 |
THAT'S LIFE / ANTHONY B
[VP / VPCD1612]
根強い人気のラスタDJ、Anthony Bのニュー・アルバム。シングルでリリース済の曲を中心(ダンスでヒットした「Good
Life」は勿論)、未発表曲(Peter Toshの名曲「Equal Rights」のカヴァー等々)も収録されているので、ここ最近の彼を知るにはバッチリの内容です。メッセージ性の強い歌からダンスをテーマにした楽しい歌まで、彼のDJスタイルは幅広く飽きさせません。今後の活躍も楽しみです。[輸入盤](坪木良典)
|
 |
BACK AT ONE / SANCHEZ
[VP / VPCD1613]
昔はダンスホール・シンガーとして聴いていたけど、こうして聴くとラヴァーズ・シンガーとしての貫録もついたサンチェスの最新ベスト盤。最近のヒット曲は勿論、「Another
Sad Love Song」や「End Of The Road」等のカヴァー、そしてやっぱりダンスホール・シンガーと再確認させてくれるバウンティと絡む「Searching」等を収録。説明不要の名シンガーのベスト盤だから、間違いあるわけないですよ。[輸入盤](鎌田和美)
|
 |
SHOWCASE
VOL.2 / JAH WARRIOR
[JAH WARRIOR RECORDS
/ JWCD019]
UK Jah Warriorのアルバムも1993年スタート時から数えて既に19枚目となる(スゴイ!!)。さて、19枚目に当るアルバムは
"ショウケース" の第2弾である。出演シンガーは日本でもお馴染みのアルトン・エリスやマカラフィンの兄貴=エレクトリック・ドレッド、アール16、プリンス・アラ、アンソニー・ジョンソンの面々。勿論、内容はいつものハードなブリブリベースの効いたルーツ・チューンだ。[輸入盤](長井政一) |
 |
LION KING / TONY ROOTS
[CHARM / CRCD3055]
UKのチャームから初リリースされたトニー・ルーツの新作。通算では4枚目。彼はUKで活動をしているルーツ・レゲエのシンガーで、以前にリリースされた3タイトルはどれもレーベルが異なり、プロデューサーも異なるため内容も様々。本作品はあのディサイプルズのRuss.Dが全てのリディム、ミックス、アレンジを手掛けている。内容はアルバムらしくソフトなモノからハードなモノまでバランスよく収録。[輸入盤](長井政一)
|
 |
DUBBING WITH THE DON/AUGUSTUS PABLO
[JAMAICAN RECORDINGS
/ JRLP002]
マスター音源からダイレクトに収録したパブロの未発表テイク集。暗いメロディと、骨太なドラム&ベースが一体となった珠玉のダブ・インストばかりで、これらが今までお蔵入りになってたとはとても思えない。こういう未発表音源集ってマニアックに捉えられがちだけど、全然普通に聴けます。「Baby
I Love You So」のキラー・ダブ「Sweet Cassava Dub」、グルーヴィーな「New Train Dub」他、必聴曲多数。[輸入盤](武田洋)
|
 |
PSYCHEDELIC REGGAE/LLOYD CHARMERS
& THE HIPPY BOYS
[TRYBUTE/TRRCD04]
ロイド・チャーマーズ&ヒッピー・ボーイズのシングル・コレクション。レスター・スターリングの場末感たっぷりのホーンをフィーチャ−した哀愁アラビアン・スキンズ「Safari」、パーシー・フェイス・オーケストラの名曲カヴァ−「Summer
Face」、溜息&ゲップ連発の「African Zulu」など22曲。スキンズ〜初期レゲエが注目を浴びつつある今、この辺の音はまさに旬。ピアノの音程の外れ具合がサイケ。[輸入盤](武田洋)
|
 |
UPTOWN TOP RANKING /
ALTHEA AND DONNA
[VIRGIN FRONTLINE /
FL14]
名盤揃いのVirgin Front Lineから、78年の名盤復活。昔のソウル風なジャケや女性デュオという事でポップでキュートというイメージが湧きそうだけど、内容はかなりシビア。「Make
A Truce」では当時起った虐殺事件を淡々と伝える曲は、圧倒的なまでに闘う音楽=レゲエを聴かせてくれる。他にも西の国を攻撃した曲、偽ラスタを吊し上げた曲、更に名曲のタイトル曲等、聞き所多し。制作はジョー・ギブス。[輸入盤](鎌田和美)
|
 |
TAPPER ROOTS / TAPPA ZOOKIE
[VIRGIN / CDFL15]
70'sレゲエの名作を続々とリイシューしているフロント・ラインが今回は79年のタッパ・ズーキーの名盤を再発。戦闘的なトースティングでゲットーに根差したメッセージで人気を博していたDJ。「サタ・マサガナ」のヴァージョンを使用した「サタ」は必聴。代表曲「オー・ロード」他2曲がジャマイカ盤『リヴィング・イン・ザ・ゲットー』とダブっている。ラフでタフ。これがゲットー・スタイル
|
 |
GREEN SLEEVES RHYTHM ALBUM #12~DOUBLE
JOPHADY / V.A.
