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DJ VIBLAM / Bring The Beat Back Vol.2 (スティル・ディギン) K.O.D.P.の“ミスター・オールドスクール”ことDJヴィブラムの好評ミックス・テープ・シリーズ第2弾。ブレイカー・クラシック、オールド〜ミドル・スクールの“早いの”を中心に、例によってキレ味最高のスクラッチを折り交ぜつつ“聴かせる”技は天下一品。もろオン・タイムのヴェテラン・ヒップホッパーから“ミドルってナニ?”というビギナーまでが文句なくノセられてしまう恐ろしいテープ。運転中に流すとスピード出過ぎる恐れアリ! |
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REDMAN / Malpractice (Def Jam) メス/レッドのアルバム以来の新作(通算5作目)。制作陣は本人(ダ・マスコット名義)の他、エリック・サーモン、ロックワイルダー、DJトゥインズ、アダムFらで、ヒット中の「Let's Get Dirty」を始め“新世紀コズミック・ファンク”路線を強烈に打ち出している。客演者は相棒=メソッドマンの他、ミッシー・エリオットに、Pファンクの総師=ジョージ・クリントン、スカーフェイス、トレッチ、期待の新人=マリー・G等で、これまで通りシアトリカルかつシニカルな構成なのも間違いなくフリークは大満足。あのドクトクフロウは聴くほどにクセになる。参った!! |
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DJ RED ARAAT / Beats, Rhymes & Battles Of Hiphop Vol.1 (Sony) KRSの尽力により国連で“ヒップホップが国際的なカルチャーである”と正式に認められる事になったこの春(5月)、これ以上ないタイミングで“マイクバトルの歴史”を綴った音の教科書が登場した。その“語り部=歴史の証言者”はかのクールDJレッドアラート(これ以上ない適役)。オールド・ファンは即反応してしまう“ロクサーヌ・シリーズ”や、BDPvsジュースクルーの“ブリッジ・バトル”等、重要エピソードがその音源とスキットで露わになる実にアリガタイ一枚。バトル、アンサー・ソングも文化ゆえの出来事、なのだ。 |
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MISSIE ELLIOTT / Miss E... So Addictive(East West) 盟友ティンバランドと共にフューチャー・ファンクの雛型=チキチキ・サウンドを世に広めたミッシーのソロ第3作。「これからみんなでめちゃくちゃ踊って騒ごう騒ごう」という日本語のオープニングで有名な先行曲「Get Ur Freek On」のバングラ調のバウンス・トラックでのネバっこいフロウから、大仰なバラッドでの歌い込みまで相変わらず何でもこなすミッシー姐さん。ティンバランドとの二人三脚で、ジェイZ、メス/レッド、バスタ、リュダクリス、イヴらそうそうたる面々をキャストに配し、今回も大暴れ。メインストリーム・ブラック・ミュージックの最先端がココに。 |
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ANJIE MARTINEZ / The Up Close And Personal(East West) HOT97の名物ホステス=アンジーのアーティスト・デビュー作。KRSワンの手ほどきを受け「Heatbeat」でラップしたのはもう4年ほど前か。そして、サラーム・レミ、ネプチューンズ、ロックワイルダーら売れっ子ビート・クリエイター達の後押しを受けた本作では、彼女ならではの交流図(メアリー・Jからジェイ・ |
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STICKY FINGAZ / Black Trash The Autobiography Of Kirk Jones(ユニバーサル) フレドロ・スターに続き、オニクスよりスティッキーもソロで発射。彼といえば血管ブチ切れ系のハイテンション・ラップが売りだが、流石にソロでは地声に近い声でのゆったりしたフロウ等、技術的な部分でも魅せてくれる。スキットを効果的に盛り込んだ映画的な作りで、ロック・ワイルダー、DJスクラッチ、ノッツ、セルフら音楽班の手堅い仕事振りも光っており、エミネム、レッドマン、デヴィッド・ホリスターら脇役らも好演。『Source』誌でマイク4本、という高評価も納得の逸品だ。 |
