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HELP THEM LORD /
CHACKA DEMAS &PLIERS
[RAS / RAS3262]
92年、「Bam Bam」「Murder She Wrote」の大ヒットで世界中を沸かせたシンガー&DJコンビ“チャカ・プラ”が久々に新作をリリース。ほとんどの曲が本人達のプロデュースによるものだが、ドノヴァン・ジャーメインやスライ・ダンバーも数曲プロデュースに参加。ポップでダンサブルなノリの良いダンスホール・ナンバーばかりだが、当時の焼き直しの感が強く現在のシーンにはどうなんだろう?[輸入盤](坪木良典)
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FREE UP THE VIBES / GLEN WASHINGTON
[VP / VPCD1614]
ニュー・アルバムはUK Stingrayレーベルから。UKの小洒落た音は何か泥臭さに欠け、物足りないという方もいるかとは思うが、逆にそれが素晴らしいこの声や唄の引き立て役になり、張ち切れんばかりのヴァイブスを感じさせる。一曲、L.K.J.や日本のあの伝説のバンド、じゃがたらとも一緒にお仕事してたJohnny
Tがヴァイオリンで参加(大ネタ「ゴッド・ファーザーのテーマ」がめっちゃかっこいい)。[輸入盤](鎌田和美)
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STANDING BY / GEORGE
NOOKS
[TOTAL / VP / VPCD2149]
少し前にジャマイカのFMや、地元の現場実況録音のテープ等でダントツにヘヴィー・プレイされていた大ヒット曲「God
Is Standing By」(確か昔、アル・キャンベルも唄ってたと思うんだけど…)を含むジョージ・ヌークスのニュー・アルバム。全体的に前作よりもR&B、ソウルの臭いが強く、地味なようでいて、何回聴いてもあきない。ジャケットにもそれが表れていてとてもいい感じ。[輸入盤](鎌田和美) |
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R&B HITS REGGAE STYLE / PAM HALL
[VP / VPCD1618]
もうタイトル通りの1枚。新作というよりはカヴァー集、又はベスト盤といった感じ。あの『タイタニック』のテーマ=ビル・ウィザースの名曲「Lean
On Me」、キャンディ・スタントンのディスコ・ヒット・チューン「Young Heart Run Free」、シュープリームスの「Come
See About Me」等々をカヴァー。本当は私がここでゴチャゴチャ書くより単に曲目を書いておくだけの方が分かり易いんじゃないだろうか。[輸入盤](鎌田和美)
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SATISFACTION GUARANTEED / ROBBIE
VALENTINE
[GUSSIE P / GPLP013]
UKのガシーPレーベルよりリリースされたニュー・アルバムは、現在人気上昇中のヴォーカリストだ。内容はスウィートなロック・ステディーからコンシャスなルーツ&カルチャー、アカペラまで様々。リズム・トラックはマフィア&フラクシーの打ち込みスタイルで、ジャマイカ風のサウンド作りに近い音色が特徴的だ。「Fire
Fire」「Place In Your Heart」「Coma Coma On」を含む全15曲収録。[輸入盤](長井政一)
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URBAN JUNGLE / DAYJAH AND THE DISCIPLES
[THIRD EYE MUSIC / TEMCD003]
イギリスの女性レゲエ・シンガー、デイジャーのセカンド・アルバムのリバイバル。ファースト・アルバム『ストーム・クラウド』に続き、1997年にディサイプルズが手掛けた作品で、既に4年も前のアルバムである。本作品も全てのチューンがディサイプルズならではの打ち込みによるニュー・ルーツ・リズム・トラックで構成されている。ダブ・ヴァージョンを含めた全16曲収録。[輸入盤](長井政一)
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DIVINE MADNESS...DEFINITELY / LEE
PERRY
[PRESSURE SOUNDS / PSCD32]
良質なルーツ作品の再発で知られるプレッシャー・サウンズの最新作は、73〜77年にかけてのリー・ペリーのレア音源を収録したもの。いい加減な内容の物が多いアップセッターズ発掘音源ですが、これは安心して買いの一枚。ジョージ・フェイスの名曲「To
Be Lover」のヴァージョンにパブロのメロディカをフィーチャーした曲が一番の聴きどころか。ディスク2にはペリー出演のラジオ番組の模様も収録。[輸入盤](小池信一)
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THE COMPLETE UK UPSETTER SINGLES
COLLECTION VOLLUME 4 / V.A.
[TROJAN / CDTAL 905]
今回はもう一点リー・ペリー関連のものを。UKの老舗レーベル、トロージャンから70年代にリリースされていたアップセッターズ物のシングルをリリース順に収録した人気シリーズ“コンプリート
UK〜”の最新作。今回は71年から73年までの48曲を収録。さすがに第4弾ともなると少々息切れ気味か。とはいえこのアルバムで初めてCD化された曲も多数あるので、ペリー・ファンはチェックでしょ
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REGGAE GOLD 2001 / V.A.
