ヒップホップ・ジャンキーなら誰もが望んだリノ・ラティーナ・ザ・セカンドの″盤″が、正にドンピシャのタイミングでドロップされた。まずはこの『R.L.II』を聴いて奮い立て!

 「ガキの頃 憧れたスーパーヒーローの様にドンピシャのタイミングで登場 証言一番戦士 R.L.II ここ一番でキメルサンダー・ブレイク炸裂」(「R.L.II」)

 Rino(リノ・ラティーナ・ザ・セカンド)、満を持してメジャー・シーンに進撃。その高らかな宣言となるファースト・マキシ『R.L.II』はもうチェックしただろうか?

 彼がコンスタントに音源をリリースしていくタイプのMCではないと思い込んでいた人は、このあまりに鮮烈なシングル、そしてこの後に控えている特大の爆弾=フル・アルバムで完全に打ちのめされることだろう。確かに″盤″として世に出た彼の作品は、Lamp Eye(DJ Yas、Gamaとの伝説のユニット)時代を含めてもさほど多くはない(それは彼のキャリアの長さと比較してのモノだが)。

 しかしながら、恒例のヒップホップ・ショウ『祭』を主催し、まずはライヴありきの地に足付いた活動を続けてきた彼の高度なスキルと正に″パンチラインだらけ″のリリックで展開される武士道の世界観にも似たメッセージに裏打ちされた″比類なきカリスマ性″には、各メジャー・レーベルが触手を伸ばさない訳がなかった。彼=リノ・ラティーナ・ザ・セカンドのバリュー(価値)は決して一過性のモノではない事を誰もが認めていた。だが、これまでの活動経緯からも判る通り、彼はそうそう楽な波に乗る漢ではなかったのだ。

 「365日Rinoのカーニバル 天と地がひっくり返る何かがはじまる 白バイ犯よりもイカシタ完全犯罪企むR.L.II.A.K.A.カイザー・ソゼ 暗黒街牛耳る大将もお手上げ 2001年大義をかかげ物本ついた旗上げ」(「R.L.II」)

 そんな彼が自ら″大波″を起こそうとタッグを組んだ新レーベルが大手ユニバーサルの販売網を持つ 〈Monohon(物本)〉である。古くからの友人が興した新天地の第一号アーティスト(つまりはモノホン・オリジネイター)として彼が放った今回の『R.L.II』には「Crazy Eric」と「R.L.II」という2曲の最新曲(その一部はライヴで聴けたが)が収められている。

 トラックのプロデュースは、彼の本領を最もよく知る男(と思われる)DJ Yasが担当し、リノのファンならば、そして日本語ラップのこのシーンの濃さを知る者ならば誰もが熱狂させられるマニアックな曲に仕上った。そう、「メジャーというフィールドでより広いマーケットを掴む為にやりたくない事もやらねば」といったバビロン丸出しの発想が、ヒップホップを始めとするリアルな音楽に通用しないことは誰もが気付き始めている。そこにきて、本物の濃い漢の、最高に濃いシットが、どれだけ強力に感じられることか…。

 「Hiphop解放運動を躍動 死傷者ゼロ 言葉のテロ試聴者も絶叫日本全土を流浪し戦功を上げるチェ・ゲバラ 今や破竹の勢いでお茶の間にまでチェケラ」(「Crazy Eric」)

 物本の言葉のテロリストが起こす天変地異に日本列島が全土を揺り動かされるのも、最早時間の問題だ。