ニンニクニクニク2×9=18。19からレゲエの重低音にヤラれ10年。聴けば一発で分る図太い声の持ち主、InterFM火曜日「Jointone Radio Show」でお馴染、ブッチャー。Geinin Recordsからリリースされたばかりのファースト・アルバム『俺の街』について、スーパー重量級DJと、同席したプロデューサー、浪花男にインタビュー。

●アルバムを聴いて思ったんだけど、凄く詞が伝わりやすいよね。
ブッチャー(以下B):詞として考えると、もちろん詞として伝わった方がいいし、曲を途中まで聴いて内容が無いなあ、というんじゃなくって、途中まで聴いたら最後まで聴きたくなって、凄い話題だなあ、と思って欲しいし、オチがあるように作ってる。ちゃんと分かるように伝えたいんだ。一曲一曲に意味を持たせたいから、それが曲作りの中では凄い大切な事だと思う。

●タイトル・トラックの「俺の街」は、街の変化についての曲だけど、ブッチャーの地元で感じた事?
B:(埼玉の)朝霞に住んでんだけど、昔、カブトムシとか採れたし、湧き水もあったし、凄い自然があったんだけど、徐々に街が変化して、林が伐採されたり、湧き水も埋められちゃったり…。環境の変化がいい方向に動けばいいんだけど、そうじゃない。だから地球と共存できるようになればいいなと思って。

●今回、プロデュースしている浪花男とは付き合いが長いけど、どういう経緯で一緒に仕事をするようになったの?
B:ちょうど10年前かな?
浪花男(以下N):そう。(青山の)アフロマニアでレコード回してる時にクリスタル・クルーが来てて、その中にブッチャーがいて。
B:ずっと一緒に動いてたから、僕の事を一番知ってる先輩だし、本気でダメ出しできる人だし。それでファースト・アルバムは浪花さんにプロデュースを頼みたいと思ってたしね。なるべくしてなったって感じ。

●全体を通して、懐かしいトラックが多かったんだけど…。
B:(トラックは)浪花さんと決めたんだけど、僕らがレゲエにのめり込んだ時代にヘヴィー・ローテーションでかかってたオケを使いたいねってことで。最初のアルバムは昔の音から入って、まず自分の中の世界を見て貰って、それで次のアルバムに続くようなビートもちょっと入っていればいいなと思ったから。その点については凄くバッチリな出来だと思う。

●レコーディングはジャミーズ?
B:そう。ジャミーズ命だから、やっぱり。ラバダブ・ソルジャーだからさあ(笑)。一番影響された音だからね。

●ジャミーズでのレコーディングはどうだった? 日本と違った?
B:やばい! 8曲向こうで録ったんだけど、全部一発録り。
N:録り方としては、ヴァイブスを注入しろ!と(笑)。同じヴァイブスで行け!っていう感じで。
B:テンションそのままで、気分が上がるというより、心の中が沸騰するような感じで。コーラスから何から全部そう。
N:もう丁寧なダブを録るような感じ(笑)。

●今後の活動予定は?
B:サウンド・オブ・クリスタルというレーベルもやってて、DJ Toshikiをリリースしたばかりで、今後はクリスタル・クルーのソロ作品(Ragga G, Zari, Reili)もどんどん出していきます。自分のも何曲か出来てるんで、お楽しみに。

●浪花男がやってるGeinin Recordsは今後どんなリリース予定ですか?
N:僕のソロとアイパン・ドレッドをリリースします。ブッチャーを含め、3人を中心に今後展開していきます。

●最後に「リディム」読者に一言。
B:レゲエは間違いないから、楽しい世界を一緒に楽しみましょう!

 インタビュー開始前、ブッチャーが父親になる事を教えてくれたので、終始暖かい雰囲気のまま楽しい時間を過ごせました。ぜひファースト・アルバム『俺の街』を聴いて、ラジオでの、そしてライヴでのブッチャーの暖かいヴァイブスを感じて下さい。最後にブッチャー、おめでとう!