今月はいよいよ麻怒教授の登場。ダブを単なる″手法″としてではなくポップ・アーティストもどっきりの″コンセプト″として捉えた新作『トリックス・イン・ザ・ミックス』へ至る多彩な活動とその一貫したメッセージ性にマーク本根が迫る! |
僕「その頃はまだ僕も20代で東京のあちこちにガールフレンズが点在しててでして。で、同時に週に3回位はレゲエDJもやってて。朝方にクラブが終わると僕はいつも、その日僕を受け入れてくれる女子の家に向かうんです。で、彼女を無理矢理おこしてシャワーを浴びて(笑)。実はそういう時によく僕はレコード・バッグからあなたのこのラヴァーズ・ロックを取り出してBGMにしてたんです。だから僕は今でもあなたの作った音を聞くと、当時彼女達の部屋の窓に射してた朝日を想い出して、軽ぼっきするんです」 |
![]() Mad Professor [OVERHEAT / OVE-0072] ![]() Mad Professor [OVERHEAT / OVE-0073] ![]() Mad Professor [Ariwa / ARILP025] ![]() Mad Professor [OVERHEAT / OVE-0074] ![]() Mad Professor [OVERHEAT /OVE-0076] |
近年の教授は、デジオケ用にシェイプした従来のスタジオに加え、ブースを広くして生リズム対応にしたAre
We Mad(アウィマ)スタジオも作って、生・デジ双方の美点をごちゃまぜにした、理想形と思われる環境/機材でプロデュースにのぞんでるが、(4)ではタイトルにあるように、基本線ルーツ・メンタルながらサウンド・スタイルは旬狙い。時にはジャングルにもトライするフレッシュな教授に親しめる。ペリー、U・ロイの発狂ルーツからちびっこはねはねドラムン・ベースまでコンパイルしてもそのゴリッとした一貫性に乱れがない辺りはTime
For Dubな白水君と下田君のおしゃれコンビに見習って頂きたいところ。 そも、ダブとはマルチ・テープ中のオケだけを使用する″手法″に美点があると思うが、思いついちゃったらそのマルチに更に音のっけちゃった掟破りはペリーの『スーパー・エイプ』がスタート地点。教授の新作(5)は、曲によっては美しすぎるソロ楽器群を惜しみなくアディショナル・プロダクションしまくった″概念″としてのダブの極美です。と、ここでドあたまの教授の発言。彼の22年に及ぶキャリアを通じて、僕は、常に確信犯的に事を起こす真面目人間として彼を捉えている。そんな教授は、確かに今、新作の中で何かにむかって怒っている。何にむけて? それは教えられない。税抜¥2500払って拝聴しろ。いつか俺達も、こんなに沢山のメッセージが含まれた無言の音楽〈ダブ〉に挑戦したいね、内田君。 |