長いキャリアを誇っていた。もし本当なら、逸材をヒップホップ・コミュニティが失った亊になる。御冥福を祈る?
●今月の写真
もちろん、WTCなのだが、これは、ブルックリンに避難するサイレント・アサシンが、橋の上から撮ったもの。避難する人々の姿は、どの戦争でも見れたあの風景でした。9月の良く晴れた日でした。
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