[VP / VPCD1629]
VPが毎年この頃になるとリリースする大ヒット曲集 "Reggae
Gold" シリーズ、2001年版。去年、本誌アワードでコンピ部門で堂々の1位を獲得した実積が示す通り、今年も内容は保証付き。とにかく現場を唸らすラフ&タフなイカす曲ばかりが詰っているので、損はさせません。なおCD盤には昨年好評だったミックスCDもついてお買い得(ミックスはStone
LoveのGee-Fuss & Niko Bam Bam)。[輸入盤](大場俊明)
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ゲット・ヒアー/ムーミン
[ネオサイト / KSC2 390]
本誌読者には説明不要のトップ・シンガーのニュー! プロデューサー陣にはDean
Fraser、Shinco、Home Grown、上代学等々。ゲストには先行シングルでも話題だったCorn Head、日本のレゲエ王道なコンビネーションを聞かせるPapa
U-Gee、そしてワイヨリカのAzumi、湘南発女性ラッパー、MC Mairaとこちらも豪華。ヒット曲は勿論、意表をついた米米クラブのカヴァーもあるが、ムーミン史上の傑作なのは間違いない。(鎌田和美)
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スウィート・ラヴァーズ・トーキングVOL.1/V.A.
[TDKコア / GTS-CD006]
まさにタイトル通り、恋人達が過ごす甘い時間に聴けば、ぴったりハマること受け合いのレゲエ、R&B、ヒップホップ・アーティストによるスウィートな佳曲が詰ったコンピレーション。ただそこはシスター・カヤが主宰するシストレンからの作品だけあって、どの曲も単に甘いだけじゃなく、確固としたメッセージが込められているのは聞き逃せないだろう。新人を育て上げるレーベル・カラーも健在。(大場俊明)
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ゲットー・ラヴ/ジャヒーム
[ワーナー/WPCR−10937]
むせ返るほどのストリート臭をまとった歌バカの登場である。鋼の如き強靭さを備えた喉力はまさにテディ・ペン直系、好事家にはタマらないオールド・スクール風味に満ちている。この武骨さを今の空気に馴染ませんと、ケイ・ジーやダレン・ライティといった旬の仕事人たちが腕をふるうも、作品としてのイニシアチヴは彼のヴォーカルに引っ張られる形に。特に後半に並ぶスロウ群には、ただただ平伏すしかない。(石澤伸行)
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パートIII/112
[BMG/BVCA-21078]
1年半振りとなる3作目。パフィ改め、P・ディティの制作曲が激減した一方で、メンバーのダロン・ジョーンズがプロダクションに多く関わった他、一部の曲で別リードを立てたりといった試みを見せた意欲作だ。スリムによるナヨ声も健在だが、成長著しいのは4人のコーラス・ワークの方。R・ケリーやティム&ボブといった外注曲を含め、ハードな意匠をまといながら全13曲を歌い倒す様は、実に頼もしい限り。(石澤伸行) |
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プレジャーズ・ユー・ライク/ジョン・B
[エピック/ESCA-8292]
ベイビーフェイスの庇護を一身に受けたデビュー作、その恩師の影からの離脱に成功した2作目、そしてそれらを踏まえてこそのここでの大きな飛躍。自らペンを取ることで借り物でない世界観を現出、小気味良いスムースネスを湛えたミッド曲たち全てが本作の白眉となった。また彼特有の柔らかなヴォイシングには、ナズやAZ、キューバン・リンクスといったストリートの強者をも懐柔してしまうほどの包容力が。(石澤伸行)
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ザ・ライフ/ジニュワイン
[エピック/ESCA-8215]
待望の3作目。ポニーにまたがりゴジラを従えてヤリたい放題ヤッた結果得た現在のスターダムは、彼に真性のキワモノであり続けることを許さなかった。しかしながら、冒頭から繰り出されるシャウター然りとしたG節は、様々な人生経験を経て確実に説得力を増している。ティンバ仕事はルダクリス参加の1曲のみだが、その他のクリエイター陣によるビートも、彼の猥雑な魅力を引き出すべく揺さ振りをかける。(石澤伸行)
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ジョジョ/ジョジョ
[エイベックス/CTCR-13147]
ロンドン出身の22歳(美形)のデビュー作。プロデュースにはエリーシャ・ラヴァーンに加え、彼女の3作目に参加していたスティーヴン・シェレンらがあたる。そのメロディックな展開と重心低めのリズム・ワークからはエリーシャの志向が認められるものの、各曲の粒立ちの良さはジョジョのヴォーカルに拠るところ大かと。囁くような歌い口はたっぷりと甘みを含んでいて、聴き進むうちに虜になることうけあいだ。(石澤伸行)
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ザ・ブラザーズ/V.A.
