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1. DJ KENTARO / My Favorite Songs
本年度DMC世界大会で3位入賞を果たした、国内大会ではお馴染の新世代ターンテーブリスト=DJケンタロウの初テープ。A、B面に各々まったく違ったテイストの素材を並べ、あくまでもリアル・タイムのミックスに拘ったその手腕は確かに“世界”を感じさせてくれるモノ。6分間で完結させるあの空間(世界ステージでのルーティンも急キョ収録)だけでは計り知れない、めくるめく世界がそこにある。チルアウト系アブストラクト物を含め、全てがケンタロウの色に。選曲も面白い! |
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2. DMX / The Great Depression (Def Jam) そのパフォーマーとしての凄味を来日公演で見せつけて帰った“黒いカリスマ”の4作目。スウィズ・ビーツ、P・K、ディム・グリースといったお馴染の制作陣に加え、いい仕事の続いているジャスト・ブレイズや新鋭ブラック・キー、キッド・コールドらの用意したバウンスからロック調までの幅のあるビートを余裕で乗りこなす、そのラフ・ライダーぶりは無敵の域に達したよう。ステファニー・ミルズが自身のダンス古典を歌い直した曲の他、Vo絡みも3曲あるが、DMXの持ち味は100%発揮されているのは言うまでもない。 |
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3. JA RULE
/ Pain Is Love (Def
Jam) 前作に続き“全米チャート初登場1位”を記録した3rd作は本人曰く“痛みに愛を注いだ”という大作。精神的にもスケール・アップした彼ならではの慈愛に満ちた語りから、前作中の「Between Me &You」で得たメロディアスなフロウ、そして例によってのマーダラーズ節、といくつもの武器が炸裂するだけに最後まで気が抜けない音楽面でもグレードアップした作りとなっている。No.1ヒットとなったジェニファー・ロペスとの「I'm Real(Remix)」やミッシー・エリオットとの「X」、更には故2パックとのバーチャル・デュエットとキラー・トラックも盛り沢山! |
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4. V.A.
/ Stimulated Vol.1 (Loud
/ Sony) デ・ラ・ソウルや、ピート・ロック&CLスムース等、数々のクラシックに関わったニュー・スクールの裏方系職人=ダンテ・ロスのレーベル“スティミュレイテッド”からの初となるショウケースが登場。キャンプ・ロー、デル等シングルで話題を呼んだトラックを中心に、ロック・ワイルダーによるヤング・ジー&ラー・ディガやダイレイテッド・ピープルズ、そしてアルケミストによるミッシン・リンクスといった制作を外部に任せたトラックから、サダトX、リックスらとのタイトな仲を示すスティミュレイテッド、ダミーズ仕事まで温度感のあるトラックばかりの好盤。 |
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5. V.A. / Superrappin' The Album 2 (Groove Attack) 良質な作品を続々とリリースしている“スーパーラッピン”よりコンピ第二弾が到着。今回はイイ意味でアングラ色が少し薄れたラインナップとなっているが(何せ“押し曲”がビズ・マーキーのあの新曲だ!)、ローン・カタリスツからディクレイム辺りをフォローしつつ、幅広いエリア(例:カナダのオブスキュア、ディスオーダーからヒューストンのK-オティックスまで)の外せないアーティスト/グループを網羅しているのが嬉しい。因みにマイク・ブートやインフェイマスMCズのトラックはレゲエねた(聴いてのお楽しみの)デス! |
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6. FUNKY
DL / Back Current Jazz(バッドニュース) これまでに4枚のアルバムをリリースし、順調なキャリアを踏んでいるMC/トラックメイカーの彼の最新作。UKシーンの中でも最もUS寄り(しかも90年代前半のジャジーな路線)の気持ちいいオトを作る事で知られるDLが、自らのルーツである“ジャズ”と避けられない事実(ブラック・ピープルであること)をメイン・テーマに深く深く掘り下げた本作は、正に“一世一代の代表作”と呼べる仕上りだ。歌物の取り込み方一つとっても“DL流”を感じさせる極上のメロウ・アルバム。その意味ではUKっぽい。 |
