"Hurricane"、"Headache"、この二つのリズム・トラックのブレイクで一躍注目レーベルとなったMo' Music。このニューヨーク発のレーベルのプロデューサーであるFlabbaにブルックリンで遭遇したのでインタビューを行なった。


●今いくつなの?
Flabba(以下F):26歳だ。

●Mo' Musicはいつから?
F:約4年前だ。だけど、随分前から音楽には関わっていたよ。父親がブロンクスでニュー・ルックというレコード屋をやっていたんだ。今は、ブラウンズ・レコードというんだ。

●お父さんはジャマイカからブロンクスに移住してきたんだ。
F:そう。オレはフェラデルフィアで生まれて、ニューヨークで育った。

●楽器は何かできるの?
F:いいや、リッキー・マイヤーというやつがいて、彼がキーボード、コンピューター・プログラミング、MPCなんかを操ってる。彼にはいろいろと影響を受けたよ。
 オレはプロデューサーだから、ミュージシャンにあれこれ指示を出すだけ。ただミキシングに関しては、オレの仕事だ。オレは自分の音楽がどのように鳴るべきか知っているし、そういう意味では、ミュージシャンだ。


●一年間で何回ぐらいジャマイカに行くの?
F:今年だけで、13、14回ぐらいかな。行ったり来たりしてるよ。ジャマイカでは主にプロモーションをしてるんだ。デリー・ランクス、クリストファーというアーティストをマネージメントしているんだ。ジャマイカは音楽(レゲエ)のメッカだから、行かきゃいけないんだ。いろんなことが起こっているからね。

●ニューヨークはレゲエに関して、今どんな感じなの?
F:ここのラジオ局は、ダンスホール・ミュージックに対して冷たいね。NYのサウンド・システムのほうがよっぽど味方になってくれる。

●だけど、レゲエの番組もあるよね。
F:もちろん、あるよ。俺の音楽も流れるし。ラジオ局は俺の曲を流さなきゃ、ヒット曲だし。ただ、地元のかけ出しのプロデューサーには辛いよ。ニューヨーカーは、他の土地から来た人間は暖かく迎えてくれるけど、なぜか、地元の人間には冷たいんだ。
 まあ、日本やジャマイカでオレがリスペクトされるのと同じ事だ。もちろん、NYでのオレの評判はいいが、もう、オレはここで有名になっているからで、その前は難しかったよ。


●日本でも "Hurricane" が現場で凄く流行ったんだけど、どうやって作ったの?
F:"Headache Pt.1" と "Pt.2" を作ったとき、こういうサウンドを持っていたのはオレ達だけだった。それで、基本的には "Headache" のリズムを変化させて、新しいサウンドを追加したんだ。

●あなたのヴァイブは他のジャマイカンのと違うと思うけど…
F:そうかもしれない。確かに他の奴らのは違うよ。リディムには違ったアイデアを取り入れてる。世界中にリスナーがいるから、ひとつの場所だけにターゲットを絞った音作りはしないんだ。ダンス・ミュージックは真にインターナショナルなものだから。
 世界中の人々が一緒に歌ってくれるような曲作りをしている。ほら、日本人は英語わからないけど、ちゃんとメロディーは歌えるだろ。


●何か新しいプロジェクトは?
F:Mo' Musicとは、また違ったヴァイブの新しいレーベルをスタートさせるんだ。Flabba Musicという名前だよ。ラヴァーズ・ロックで、クールな感じだ。トラックはフィリップ・スマートがやってる。

●どんなアーティストが参加してるの?
F:そうだな、トニー・カーティス、クリストファー、ミスター・ヴェガス、新しいシンガーのキューピッド。
 全8曲でラヴァーズ・ロック・スタイルだ。リラックスできる音楽だよ。だから、オレには2つの側面がある。ダンス・ホールとラヴァーズ・ロック、ホット&クールだ。


●最後に今後の目標を。
F:とにかく、曲作りに励む事、レーベルをより良いものにする事、ジャマイカで自分のディストリビューターを確立する事、そして、自分専用のレコーディング・スタジオを持つ事。そして、自分のアーテイスト達をAクラスのレベルに引き上げる事だな。