[L to R] Mama-R (key), I-Watch (g), Tanco (b), Kitto, Yucky (dr), Shinji-Man (per), Kon

 今や誰もが認めるジャパニーズ・ナンバー1ダンスホール・レゲエ・バンド、ホーム・グロウン。葉山の海の家「オアシス」を母に持つ彼らのルーツ、そして今後の野望を訊いてみた。

●バンドとして活動を始めたのはいつ頃ですか?
タンコ(以下T):前身のオアシス・バンドが92年か93年だと思うんだけど、ホーム・グロウンって名乗ったのは96年かな。「ボブ・マーリー・ソングスデイ」ってイベントが最初かな。

●集まったきっかけは?
T:今のメンバーと知り合ったのは、やっぱりオアシスだよね。最初にノダチンがレゲエ・バンドやってて、そこのリーダーだったんだ。そこにママRもいて。それで俺も誘われて入ったんだ。確か91年の暮れかな。

●名前の由来は?
シンジマン(以下S):元々は俺の個人的な趣味で。ホーム・グロウン・ミュージックっていう、アフリカのアジ・アディって人のCD作ったり、来日させたり、オアシスのコンピCD作ったりしてたんだよね。勿論、アール″チナ″スミスの曲ってのもあるよね。92年か93年にチナがオアシスに来て「ホーム・グロウン」のセッションやったんだよね。それもあるかな。

●レゲエを演奏するのは非常に難しいと思うのですが…。
T:レゲエってのは教科書やお手本がないからね。ビデオ・テープだったり、直接ジャマイカ行って見たりとかしかないから。だから最初はどうやっていいか分かんないんだ。今でもずっと試行錯誤で。
ママR(以下M):今でもレコード聞いてもどうやって組み合わせてるのかが解明されてないし(笑)。

●ダンスホールに移行したきっかけは?
T:イワッチがファイヤーボールとショウをやろうって言って。元々彼らはオアシスのお客さんだったからね。それで97年にオアシスでやったんだ。それでその年の9月に最初の「ダンスホール・バッシュ」に出たんだ。チョーゼン・リー、スーパー・クリス、ナンジャマン、ジュニア・ディとかが出演してて。そう言えば、オアシス・バンド時代もパパ・ユウジがよく遊びに来ててセッションとかしてたなあ。だからユウジ君の影響も強いかな。

●初めて観た時からスタイル的に完成されてたと思うんだけど。
T:そうだね。オアシスの存在が大きいからね。ここってノンジャンルで、毎日どんな人がどんな事をやるか分かんないじゃん。その場ならではの即興性はここで鍛えられたから現場では強くなったよね。ステージだと突然誰かが登場したりするじゃん。逆にそれが楽しかったりするんだよね。

●「ダンスホール・バッシュ」を機に大阪のトキワ等とリンクするようになりましたよね。
T:「ダンスホール・バッシュ」の前日にマイティ・クラウンとタクシー・ハイファイのクラッシュがあって、日本のレゲエ好きがかなり関東に来てたのね。それで翌日のこのイベントにプシンとかNGヘッドも来てくれて知り合ったのかな。皆、ダンスホール・バンドを体験したのが初めてみたいな感じだったからね。それで大阪でも噂が広まって…。うちらだったら何でもやってくれるでしょ、って噂が広まって50トラックとかやらされちゃうから、最近は演奏は2時間まで、って言ってます(笑)。

●ボブ・マーリーのトラックなら全て出来ると言われてますが、ファウンデーションからダンスホールまで、幾つトラックがあるの?
T:常に移動しながら(笑)、二、三百はあると思うけど。やった事のある数だったら五、六百じゃきかないんじゃないのかなあ。

●印象に残ってるイベントは?
T:「ラフライダー」かな。最初「ジャーン」って音を出した瞬間に観客全員が「ウォー!」って。凄かったよね。びっくりしたよ。

●最近はプロデュースを手掛けてますが、役割分担や心掛けている事を教えて下さい。
T:俺とコンケンが作るのが多いかな。打込みか生で行くかってトラックにもよるけど。他のメンバーは必要に応じて呼び出されて(笑)。最近はジョグリン・トラックが多いから、俺達にしか出来ないって言ったらやっぱり生だよね。

●いま制作中のものは?
コンケン(以下K):キーコのリミックスが終わって、Hマン、パパ・ボン、そしてケツメイシのダイゾーも制作中かな。ラヴミルクも手伝ってるよ。まだまだあるけど、全部教えられないなあ(笑)。あとは、来年にはアルバムを出しますよ。ぼちぼち誰と作りたいっていうアイデアも出てるし。

●今後の目標は?
T:さっきも言ったけど、ホーム・グロウン名義のアルバムを出す事だね。日本のバンドとしてジャマイカのミュージシャンともやりたいし、ジャマイカに行って日本人アーティストのバックでもやりたいね。ジャマイカ人には絶対負けない自信はあるよ。お前らと同じくらいやってんだぞっていう。
K:バンドも勿論なんだけど、トラックを作って、ダンスの現場を踊らせたいってのもあるな。もうそういう時期に来てると思うんだ。
M:うちらだけじゃなくて若いバンドにももっと出てきて貰いたいですね。大きなショウでも3つ位バンドが出て…。それ位、盛り上がって欲しいですね。
T:若い人に出てきて欲しいですよね。ほんと辛いんですから(笑)。大変なんだよ(笑)。ギャラ・アップさせるぞ(笑)。