 
●まず今までの自分の曲の中で一番気に入っている曲を教えて下さい。
アルトン・エリス(以下A):どの曲といってもどれもこれも全部好きなんだけど、敢えて言えば「I'm
Sill In Love」かな。
●この曲はいつどんな風に作ったのですか?
A:66年にコクソンのスタジオ・ワンで録音した曲なんだけど、この曲は…そう、土曜日にスタジオからの帰り道に鼻歌を歌っていてメロディを思いついたんだ。翌日にギターを持って弾き直して…。それで作曲しながら作詞したんだよ。
●この曲は失恋の曲ですが、誰か特別な人に捧げた曲なのですか?
A:そうだね。ちょっと名前は言えないけど、確かちょうど失恋して…もちろんその人の事を想って書いた曲だよ。でも昔の事だから、ハハハ。
●影響を受けたアーティストは?
A:そうだね、いろんな人に影響を受けたけど、やっぱりその頃に流行っていたアメリカやイギリスの歌だね。サム・クックやナットキング・コール、あとビートルズかな。
●尊敬するアーティストは?
A:ケン・ブース、そして何と言ってもボブ・アンディだよ。
●普段は何をしているのですか?
A:やっぱり一日中音楽をプレイしているよ。ジャマイカにいる時は毎日ソニック・サウンドにギターを持って行って、スカーリーとかウインストン・ジャレットとかと一緒に歌っているよ。イギリスにいる時は家族といっしょに過ごしているよ。
●あなたは大スターだから凄く女性にもてたと思いますが、最高何人の恋人と付き合っていたのですか? あと子供は何人いるのですか?
A:そんなこと聞くの? 恋人ね、それは一杯いたけど、いつも一人の女性に夢中だったから、一度に何人も、って事は無いよ。本当だよ。子供? もちろんいるよ。何人? それは秘密。10人以上はいるよ。
●今のイギリスやジャマイカのレゲエ・シーンについてどう思いますか?
A:イギリスや日本の人達は昔の物を大事にするから、僕達にもお呼びが来るんだけど、ジャマイカ人はとにかく昔のものを振り返ろうとしない。MKBが5年前にジャマイカで「ハイネケン・スタータイム」というコンサートを始めてくれたお陰で、やっと僕達の様なヴィンテージ・アーティストにも目が向けられるようになったんだ。
本当にMKBと「ハイネケン・スタータイム」には感謝しているよ。レコードだってそうだろ? 息子がイギリスでヴィンテージのレコード屋をやっているんだけど、お客は外国人ばっかりさ。ジャマイカ人は古いものの価値なんて解らないんだ。とにかく新しい物が好きなんだよ。
●妹のホーテンス・エリスについて何か特別な思い出は有りますか?
A:本当に言い尽くせないくらい色々な思い出があるけど、56年かな、彼女が16歳の頃、スタジオに連れていってレコーディングさせたのは俺なんだ。彼女はそれまではバンドでアメリカの歌、そうパティ・ページとか、ダイアナ・ロスとか、そういう曲を歌ってたんだよ。
確かバイロン・リーのバンドでジャマイカ中回ってたんだよな。それであんまり歌がうまいんで、ロック・ステディを歌うように薦めて、俺がコクソン・ドッドの所に連れていったんだ。初めてのレコーディング・ソングは「Come
To Me Softly」のロック・ステディ・ヴァージョンだよ。彼女は俺の2番目の妹なんだけど、本当にいいシンガーだったよ。
●日本で来日を待つファンや今度一緒にレコーディングするバンド、ドリームレッツについて一言お願いします。
A:もう日本には5回も行っているんだけど、本当に良い国で、良い人達ばかりだと思うよ。日本は大好きさ。みんな礼儀正しくて、いつ行っても本当に心地よい国だと思うよ。今度一緒にレコーディングするドリームレッツって多分、自分の年齢の半分位の若い人達だと思うけど、とてもしっかりした良い音を出すバンドだよ。
スカやロック・ステディは今から30年以上前の音楽なんだけども、今の若い人達は良く理解してやってると思うよ。今からどんな曲になるかとっても楽しみだよ。まぁ、久しぶりの日本だから、皆に会えるのをとっても楽しみにしているよ。
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