プシンの「Set Me Free」のリリース・パーティが渋谷のクラブ、Wombで開催された。レゲエ・サイドからジュンボ・マーチ、タカフィン、ボクサー・キッド、マイティ・ジャム・ロック、ヒップホップ・サイドからジブラ、そしてこのイベントのためにDJプレミアがやって来た!

 11月10日、金曜日。渋谷Wombは大変な事になっていた。Tribute link. のプレゼンツによるこの一夜限りのライヴの為にNYから飛んできたのはプシン「Set Me Free」のプロデューサー/コラボの相手であるDJプレミア(通称プリモ)。

 前乗りで来日していた彼だがリハ予定時刻に現れず、現場に緊張感が漂う。ようやく登場した時は、 開場の50分前…。慌ただしい雰囲気の中で、ジブラ、プシンと曲合わせ。受け取ったばかりの「Mr. Dynamaite」の頭をコスって、「フックは何て言ってるんだ?」と余裕の一言。プシンとの息もピッタリなのは言うまでもない。

 そして開場。あっという間にWombのフロアはプシン・ファンで埋め尽くされた。オープニングはマイティ・ジャム・ロックのプレイで、そのセットをバックにボクサー・キッド、ジャンボ・マーチ、タカフィンが順に現れ、そのままプシンも合流。場内騒然となったところで、ジャンボとのコンビネイション「Vibes Up」へ。

 抜けのいいWombに響き渡る声と声。「一度限りの今夜」というラインが耳をついて離れない所に、今度はタカフィンとの「For Your Song」、そして圧巻だったアカペラの「Colors」から素晴らしい″うた″のコール&レスポンスを巻き起こした「Greetings」(プリモもお気に入りの一曲)、「波が」へ。そして「Singer Pushim Vexed」からヒップホップへとシフトし、彼女はここでマイクをジブラに渡す筈が、プリモがまたしても遅れた為、MJRがそのままフロアを温めることに。またも緊張が走る…。

 それから待つ事約30分。プリモ登場。「Mr. Dynamite」が始まった。「今日は俺も緊張してるぜ!」というMCで沸く場内。しかしジブラの″貫録″はプリモとまったくの互角。そのまま2人のコラボレーション曲「Untouchable」へと突入し、今度はジブラが歌姫を呼び出しクライマックスとなるプシン+プリモの「Set Me Free」に。ストロング・ヴォイスで圧巻する″主役″の後ろでは、プリモがまるでずっとこのコンビでやっていたかの如くスムーズな″合いの手″を入れている。恐るべし、この男…。そして、ショウは最高潮のまま終了。 


 その後、インタヴューの席に現れたプリモの満足気な表情ったらなかった。曰く「本物のヴォーカリストかどうかは最初の何小節かで判る。プシンは最高だよ。本物のソウルを持ってるね」。この日会場にいた人″全員″にそのヴァイブスは伝わった筈だろう。