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V.A. / Sound 01 A Big Dada Sampler(ビートインク) UK発ワールドワイド・ヒップホップ・レーベル=ビッグ・ダダ(ニンジャ・チューン傘下)の日本独自編集となるサンプラー・コンピ。ビッグ・トウワンと並ぶUK No.1MCとの呼び声高きルーツ・マヌーバの他、ユニークな音楽性とフロウを持つタイ、ニュー・フレッシュ、クラウドデッド、マイク・ラッドの一人ユニット=インフェスティコンズに、仏国の新星テテセー等、超個性的面子がズラリ。7吋盤のみで出た激レア・ダブ曲や、マイク・ラッドのフリー・スタイル等のオマケも付いてシングル価格、のお得盤。 |
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DAVID AXELROD / David Axelrod 数えきれないくらいサンプル利用されている伝説のプロデューサーの驚きの新作が何とUKのモ・ワックスから。60年代から音楽産業に関わり、ジャズ、ソウル、ファンク、ロックと多ジャンルのサウンドを構築してきた彼ならではの含蓄は勿論ここにも詰っている。68年に録音したリズム・パートに新たなアレンジを加えて創作するという手法もまるでヒップホップな本作はラス・カスのポエットが入ってる他で「The Dr And The Diamond」等、特定の人物をモチーフにした楽曲で埋め尽くされている。必聴の話題作。 |
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DABO / Zero (Def Jam Japan) 待望のフル・アルバムに先駆けての先行カットはDJヤスとの2度目のタッグとなる「Zero」。抜きの多いバウンス・ビート(どこかレゲエっぽいのもヤスらしい)に乗せて「お前の勝率(ゼロ)おわかり?失せろ!」と押し殺した声で唸るニュー・タイプのマイク・ソング。併録の「Mic Check」はD.O.I.作のトラックで、先の「Zero」と同じく貫録勝ちの一曲。またアルバム未収録のエクスクルーシヴ・トラック「拍手喝采」のリミックスは元盤と同じビートで新たにオースミ、デリ、ビグザムのパートを加えたライヴっぽい熱気にヤラレる内容。 |
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S-WORD / Made In Tokyo(リアリティ) 同じくニトロ関係のニュー・シットを。スウォードの「Made In Tokyo」は、ここ=東京、自分の目の前にあるリアリティを巧みな言葉サバきで描いた快心作。都会の夜/闇を演出するDJヤスのトラックのディープさも素晴らしく(フックの声ネタ選びもサスガ!)、スウォードのライム・フロウのハード・エッジな部分を活かした作りとなっている。裏面は内田直之の手によるダブ・ミックス(彼は先にもシンゴ2とドライ&ヘビーのセッション・シングルも担当)で10インチなのも解せる感じ。 |
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GAGLE / Bust The Facts(ネクストレヴェル/ファイル) 仙台発の新星=ガグルの5曲入りデビューE.P。全曲のトラック・メイキングを担当するミツのどこか風通しのいいビートの数々に、“オリジナル・スタイル”としか言いようのないハンガー(ダボのアルバムにも参加)の耳に引っ掛かるアクセントとフロウ、DJミュウラーのハメの効いたスクラッチ…それが一つになった時、これほどまでにフレッシュなのか、と思い知らされる静かなる衝撃作。その気持ちのいいポジティブ・ヴァイブスは、ユニークなリリックの「空耳アワー」からも嗅ぎ取れる。オススメです。 |
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SPIRITUAL JUICE / ミュージック・キューブ(ポジティブ) 自主制作の『5つの世界〜DrumとRapのススメ』で注目を集めた彼等の8曲入り、ミニ・アルバムが到着。3本マイクとAKAIにより鼓膜に響かすトラックとラップのスピリチュアル・サウンド・クラッシュを実践する彼等、アトム、ゾエ、数珠フロウの3MCと、DJタツキ、スーパーヤジは、ヒップホップという音楽の持つ他に無い魅力(様々な果実を搾り一杯のジュースにする)を追及する姿勢を崩さない。それは決してアブストラクト云々といったモノではない。あの“メガロマニアックス”のコンピにも収録された例の曲もアリ。 |