Greetings friends,
初めて訪れたカルフォルニアに親戚と共にクリスマス休暇を過ごして来たが、正直いってイギリスには帰って来たくなかった。特にBerkelyという所は広々と建てられた木造の家々といい、幅広い道路といい、頭上にはりめぐらされている電線といい、ジャマイカを思い出さずにはいられない場所。我々が住んでいるイギリスの南東部が狭苦しくごみごみしている様に感じてならない。あちらの天気は最高だったし、何より人々が皆フレンドリーだった。
●滞在中の何日間かをBerkelyに住むKaya
Bridgeの家で過ごした。アメリカ人と日本人のハーフである Kayaは、お気に入りのFrankie Paulを始め、様々なジャマイカ人アーティストのステージでプレイしたという経験を持つ若手のベーシスト。サンフランシスコ界隈のレゲエ・ゴッドファーザー、Rankin'
Scrooに激励され、独学で音楽を学んだというとても熱心でしっかりとした信念を持ったミュージシャンだ。そんな彼は現在、必死にドラムスの練習をしている最中。おそらくインターナショナルなシーンに彼の名が登場するのはそう遠くない将来だろう。彼は少年時代を過ごした日本に再び行く事を熱望しており、選んだ道を着実に進んでいる自分の姿を向こうの家族や友達に見せたいのだそう。Kayaの友人や隣人もこれまた才能に溢れた人が多く、巷は地元産の良質なレゲエ、ヒップホップの宝庫、その中のうち幾つかはベイエリア以外でも注目を浴びるに値するだろう。滞在中に観れたレゲエのライヴは、Paul
SpiceにサポートされたEverton Blenderのショウ一つのみ。Blenderの全力投球のパフォーマンスも凄かったが、一番印象に残ったのは、豊かでソウルフルなテナー・ヴォイスのSpiceによる、程よく控えめなステージだった。

Kaya Bridge
●ベイエリアで一番ビッグな地元のバンドと言えば、ルーツを熟知しているシンガー/プロデューサーでホワイト・ラスタのFenton
Wardle率いるReggae Angels。選び抜かれた地元のトップ・プレイヤー達と程よい数のジャマイカ人のファンを抱える彼らのCDは完成度が高く、プロデューサーの努力が伺える作品だ。
●Berkelyと言えば、かの有名な音楽大学でお馴染みだが、Riverside、Prestige、New
Jazz等のジャズ・レーベルやその他様々な愛すべき作品を手掛けるFantasy Recordsの故郷であるという事も忘れてはならない。彼等はUSで、UKとは比べ物にならない多くの作品を発売していて、彼等のヴィンテージ・ジャズ作品の多くが今だアナログ盤もプレスされている。詳細は
www.fantasy.com をチェック。
●今月はUKレコードの話題が盛り沢山。以前も紹介した若手グループ、Ras-Itesが、JetstarのCave
StudioでDanny RayとFitzroy 'Wizzard' Blakeの指揮のもと、デビュー・アルバムを完成させつつあるとの事。かなりいい感じである。
●同じくCaveクルーとロンドンでレコーディングが行われたLucianoの最新アルバム『Great
Controversy』も仕上り真近。未完成のプロモCDを聴いたが、これは「良い」と断言できる。『The Messenger』以来、Xterminatorを離れてからの最も凄い作品となるだろう。
●Morgan
Heritage、兄弟のLMS、そして全てのMorgan一族がこの3月、ニュー・アルバムのプロモーションを兼ねての大規模なツアーを行う。Heritageの『More
Teach-ings』は、新たなファンを激増させた前作、『Don't Haffi Dread』と比べると、より多彩なものなので、本作で更に上へと突き進んで行くだろう。LMSの方も、上の兄弟達の足跡をしっかりと追いつつR&Bテイストを軽く織り交ぜる事によって、程よくスパイスの効いた仕上りとなっている。
●2月には、毎年恒例となっているバレンタイン・バッシュにBeres
Hammondが来英する。つい先日VPよりリリースされたニュー・アルバム『Music Is Life』は、まだこちらには届いていないが、正直言ってちっとも良いと感じなかったR&Bかぶれの前作よりもタフな作品である事を祈るばかりである。
●去年ロンドンでMax
Romeoのサポートをこなしたグループ、Nazaritesのデビュー・アルバムがリリースを目前に控えている。シンガーのRaz
Muzai(aka Jack Wilsonは、10年以上前にLouisa Marksの「Six Sixth Street」のカヴァーがヒットした事で有名)を筆頭に、Junior
Delgadoを彷彿させる情熱的でアグレッシヴなスタイルで、ガッチリとしたラスタ色を出した妥協のないルーツ・ミュージックを展開している。完成された作品を聴いたらまた感想を述べるとしよう。
それではまた。Take care............. [訳/有賀由紀子]
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