1999年12月号

GREAT CONTROVERSY / LUCIANO
[JET STAR / JSLP1011]

Liciano久々のフル・アルバム。まず今までの作品と違うのは、全曲イギリスで制作されている事。バックの音もJA産とはまた違ったカッコ良さがあります。オールディーズのリメイク・リズムも渋い所(1曲目はJ.Clark「Ride On」)を突いてきます。Peter Toshの名曲「Legalize It」や、Melodians「Rivers Of Babylon」のカヴァーなど聞き所満載。やっぱりこの日人ですよ。悪い訳はありません。必聴です![輸入盤](坪木良典)

FRUITS OF THE NAZALITES / JACK WILSON & THE NAZALITES
[NO CREDIT / NO NUMBER]

ジョン・ブラウンを中心に活動するUSAのレゲエ・バンドの3枚目。ダブ、インストものメインに演奏し、所々にヴォーカルものも収録。約半分が70年代初頭のアップセッターズの様なサウンドで、もう半分が重圧感あるダブ・サウンド。リー・ペリー、オーガスタス・パブロ等の影響を大きく受けているのが解る。ちなみに、前2タイトルではバンド名がそれぞれ異なった名でリリースされているので注意。[輸入盤](長井政一)

FT.GANJA PLANT / PRESENTS
[I-TOWN / 006IT]

本格派のルーツ・ミュージックを中心に'99年から演奏活動を開始し、去年デビュー・アルバムとなる本作をレコーディング。ヴォーカルのラスムザイ率いる計6名からなるバンド。ハスキーでパワフルなヴォーカルが特徴で、全曲歌入り。サウンドはコンシャスなハード・ルーツから、爽やかなルーツ・ラヴァーズまで幅広いバランスの良い選曲。もう既にロンドンではかなりの噂になっているようだ。[輸入盤](長井政一)

MR ISAACS / GREGORY ISAACS
[BLOOD & FIRE / BAFCD035]

“クール・ルーラー”の異名を不動のものにしたグレゴリーの77年、African Museumからリリースされた超名盤。制作はオジー・ヒバートで、演奏はレボリューショナリーズとソウル・シンジケート、更にヘプトーンズが完璧なコーラス・ワークでバックアップ。「Slavemaster」にディリンジャーが絡んだ「Take A Dip」や「Mr. Brown」のロング・ヴァージョン等、ナイスなボーナス・トラックも5曲収録。[輸入盤](大場俊明)

BORN IN THE SKY / LEE SCRATCH PERRY[MOTION / FASTCD5]

又々登場したアップセッターズ関連の発掘音源だが、今回はキング・タビーやスカタライツの良質なレア音源をリリースした“モーション”からだけに内容の方は文句無し。69〜75年に収録されたアップセッターズのインスト物を中心にスーザン・カドガンやシルヴァートーンズら、ペリー・プロデュースの貴重な音源ばかりを収録。22曲中、7曲が未発表音源という事でペリー・マニアの方々はチェックですな。[輸入盤](小池信一)

LOST TREASURES / KING TUBBY'S
[JAMAICAN RECORDINGS / JRCD001]

ダブの傑作『ルーツ・オブ・ダブ』を筆頭に、バニー・リー&キング・タビーのコンビによって世に落とされたアルバムはホントに多数あるが、ここに又一枚、新しいアイテムが加わる事になった。このアルバムは2人が70年代に残したレアなダブの数々を編集した貴重な一枚。タビーにしてはややハデめなミックスが多いものの、“ドスン”とくるバスドラや地を這う様な重低音ベースはいつも通りのタビー・サウンド。[輸入盤](小池信一)

HARMONY HOUSE VERSE TWO / V.A.
[HARMONY HOUSE / VP / VPCD2143]

ベレス・ハモンドが主宰するレーベル、Harmony Houseのコンピ・シリーズ第2弾が早くも到着。ベレスお得意のミディアム・テンポによる良質なトラックに、ネーム・ヴァリューこそないが、味のあるシンガー&DJが気持ち良さ気に伸び伸びと声を披露している。大ヒット曲こそないが、Jah Mari「Love Sweeter Every-time」、Natural Black「I'm Not Amazed」等、名曲、佳曲が詰まっている。[輸入盤](大場俊明)

RAGGA RAGGA RAGGA! 15/ V.A.
[GREENSLEEVES / GREL257]

Greensleevesが誇る人気コンピ・シリーズ15作目。数年前のレゲエ・ブームの頃は、単なるジョグリン系ヒット曲編集盤といった内容だったけど、この15番は、何とシングルではリリースされていない曲ががっつり入っているじゃないですか! しかも近々間違いなくヒットしそうな予感のする曲ばっかり。特にジャミーズ系レーベルのAwfulの新しいチューンは、サウンド小僧要チェックですよ。[輸入盤](鎌田和美)

HEAT WAVE / V.A.
[ANNEX / GREENSLEEVES / GRELCD 709]

