ウエスト・レゲエの四大核弾頭の1人、NGヘッドが待望のファースト・ミニ・アルバム『煙神力』をドロップ。マッシヴなエナジー、絶無の疾走感ビシバシのマスターピースに仕上がっている。サンプルを聞いた瞬間に速攻、インタビューを申し込んだ。

とにかくリリック自体にもの凄いうねりと強烈なスピード感があって、ドラムとベースがなくても踊れるヴァイブですね。ここまでのドライヴ感あるリリックが生まれた背景のようなものはありますか?
NG:もう自分では無意識ですけど、強いていえば、昔から好きだった格闘技のスピード感、かな。中学の時からボクシングとプロレス好きで。最近は総合格闘技、高坂ツヨシのファンで。明日も極真空手の試合、観に行くんです。

確かに、言葉のヴァイブ、プロレスのビデオ見てるみたいですよね。
NG:言葉ヅラも、格闘技と共通するような感じ、あるでしょう。男汁、出てません?

大阪ドーム100杯分ぐらい出てますね。男汁、と言えばトラックも、汁ダクでしょう。
NG:ジャマイカで録音したトラック、NYで録ったトラック、そして大阪でとったトラック。産地の違う3ケ所のトラックが1枚で楽しめるお徳盤です。ジャマイカでトラック作ると、あっという間に作業が終わって、ある意味で僕らのスタイルを反映させるのが難しいこともありますよね。ほとんど当てもの、っていうかくじ引き、みたいな側面。でも今回は大当たりの大吉。やってくれましたジャズワド。さすがっす。NYはボビー・コンダースと。昔から、ちゃんと信念持ってて、自分の好きな道を貫いている人って感じで好きでした。

NYのトラックはバンピンなヒップホップ寄りですね。日本のトラックが一番ディープなジャマイカ感あるような気がしましたが。
NG:そうなんです。あれは、トラックだけで半年がかり。レゲエの人間図書館、505・オキノさん作ですから。これは入魂のトラックです。

リリックは思い切りストレートですね。
NG:なにより聞いて楽しめることが大事。だから僕のリリック、あまりクラウドを「考えさせたり」、「共感させたり」ってスタイルじゃないです。目指しているのは「手荒な歓迎」。野球でサヨナラヒット打った選手の背中をバシバシたたいて、ようガンバッタ!とか、またガンバルぞ、とかそんな感じを目指してます。

ライムもめちゃくちゃキレイで、整いすぎてる、と思うほどピシッと決まってますね。
NG:言葉も音ですし。意味も勿論ですけど、意味より音としての意識が強いぐらいです。言葉の音の気持ちいい転がり方、これは絶対大事ですよね。でも10年近くやってて、この言葉の転がし方に自分で納得がいくようになってきたの、やっとここ2年ぐらいですよ。

関西ではベテランの1人ですが、最近のシーンの感じはどうですか。
NG:若手の層が厚くなった。関西でパッと思いつくだけでケン・T・グロス、ミンミ、ペータマン、チンネン、シルバーキング…。まだまだその下の世代がいい感じで育ってる。最近はレーベルもお客も増えて、一発だけでもいいリリック書いたら絶対ビッグ・アップできるはず。チャンスは広がっている。頑張れって感じ。でも大阪なのに最近のDJ、みんな二の線でしょ。三の線のエンタテナーも出てきてほしいかな。

三の線のスタイルに挑戦する可能性も含めて、今後の予定と目標を教えてください。
NG:三の線はちょっと僕はムリかなぁ。ライヴはまず8/2に渋谷で。あと、フル・アルバム、できれば今年中に出したいですね。ミディアム・テンポの曲もやりたいし、R&Bもドラムン・ベースって言うかジャングル!もやりたい。絶対、楽しみに待っといてもらう値打ちとサプライズのあるものに仕上げます!

 1時間程の短い時間で、他にも書ききれないほどのドープ話を一気に語ってくれた根っからのミスター・エナジーにしてエンタテナー、NGヘッド。こんな男の作るディスクが面白くないわけはない。まずは今回のミニ・アルバムから聞け。爆音で。

 (NGヘッドに関するより詳しい情報は所属レーベル、カジノ891のHP、www.casino891.coM迄)