[GLEENSLEEVES / GRELD712]
Greensleevesの最強リズム・アルバムの13作目は、前号のリズム・トラックのコーナーで紹介された
"Double Jeopardy"。全20曲収録でアナログは毎度2枚組になっているので、セレクターの方も十分使えます。気になる収録アーティストは、最近人気上昇中の「イエ〜」の掛け声も好調のアロゼードや、ニュー・スラング「パサパサ」を使用のエレファントマン等々、ダンスホール・ファンは要チェックですヨ!
|
 |
STUDIO ONE SOUL / V.A.
[SOUL JAZZ RECORDS /
SJRCD 50]
『100% Dynamite!』シリーズやジャッキー・ミットゥのスタワン・レア音源集など、クオリティの高い作品のリリースでレゲエ・ファンにも認知度の高いレーベル、ソウル・ジャズの最新作。前作同様、スタジオ・ワンの音源をコンパイルしたものだが、今回はグッとマニア心をくすぐる楽曲群。タイトルからも解かる様にR&Bからの影響を感じるロック・ステディ・ナンバーを中心にセレクト。レア曲多数
|
 |
FM99.00ダブ・マニフェスト/フェルミン・ムルグサ
[メタカンパニー / ERPCD-5936]
スペインとフランスに挟まれ複雑な歴史を持つバスクを拠点に、世界中を股にかけ積極的にレベル・ミュージックを展開しているフェルミン・ムルグサの新作。今回も彼が最も影響を受けたというレベル・ミュージックとしてのレゲエを軸にしたミクスチャー・サウンドを展開。当然、闘争本能丸出しの内容なのだが、彼らしい祭的サウンドで、実にユニーク。とにかく彼が生み出す音の快楽に浸ればそれでいい。(大場俊明)
|
 |
ダブ・ショウケース/ミッション・コントロール
[エピック / ESCA8321]
ポップトーンズから届いたキラびやかなフューチャー・ダブ・サウンドを放つミッション・コントロール。その正体は、何を隠そうマッド・プロフェッサー、そしてマッド教授ともコラボ作をリリースしたこともある英国きってのトラック・メイカー、マフィア&フロクシー、更にあのMCキンキー(!)等によるユニット。何故に彼等がこのユニットを結成したかは謎だが、アリワでは成しえない何かを感じてしまうはずだ。(大場俊明)
|
 |
ワン・ラブ:ザ・ベリー・ベスト・オブ/ボブ・マーリー
[ユニバーサル / UICZ1010]
没後20年が経過した現在でもレゲエ界のカリスマとしてシーンに多大なる影響を与え続けているボブ・マーリー。このアルバムはベストセラー・アルバム『レジェンド』に既発曲を6曲追加し未発表を1曲プラスした、正しくヴェリー・ベストな1枚。これさえあればボブ・マーリーの代表的なナンバーは全てチェック出来るハズ。レゲエ初心者から往年のファンの方々まで、ボブの偉大さを再確認しては如何だろうか。(小池信一) |
 |
フェミニン・タッチ〜フィメール・ラヴァーズ・ロック・コネクション/マッド・プロフェッサー
[ポニーキャニオン / PCCY-01517]
元クリエイションのアラン・マーギーの新レーベル、ポップトーンズとも契約を結んだらしいマッド・プロフェッサー制作によるラヴァーズ・コンピ。オーバーヒートからも同テーマのコンピが出ているが、こちらは女性ヴォーカリストだけに的を絞り、収録された19曲中、オーバーヒート盤とのダブリは3曲のみ。定番中の定番の曲から教授いち押し=Sushiの新曲まで新旧織り交ぜているが、音作りは一貫している。(大場俊明)
|
 |
ローナ/ローナ
[エピック / ESCA-8327]
ロドニー・ジャーキンスが興したダークチャイルド・レコーズからデビューを果たした第一弾アーティスト。ロドニーのアーバニズムがたっぷりと盛り込まれたR&Bトラックはフロアへの訴求度も満点。加えてバラードやゴスペル等へも華麗に対応、早くも新人とは思えないアプローチの多彩さを見せつける。嫉妬するスキマもないほどに敷きつめられた「成功を約束された」感も眩しい、新世紀ディーヴァの誕生だ。(石澤伸行)
|
 |
2000ワッツ/タイリース
[BMG / BVCP-21157]
前作で主に描写されていたひた向きな姿から一転、ここでの彼はかなりに派手なサウンドの上で仁王立ちしているかのようだ。ロドニー、ジャーメイン、アンダードッグスらによるエッジの効いた音群を前にしても、彼はそれらを豪快に歌い倒していく。その逞しさと言ったら、まさに魅惑の腹筋6ブロックそのもの。一方で、ゴスペル・タッチの楽曲にも挑戦、易々と歌いこなしてしまう様に二度までも感服した次第。(石澤伸行)
|
 |
オープン・レター/ケイス
[ユニバーサル / UICD-6022]