最新のヒット・トラックをワンウェイでお届けする『グリーンスリーヴス・リディム・アルバム』シリーズの第9弾。今回はアネックス制作による快速ジョグリン・トラック "ヒート・ウェーブ" を取り上げている。ユニゾンのベースとバスドラがリディムの主導を握り、琴の音の様なフックが印象的な、現場受けの良さそうなリディム。どの曲もパンチが効いていてカッコイイのだがケイプルトンとシズラの2曲がグッとくる。[輸入盤](小池信一)

TIXX-BLAZE / V.A.
[CJ / GREENSLEEVE / GRELD710]

グリーンスリーヴスのリズム・アルバム第10弾。今回は本誌でも特集された "Tixx" リズムと最新の注目リズム "Blaze" の2ウェイ。注目は何と言ってもこの "Blaze" のFrisco Kid「Round Here」。現地のラジオでは3回も繰り返しプレイされていました。そしてダンスでも同曲のスペシャルが大人気で、流行語にもなっているほど。セレクターの皆様、要チェックですよ。"Super Star" も良いけど、 "Blaze" も最高。[輸入盤](坪木良典)

TRILOGY / V.A.
[VP / VPCD2144]

ワード21制作の極め付けって感じの凄いリディム、"Trilogy" のワン・ウェイ・アルバム。信じられない程、薄くて細いドラム。ハットの代わりなのか、やたらチャカチャカしたギターの音がリズムを刻みまくる。そして、あまりに図々しい野太いベース・パターンは、典型的なジョグリン・スタイルだが、やけに個性的。因みにオケ名に因んでか全曲シリアスなネタ。最近のイケてる面子はみんな入ってます。[輸入盤](鎌田和美)

KING JAMMY'S EXPERIENCE VOL.1 / V.A.[SUPER POWER /LP-0148]

門下生のWard 21等の活躍で最近何かと賑やかなKing Jammys。そこから実にいい感じのルーツ・ロック・リディム "Thank You Fath-er" の1ウェイ。「Duppy Conqueror」をベースに気持ちいいオルガンを乗せ、派手さはないが、レゲエはいいなって気分を盛り上げてくれます。面子はCutty Ranks、Bushman、M.Heritage、等。因みにジャケのおネエちゃんは『Lovers Rock』シリーズでお馴染のあの娘。[輸入盤](鎌田和美)

アイム・イン・ラヴ・スカ・オイ・メイツ/オイ・スカル・メイツ
[デューファランクス / PX-061]

『Skaville Japan Vol.1』への参加やオーセンティック系スカ・バンドとのジョイント・ライヴで、本誌読者でもご存知のオイスカが放つ今年一発目の10"アナログ盤のみのミニ・アルバム。相変わらずのローファイなサウンドとキレ味鋭い疾走するビートがやけにイカしている。ライヴの時につい合唱してしまうキャッチーなメロディラインも健在。時代に関係なくやりたいことだけをやるという姿勢は潔すぎてかっこいい。(大場俊明)

イット・ワズ・オール・ア・ドリーム/ドリーム[BMG / BVCA-21084]

バッド・ボーイ発の白人4人組歌チーム。クリスティーナ・アギレラを全米1位にのしあげたディヴィッド・フランクらによる音の世界観は、確かに彩りを感じさせながらも新しい波が含まれていて、本作に斜に構えて臨んだ者は何かに気付かされるはず。大仰なバラード群に混じる形で収められたカヴァ「Mr.Telephoneman」あたりの好調ぶりを見ると、パフィの多角化戦略には今回も抜かりはないと言えそうだ。(石澤伸行)

グレイテスト・ヒッツ&リミキシーズ/エリーシャ・ラヴァーン
[エイベックス / CTCR−13145〜6]

メジャー・デビューから早6年。日米英を股にかけた活躍の集大成がここにある。ダブルCDのうち、まるまる1枚がリミックス集になっており、蔵出し感たっぷりの初CD化作品の収録に思わず顔がほころぶが、スロウ曲での彼女が最高に良い表情を見せてくれているのも嬉しい限り。これらツボつきまくりのメロウネスとビートの魔力が、日本のクリエイター陣により生み出されていることを再度噛みしめてみよう。(石澤伸行)

ネクスト・トゥ・ユー/ビヴァリー・ブラウン[ポニーキャニオン / PCCY-01488]

5年前にシングル「On And On」を発表済みの女性シンガー。UKソウルの良心、ドームからのリリースとなった本作は、フル・クルーのマイケル・デイリーらに音作りが委ねられているが、イイ意味で現在の米国におけるドッグ・イヤー・モードからは距離が置かれていて、聴く者すべてを包み込むような快感原則に満ちている。スムースな質感ながら安定感を感じさせる彼女の歌声も、音に負けることは決してない。(石澤伸行)

プラチナム・UKソウル・フレイヴァズ/V.A.[ポニーキャニオン / PCCY-0149]

