2000年12月号
 


Intensified Horn Section Swing Into Action

 Greetings friends,

まず今月は、最近10周年を迎えたUKが誇る本物のスカ、ロック・ステディのリヴァイヴァル・バンド、Intensifiedにオメデトウの言葉を送りたい。この御祝いに彼等は家族、友人等、そして彼等をサポートし続けたファン達を招待、2時間半にも及ぶ、それはそれは素晴らしいショウをセット・アップし、以前のメンバー達も呼んで古い曲から新しい曲まで、多数の作品を披露した(このバンドの凄いところは、彼等が本当にたくさんのオリジナルを所有しているという事である)。同じくパフォームした彼等の新しい女性シンガー、Kathyは相当緊張していた様だが、堂々と何曲かを披露、バンドに新たなテイストを付け加えた。当日はUKを襲っていたオイル・ショックの影響でたくさんのゲストが足を運ぶ事が出来なかったものの、バンドのアルバム・リリースをしている Groverレーベルの故郷ドイツ、そしてベルギーからのファン達は何とかたどり着き、会場は賑わいをみせた。地元のKentサッカー・チームのソーシャル・クラブにて行われたこのショウの模様は全てレコーディングされていたとの事、後にこの記念すべきステージの模様が作品化されてリリースされる可能性は大と言える。実に楽しい夜であった。とにかく素晴らしいバンドである。

UKにベースを置く移民系ジャマイカ人のプロデューサー、Fatis Burrellのルーツ・アーティスト一派の一人としても活躍しているPrince Malachiのニュー・アルバムのリリースが間近である。この原稿を書いている現在、私はMalachiの写真撮影の為のアレンジを組んでいる最中で、撮った写真のうち少なくとも1枚はそのアルバムで使用されるとの事。

もう長い間ロンドンのレゲエとジャズ・シーンの顔として知られるMelvin "Ciyo" Brownが10年ぶりに、彼にとって3枚目となるアルバム、『Ciyo's Acoustic Roots』をリリースした。クリエイティヴなギタリストであるCiyoはここ数年間、Bob Andy, Fashion Crew, Cleveland Watkiss, Courtney Pine等、その他さまざまな大物アーティストとの仕事をこなしてきたそう。2回目のセルフ・リリース・プロジェクトとなるこの作品(一発目は当時のシンガー兼プロデューサー、Tex Johnsonによる「Jazzy Mood For Love」。実に上手く仕上がっている)、George Benson風のイージー・ジャズに軽いカリビアン・テイストが添えられた音が好みであれば、聞いてみる価値アリ。


Ciyo

Adrian Boots, Dave Hendley、その他数人の写真家の作品から構成される、規模の大きなレゲエ写真展に「Reggae Xplosion」が、9月後半、ロンドンのRound-houseにて開催される。今週オープニングに顔を出す予定なので、次号で報告しよう。

ロンドン・シーンの才能溢れるヴェテラン・ミュージシャンであり、多数のAriwaセッションで活躍し、そしてシンガー、Sandra Crossの兄弟でもあったVictor Crossが9月半ば、フランスでミニバスの衝突事故で亡くなった。彼と数人のトップ・ミュージシャン達は、Max Romeoのギグのバック・バンドを務め帰る途中事故に遭った。事故原因は、運転手の居眠り運転との事。冥福を祈る。

John Holtが世界的に有名な、あのRoyal Philharmonic Orchestraと共に10月末、3つのギグを行う事が決定、既にコンファーム済み。このクラシック・ヴォーカリストの最もサクセスフルであったアルバム、『One Thousand Volts Of Holt』にフィーチャーされている音が再現されるとの事。Hammer-smith Apolloにて2晩、もう1晩はBirminghamのInternational Convention Centreにて。25つものアンサンブルとLloyd ParkesのWe The People Bandに加え、ゲストにはFreddie McGregorというラインアップ。正直言ってレゲエ・レコードにストリングスが絡むという事に私は全く興味がないが、それでもこれらのギグは何か特別な事が期待出来そうなので、行ってみるつもりである。

今はもうPalm Picture(Islandの子会社)所属ではなくなったErnest Ranglinが9月、Hackney Empireにて1日のみのギグを行うとの事。

 それではまた次号、Take Care Folks........   [訳/有賀由紀子]