厳寒のNYから、こんにちは。ヒップホップも、このコラムをはじめてから様子が違うものになっていて、最近ニュースとしてとりあげたいものが少なくなっています。耳に入ってくるのは、政権が変わりその様子をみんながとりあえず見てるっていうのが現状かな。ヒップホップも政権によって左右され続けたアート・フォームの一つだけど、今回は一体どういう影響を受けるのかは、非常に興味深いです?
●今月のパフ・ダディ
99年の暮れのミッド・タウンのNYクラブでの発砲事件の裁判が2月第一週から、ダウンタウンの州最高裁で、はじまった。検察の求刑は、パフ・ダディに15年、シャインに25年というマキシマムであった。パフの容疑は、銃の所持、殺人未遂、証拠隠滅、証人を買収など厳しいもので、実際パフ・ダディが銃のようなモノを持っていたという新証人も出てきた。この証人、流れ玉が鼻に当たり、もしこれが証明されれば相当な保証を得れることになっている。シャインの方は、もう実刑は免れないという程証拠がそろっている様だ。一般の予測では2人とも実刑は免れないとのことだが、多くの意見は、パフ・ダディは罰金や軽い刑で済むという見方をしている。しかしもし彼が重刑を免れると、法律の存在が危うくなるという声もある。
確かにラッパーによる暴力沙汰は増える一方で実際刑が執行された例は少ない。特にパフ・ダディの様な存在の影響は、大である。一方、今NYで行われているNYコレクションでは、彼が経営するショーン・ジョーンのコレクションも発表され、ファッション界ではちょっとしたインパクトとなっている。今までブラックからはじまったファッションは、結局ファッション界に飲み込まれそのエッセンスが失われがちと言われていたが、ラッセル・シモンズなどパイオニアも増え、ソースから直接供給されるべくして起きたというのが言い分なんだけど?
●今月の裁判2
ラフ・ライダースとも決裂したという噂のDMXに実刑がおりた。去年の3月にコンサート会場から無免運転で帰っていた所を逮捕され、マリファナの所持もついでに見つかったDMXに、15日間の拘留が言い渡された。本人も罪を認めているが、彼の弁護士が現在上告をしている。でも、2/5に拘留がはじまる予定だったから、入っていれば、もう出れてるのに?
●今月の残念
古くはアフリカ・イスラム、最近ではDJスピナや、モンク1などが、出演しているNYのインデペンデント・FM局の一つ、WBAIが、閉局の危機に瀕している。もちろん、メイジャー局が、こういったオルタネイティヴ局を邪魔と考えて、政治的に妨害しているのが原因らしい。このパターンで、WNRKという局も、2年ほど前に、閉鎖になった。結局、アンダー・グランドが盛り上がれば、この馬鹿騒ぎ続きのヒップホップのからくりがばれるという懸念か、一般がものを見る目を持つのを恐れてかの愚挙のようだが、最低です?
●今月のリユニオン
今春、ニュー・アルバムをドロップする予定のビートナッツが、リユニオン・アルバムを企画している。現在、アル・タリークと名乗る脱退したメンバー、ファッションを交え「return
of intoxicated demons」を、今年制作する予定らしい。アル・タリークは、この″酔った″という形容を宗教的な理由で、嫌ってやめた筈なんだけど?
●今月の写真
オリジナル・ギャングスタ・ジャスト・アイスである。アイスト・アウト流行で、カム・バックらしい?
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