シングル展開を活動の中心とするUKシンガー達の好曲を編んだコンピ。音作りにおいて、米国的なるものへの接近が強く感られる昨今のUKシーンだが、アリやセレーシャらの作品群が、踊ることと浸ることの同時体験を可能にしているのみならず、「日本人好み」という域を超えて、光りを放っている点が実に頼もしい。この充実度を一連のシングルのみから得ようとした際の労力を考えれば、なおさらのお得感だ。(石澤伸行)

EARL ZINGER'S PUT YOUR PHAZERS ON STUN THROW YOUR HEALTH FOOD SKYWARD / EARL ZINGER
[RED EGYPTIAN / NO NUMBER]

元ガリアーノのメンバーで、現在2・バンクス・オブ・4を率いて活動しているアール・ジンガーのソロ・ユニット作品。ガリアーノや2・バンクスで聴ける洗練されたジャジーな雰囲気とは全く異なり、ビッグバンド風や70'Sレゲエ風、ヒップホップ風など、全ての音楽を強引にミキサーにかけた様なとにかく遊びまくったモンドな仕上がり。リー・ペリーやヤン富田ファンには気に入ってもらえるかも。[輸入盤](大場俊明)

ジ・インポッシブル・スリル/アルファ
[東芝EMI / VICP-68287]

マッシヴ・アタックが主宰するレーベル、メランコリックからアンディ・ジェンクスとコリン・ディングレーによるユニットノセカンド・アルバムが届けられた。いわゆるブリストル・サウンド、なかでもマッシヴ直系なダビーで退廃的で美しい壮大な様式美はさらに洗練された様子で、幾層にも織り込まれたストリングスの響きが聴く者を深い所へと連れていく。前回と同じ3人のヴォーカリストの起用も大正解だろう。(高橋晋一郎)

クロウカ/スナガ・T・エクスペリエンス
[カッティングエッジ / CTCR-14172]

須永辰緒によるソロ・プロジェクト、スナガ・T・エクスペリエンス待望のファースト・アルバム。ソウル、ジャズ、ブラジルをベースにハウスやヒップホップなどクラブ・ミュージックのエッセンスを織り交ぜ、氏特有のベクトルにまとめあげられた17曲。氏のDJプレイに立ち会ったことがある者には、共鳴出来るであろうオルガン・フレンドリーな・ハイブリッド・スタイル。ヴィンス・アンドリュースの登場には感涙。(高橋晋一郎)

テンガク/グランド・リヴァース
[スピードスターインターナショナル / VICL-60719]

コンピレーション『響現』の参加で注目を集めた、マナソルとジョディ天空によるユニットのファースト・アルバムが完成した。ブレイクビーツを軸にダブやノイズと複雑に交錯して作り出され、どっしりとしたビート感と多彩な手法が安易なそれっぽい凡百の作品とは住むまるで変えてしまった一枚。この新しいオリジナリティーの確立を個人的にも大いに賛同したいと思わせる。ヴォーカルとしてデジャも参加。(高橋晋一郎)

トリップ・ドゥ・ブラジル/V.A.
[エピック / ESCA8294]

雑種音楽=ブラジル・ミュージックならではの実験性を確実に継承するアーティストばかりを集めたコンピ・シリーズ第一弾。ディレクションはパリのRythmixレーベルのプロデューサー、Benoit Carlesが担当。ハウス、ヒップホップ、エレクトロ、ドラムン・ベースなどあらゆるリズムが混在しているが、シリーズ・タイトル通り、最終目的地はブラジル。本作を聴けば、誰でも容易に辿り着けるだろう。(大場俊明)

トリップ・ドゥ・ブラジル2/V.A.
[エピック / ESCA8295]

左記の“トリップ・ドゥ・ブラジル”シリーズ第2弾。こちらも第1弾同様、複雑なリズムの絡み合いが独特の躍動感を生むブラジル音楽らしい楽曲がずらりと並んでいる。クラブ・クラシックとなっているRuss Gabriel「Jelba」をオープニングに、FコミュニケーションのAlex Kid、Joe ClaussellのMental Remedy、ヒップホップからはDJ Spinna等が参戦。前作同様、ブラジルを中心とした世界地図が楽しめる。(大場俊明)

ソウル・スクランブル/V.A.
[ソニー / AICT-1307]

〈次世代プロデューサーと次世代アーティストによるコラボレーション〉をテーマにコンパイルされた一枚。既発のプシン×DJプレミア、サトシ・トミエ×チャラ、藤原ヒロシ+大沢伸一×クリスタル・ケイという音源に加えて、デヴ・ラージ×椎名純平、石野卓球×ナナオ・タビト、キョート・ジャズ・マッシヴ×ベベル・ジルベルトらを収録。特にスイケン×ナム、アンビヴァレンス×ツイギーらの爆弾シットが最高。(高橋晋一郎)