2年振りの3作目。新たにジャム&ルイス、ティム&ボブ、レイ・ワトキンス(!)らとタッグを組むことで、ツボつきまくりの楽曲が量産されている。特にレッドヘッド(・キングピン!!)提供曲でのスティーヴィへの憧憬丸出しの節回しやチャーリー・ウィルスンとの熱い魂の交換等々、歌唱力云々を越えたところにあるソウルフルな味わいにはタマらないものが。駄曲なしとはこのことぞ、とだけ言っておこう。(石澤伸行)
|
 |
ユア・ウーマン/サンシャイン・アンダースン
[イーストウェスト / AMCY-7247]
マイク・シティが発掘、その後メイシー・グレイのツアーにバック・ヴォーカルで参加、今回のデビューにあたってはそのメイシーがマネージャーをかってでたという新人である。乾いたビートの上をゆるやかに泳ぐメロディ、そしてそこに響く愛らしくも凛としたサンシャインの歌声。いつもよりヒップホップ寄りのマイク仕事ぶりもすこぶる良好で、結果的に彼の新たな魅力をプレゼンする格好の場にもなっている。(石澤伸行)
|
 |
デュエット・ウィズ・バード/
ポート・オブ・ノーツ
[クルーエル / KYTHMAK066DA]
ボーダレスに人気を集めるVo.の畠山美由紀とG.を担当する小島大介によるユニット、ポート・オブ・ノーツの待望のセカンド・アルバムが遂に発表された。抜群のセンスで彩られたシンプルでアコースティックな音楽の魅力が満載の本作。英語と日本語の歌詞を巧みに使い分け、力強くも優しい畠山の歌声と琴線に触れるメロディーが様々な情景を呼び起こし、丁寧に作られた一曲一曲が心に残る格別の仕上がり。傑作です。(高橋晋一郎)
|
 |
ウマ・ウマ/UMA UMA
[P-VINE / PCD-5813]
すっかりご無沙汰なナチュラル・カラミティの森俊二が始めた別ユニット。初めて聴いた時の印象としては、ナチュカラとさほどの違いを感じなかったが、聴けば聴くほど、フレッシュになった森の姿が見えてくる。森自身いつの間にか見えない枠を設けていたのかもしれないが、ここで聴けるサウンドはやはり新たな血を得たことも手伝って、より自由でのびやかだ。下らないヒーリングものと比べたら失礼極まりない。(大場俊明)
|
 |
シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット/シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット
[徳間ジャパン / TKCB-72138]
トータス、アイソトープ217、ブロークバック、サム・プレコップと人的交流の盛んなグループからロズ・マズレク、チャド・テイラー、ノエル・クッパー・スミス、ジェフ・パーカーが集まりシカゴ・アンダーグラウンド・カルテット名義でアルバムを発表。グループの前身となるシカゴ・アンダーグラウンド・トリオと比べ増えた手数の分だけアプローチもより多彩な表情をつけた様子。フリーでジャズで、ミニマルでアブストラクト。(高橋晋一郎)
|
 |
サタデー/ジェローム・シデナム&
ケリー・チャンドラー
[トイズファクトリー / TFCK-87823]
ジョー・クラウゼルやマスターズ・アット・ワークらと並びディープ&スピリチュアルなハウス・サウンドのクリエイターとして目が離せないケリー・チャンドラーとジェローム・シデナムによるアルバムがリリースされた。パーカッシヴかつトライバルな音群が太いベースとビートに合わせて渾然一体となり、洗練されつつも強烈なグルーヴを生み出すまさしくダンス・ミュージック。大音量のフロアなら効果も更に倍増。(高橋晋一郎)
|
 |
ボーカル・スタディーズ・アンド・アップロック・ナレーティヴス/プレフェーズ73
[ビート / BRC-38]
デラロッサ・アンド・アソラやサヴァス・アンド+サラヴァス等の名義を使い分け、今やエレクトロニカ・シーンにおいてヒーローとなりつつあるスコット・ヘレンの新機軸となるプレフューズ73のファーストが完成。ヒップホップを意識したというサウンドだけあって、ビート主体の構成ながら全くオリジナルな世界をクリエイト。ジャンルの垣根を越えて幅広いリスナーに指示を受けるであろう秀逸な出来。(高橋晋一郎)
|
 |
リトラウ/トヨノ
[ファイル / FRCD-106]
ブラジルはサンパウロでレコーディングされた日本人女性ヴォーカリスト、トヨノのファースト・ソロ・アルバム。スタートするなりいきなりの高音スキャットに飛ばされたかと思いきや、今度はしっとりと歌い込んでみたり、ポルトガル語でスタンダード「Dindi」を軽快にカヴァーしてみたりと表現力豊かなヴォーカルの魅力は特筆すべき点。今作品においてその特性をとりわけサンバ・テイストで活かしたのも正解だと思う。(高橋晋一郎)
|