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7. DEF
CUT / Street Level(Vroom) このコーナーでも何度か紹介してきたドイツの“ブレイクビーツ・レーベル”M-Zeeからのニュー・タイトル。同銘柄から既に3枚のアルバム(ミックス物含む)を出しているスイス出身のDJ=デフ・カットが遂にその本性を現した。レーベル代表のゼブ・ロック・スキー以上にコスリを重視し、しかも展開を決しておろそかにしないビート打ちは名人芸の域。マスター・エースのドロップが聴けたりもするが、基本的にはココのお家芸であるインスト・ブレイクビーツが主体。ブレイカーでなくても是非! |
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8. MASTERKEY / Daddy's House Vol1(Life Ent.) 御存知DJマスターキーの“アーティスト/プロデューサー”としては初のアルバム。ファースト・カットになる「One Life / Hip Hop Gentlemen」に続くF.O.H.との「Ride With Me」と快調にトバしてきただけにアルバム本編も今のビート/グルーヴと、ラッパー(GKマーヤンからツイギーまで)のキャラ立ちがハッキリした“うたが活きたトラック”というテーマが見える快心のモノとなっている。DJアルバムのあるべき姿が見える、これぞ騒ぎながら聴くべきパーティ・アルバム。タイトルも正に!という感じだ。 |
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9. RHYMESTAR
/ Soul Traveling(ビクター) 満を持してのメジャー・デビュー! 待望の4thアルバムが控えている“キング・オブ・ステージ”ことライムスターの久々の新曲となる「ロイヤル・ストレート・フィラッシュ」は、もうトドメと言えるほどの新古典曲。フロアで機能するトラックという部分でもこれまで通り“筋を通した”感が強いのは当り前。とにかく2MCのタイトな聴かせ方にホレボレするばかり。テイ・トーワのリミックスも言えてる新しさ。もう一曲はあのコール&レスポンスで有名な「This Y'all That Y'all」。アルバムが待ちきれない…! |
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10. DABO
/ Lexxxusguccie(Def
Jam) 今年最もフロアでウケた(ウケる)日本語ラップ曲の一つとして記憶されるであろう、ダボの初アルバムからの4thカット。大ヒットした「ゼロヨン・レース」映画『ワイルド・スピード』のエンドロールでも使用されたこの曲はワタライ作のボトムの太いバウンス・ビートに、主役のダボの“プラチナム・タントゥイスタ・ラップ”(倍速系)がバッチリ映えた好曲として既に御馴染だが、このシングルのメイン・トラックは同オケに新たにNYのパーティMCといえばこの人=ファットマン・スクープ(クルックリン・クランと組んでる人)のイントロ&フックのMCを入れたモノ。このハマリかたが尋常じゃないんですよ! |
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11. SINGO 2 / 400(メリージョイ) USでリリースされた「LUV」、そしてテラコッタトゥループと活動写真家のボーン・ボバネシアンとの共同作品となる『別冊緑黄色人種』も話題を呼んだシンゴ2のニュー・シングル。その曲「400」は、4/28のリキッドで披露されたあの日本語リリック曲で、このマキシもその語り草となっているライヴ・アカペラで幕を開ける。メインとなるヴァージョンはピアのとドラムで組んだビートに元ドライ&ヘビーの秋本武士がベースで加わり、今まで無かったようなサウンドに! 一言一言が突き刺さってくるヘヴィーなシングル。 |
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12. 瘋癲 / The Overflowing EP(シュプリーム・ワークス) 瘋癲の2nd EP。今回はライヴ・マテリアルとしてお馴染みの「For My People」(カネにまつわる話)と、毎回怒濤の盛り上がりを見せる「Break It Down」のカップリングで、前者にはレゲエDJ=モンキー・ケン(実は瘋癲の名付け親)をフィーチュアし、新たな瘋癲サウンドを確立している。同曲のフジタニ(サウンド・プロデューサー/ドラマー)、そして「Break It...」のDJシャークの手によるリミックス、「Fu-Ten」アズーロ・リミックスのビートに3人のコスラー(ビート・トリックス)が乗るヴァージョンを含めた5曲入り。フロントの2MC=ビーバンジー&ミリも絶好調だ。 |