Greetings
Friends,
●Stephen Marleyを筆頭にMarley一族によって運営されているレーベル、Ghetto
Youths Internationalの配給を、ベテラン・レーベル、Motownが行なうという契約が先日結ばれた。Damien
'Junior Gong' Marleyの2作目となるアルバム、『Half-Way Tree』がその第一号となる作品。5年前にHeartbeatよりリリースされた彼のファースト・アルバム『Mr.
Marley』は、ダンスホールとヒップホップのビートを巧みにミックスさせた斬新な作品であったにもかかわらず、爆発的なヒットと呼べるにはほど遠かった。しかしその後、Bob
Marley本人の歌声をヒップホップやR&B界のトップ・アーティスト達のヴォーカルと新しいトラックに結合させた、Marley
Boyzによるアルバム『Chant Down Babylon』が大成功を納めたり、そのプロジェクトをベースに行なわれた大規模なライヴ・ショウなどの開催により、当然の如くメジャー・レーベルが彼等のやっている事に興味を示したのであった。
そしてもうかれこれ10年も地道に活動を続けてきた、ボブの子供達の中では一番若い23歳のJunior Gongが、Ghetto
Youthsから先陣を切って Motownがオファーするインターナショナルな舞台にプッシュされたのである。ようやく彼の時代の到来である。『Half-Way
Tree』というタイトルは、キングストンの中心部の地名にちなんでいるのと同時に、金持ちで元ミス・ワールドのCindy Breakspearを母親に、そしてゲットーで生まれて育ったMarleyを父親に持つ彼が、アップタウンとダウンタウンの中間点にいる存在であるというコンセプトを表現している。
前作同様、レゲエ、ラップ、ヒップホップ、R&B等を織り交ぜた作品となっているが、今回は以前より自信に満ち溢れて、しっかりとした仕上がりになっている。歌われている内容は女の子のトピックが多く別に新しくも何ともないが、持ち前の様々なスタイルとMarleyという名前が、今後も彼を見守ってゆくであろう。
●今度はTuff
GongからのBob Marleyに関する話題。今年はじめに再発行された素晴らしい2枚組CD『Catch A Fire』に引き続き、またもやBob
Marleyによる他のIsland作品が新たなマスタリングが施され、Tuff Gongより再発行された。オリジナルはIslandのCDリリースに始まり、次にTuff
Gong Reggae Refresherによる再リリース、そして今回の新しいパッケージであるが、初めてボーナス・トラック及びに未発表のトラックが収録されている。今までのセットをまだ持っていない人にとっては購入の価値あり、しかしそうじゃない人はまた出費がかさんで少々ウンザリかも。
●数ヶ月前にKing
Jammyよりリリースされた『Rise Up』の熱も冷めやらぬまま、Diamondsは新たなアルバム『Unconquerable』をリリースした。
このアルバム、Live and Learnレーベルの為にAl Campbellがプロデュースも行なった80年代中頃のアルバムの中から、ほとんどが彼自身によって書かれたチューンばかりを収録したコンピレーションといった内容。彼等の数々の愛すべきヒット曲の90年代リメイク版も収録されており、こちらも魅力的である。

King Jammy
●UKのナショナル・チャートに、くだらなくてつまらないレゲエ・スタイルのDJチューンがチャートインするのであれば、Sizzlaの「Taking
Over」はトップ10入りするに十分、値するはずであるのだが…。
●Fred
LocksとLittle Royは、一緒にまわる長期に渡る海外ツアーの準備の為、エージェント兼ブッキング・マネージャーのDonald
Deanと共に忙しい日々を送っているらしい。昔も今も変わらず素晴らしいヴェテラン・ルーツ・ヴォーカリストであり続ける二人が日本まで行く事になったら、絶対に見逃すなかれ。また、近日中に両者のアーティストから、それぞれのニュー・アルバムが期待できそうである。
●JammyやBobby
Digital、その他等の作品に代表される、初期のコンピュータライズド時代のヒット・チューンのリバイバルばかりを扱う新しいレーベルが設立される。誰が裏で指揮をしているかは今のところ極秘だそうなので口外できないが、このプロジェクトに関する情報は今後、このコラムでお伝えしてゆくとしよう。
Till Next Time, Take Care......
[訳/有賀由紀子]
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