[ワーナー/WPCR-10939]
男性シンガー陣を中心にほぼ全てを新曲で構成したサントラ。レヴァート親子やメイズといったヴェテラン勢の力量にトコトン圧倒される一方で、リル・ジョニーやキャシー、ABらのニュー・カマーらしからぬ堂々としたパフォーマンスにも惹かれっぱなし。そのどれもが歌一本で真剣勝負をかけた充実作だが、中でもネクストのRLが初のソロ曲で見せる漆黒の世界は、グループ活動にはなかった類のもの。最高!(石澤伸行)
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満ち汐のロマンス/エゴラッピン
[ポリドール/UPCM-1001]
目下大注目の和製ポップスの良心、エゴ・ラッピンの待望のニュー・アルバムが完成。デタミネーションズとの共演によって生まれた心に染みる素晴らしい「A
Love Song」でその存在を不動のものとした中納良恵と森雅樹が作るオリジナルな世界が、さらに濃い密度で成熟。またしてもジャズやソウル、ロックやレゲエなどの要素全てを内包し、消化し、練り上げられたワン&オンリーな彼らの魅力を堪能できる仕上がりだ。(高橋晋一郎)
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ア・ハッピー・スプリーン/サトル
[ファーラヴ/SPCDF-002]
良質な音楽を提供するレーベルとして期待度大のレコード・ショップ@スパイラルが主宰のファーラヴからの第二弾は、瀬川雄太と中谷俊介によるユニット、サトルのファースト・アルバム。アコースティックな優しさと清涼感に包まれながらも時おり覗かせる音響処理が、耳に新鮮な感触を運んでくる繊細に構成されたポスト・ロック・サウンド。これからも自由に発展しきそうなそのスタイルが実に楽しみなルーキー。(高橋晋一郎)
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プロフェシー/ニッティン・ソーニー
[V2/V2CI-102]
通算5枚目となる新作アルバムをリリース。UKエイジアンらしくインド音楽を各所に練りこみつつもエレクトロニックな要素とアコースティックなテイストを絶妙にブレンドし、先進的なサウンド・プロダクションを用いて圧倒的な音空間を演出することに成功した傑作。ライ・ミュージックのシャブ・マミや、フォーク・ジャズのテリー・キャリアーらの参加も実に有益的なものとした素晴らしい手腕が光る。(高橋晋一郎)
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ダウンロード・ディス/ニュー・セクター・ムーブメント
[東芝EMI/VICP-68299]
瞬間の新しさしか持つことが出来なかった〈2ステップ〉とは異なり、ドラムンベース・ムーヴメント後のブレイクビーツのフュージョン・スタイルとして特にウエスト・ロンドンにて洗練されてきた〈ブロークン・ビーツ〉。その象徴的存在であり4ヒーローのディーゴと並ぶ重鎮IGカルチャー率いるニュー・セクター・ムーヴメンツのフル・アルバムが遂にリリース。アシッド・ジャズ以降のシーンを総括した一つのニュー・ソウル。(高橋晋一郎)
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ワイド/ハシケン
[サウンズパル/VAMOS-01]
もしこの時代に「東京ソイソース」が存続していれば、彼がそのステージに立っていても全く不思議ではないだろうと感じさせる程、大地を感じさせるシンガー、ハシケン。本作は前作で取り上げた奄美民謡「ワイド節」が地元で好評を博したのをきっかけに制作されたミニ・アルバム。同じく奄美民謡の「稲スリ節」も彼なりのスカに料理されて秀逸。オリジナル曲はいつもの通りエネルギッシュなナンバーで痛快。(大場俊明)
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KNOTO_ONEスモーク・シグナル/KNOTO
[ニュートラル・スタジオ/NS1.001CD]
DJ及び打ち込み歴は優に10年を越えるKnoto初の作品集。ブレイク・ビーツ、ダブ、ヒップホップ等、様々なクラブ・ミュージックの現場・制作に携わってきた経験による彼のズバ抜けたセンスは、本作で純度の高い結晶となったようだ。ここにある世界は枠組みなど全く必要としない正にフリースタイル・ミュージック。年中に本作を含め計4枚のアルバムを用意しているとは恐るべし。(大場俊明)
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Gキラーズ・アンド・クローサーズ/V.A.
[クルーエル/KYTHMAK063DA]
えっ!?と思ったが、何と今年10周年を迎えるクルーエル・レーベルが産み落とした名曲の数々のリミックスをまとめたベスト盤。どの曲を聴いても、90年代の日本のミュージック・シーンに於ける、このレーベルの果たした役割の大きさをまざまざと再確認してしまうだろう。未発表ヴァージョンや初CD化となる曲も惜しみなく収録されているが、主宰者=瀧見憲司ミックスによるオマケCDもかなり魅力的。(大場俊明)
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