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WORDS OF TRUTH / SIZZLA
[XTERMINATOR / VP /
VPCD-1597]
ある意味バウンティー以上のメッセージ性を持ち、ジャマイカのみならず世界的な注目を集め猛威を振るってきたシズラの新作。当然エクスターミネーター制作。以前よりも内に向けた精神的なハードコア・メッセージが強烈。生音による「Think
Positive」、葉っぱソング「Them No Good」辺りのクオリティの高さは流石。またCDのみ、おまけとしてヒット・チューンを網羅したバーミンガムでのライヴCD付き。[輸入盤](前田和彦)
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FREE JAH'S CURE / JAH CURE
[2000 J&D RECORDS
/ JDLP 0025]
最近じわじわと話題になっているラスタ・シンガー。妙に印象に残るメロディー、と言うより全編サビと言った方がいいのか…。その反面、妙な押し付けがましさはなく、つい聴き込んでしまう。プロデューサー陣は3-2-1Strong、Henfield、Fire
House等々。それぞれ繊細な音作りが成されいて、彼の唄との相性も良いし、統一したカラーも出ている。全体的に渋くまとまった傑作なのではなでしょうか。[輸入盤](鎌田和美)
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WOW...THE
STORY / BABY CHAM
[PLATINUM / AO / PDMH1001-2]
出る前から話題だった彼のアルバムは、CD2枚組という超大作。"The
Begining" と題された方は、 "Show Time" や "Joy Ride"
リディムでのヒット曲や新曲などハードコアなチューンがメイン。もう一枚の "Another Level"
と題された方は、Dave Kelly制作による本格的なヒップホップ、R&Bリディムで、ゲストにFoxy Brown、Bounty
Killerなどを迎えたUSマーケットを意識した作り。いや、本当に傑作。[輸入盤](鎌田和美) |
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HE'S MY GUIDE / AQUA LEVI & THE
ROOTS I MANSION [TRACK
1 / TO.LP002]
昨年リリースしてたはずだったアクア・リーヴァイのニュー・アルバムがやっと登場。日本での知名度は低いが、80年代半ばから現在迄にアルバム3枚とシングルを10枚程リリースしている。歌はなかなかのもので、ルチアーノ風のヴォイスとジュニア・デルガドの唱法を取り入れた様な渋味のあるルーツ・レゲエ。リズムも生演奏から打込み物まで様々。ダブ・ヴァージョンも付いているお得な2枚組アルバム。[輸入盤](長井政一)
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LAMB'S BREAD INTERNATIONAL / SYLFORD
WALKER & WELTON IRIE
[BLOOD & FIRE /
BAFCD-033]
70年代のジャマイカン・ルーツ・レゲエのリヴァイヴァル。歌手のシルフォード・ウォーカーの最も代表的な曲(シングルで出てた曲等)を集めたベスト・コレクション。プロデュースはグレン・ブラウン。バックはバレット兄弟率いるウェイラー・バンド(a.k.a.アップセッターズ)で、強力なリディムが連発。ミックスはキング・タビー。おまけにDJウェルトン・アイリーのトゥスティングも同時に楽しめる。[輸入盤](長井政一)
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ICE ON FIRE / MIGHTY DIAMONDS
[VIRGIN / FL11 7243
8 49920 1 9]
77年、Virgin Front Lineからリリースされたマイティの作品。これはちょっと変わった作品でバックがニューオリンズ・ファンクの代表格、ミーターズで、プロデュースはアラン・トゥーサン。曲はChannel
1で録音してた曲の再演(4曲)とカヴァー曲。特にこの再演の発想は、今普通に使われるリミックスの元祖かも。この作品、結構有名だった割には全く再発されてなかったんですね、嬉しいですね。[輸入盤](鎌田和美)
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TRENCHTOWN MIX UP / GLADITATORS
[VIRGIN / CDFL 10]
76年、ヴァージン傘下のフロント・ラインからリリースされたグラディエーターズの名盤が待望のリイシュー。CD、アナログ共に現在では入手困難なアイテムだったので探してた方も多いハズ。ボブ・マーリィの影響を強く感じさせるアルバート・グリフィスのヴォーカルとタフでストロングなリディムが魅力の骨太ルーツ・ロック・アルバム。70年代半ばのレゲエが持つヒリヒリとした緊張感が全編にみなぎる硬派な1枚。[輸入盤](小池信一)
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THE WORLD SHALL SEE / V.A.
[XTERMINATOR / VP /
VPCD-1595]
なんとも言えないけだるさを感じさせるジャケに嫌な予感をしてしまったりするが、内容はそんなネガな思いを裏切る好内容のエクスターミネーターのコンシャス物ベスト盤。選曲の幅はここ5年といったところか。しかし聞けば聞く程、音の芯の強いエクスターミネーターだけに、時代を感じさせない素晴らしい曲が多い事を実感。ケイプルトン、シズラ、モーガン、ルシアーノ、ココ・ティー等、納得のメンツ。[輸入盤](前田和彦)
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DANCEHALL 101 VOL.1 / V.A.
[VP / VPCD-1592]
80年代〜90年代のダンスホールの名曲、ヒット曲を集めたVPレーベルの新企画“Dancehall
101”。これからダンスホール聴いてみたいって人から、セレクターをしている人迄、十分楽しめて、勉強になる収録内容です。リリースされた年がクレジットされていないのが少し残念だけど、探していたあの曲も見つかるかも? 全14曲覚えればコノ娘も微笑んでくれるでしょう。CDはAdonaiのMix
CDがもう1枚。[輸入盤](坪木良典)
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DANCEHALL 101 VOL.2 / V.A. [VP / VPCD-1593]
前述と同様、VPの素晴らしい新企画のパート2。パート1同様に、現在でもダンスやラジオでプレイされている名曲、ヒット曲をギッシリ収録(全14曲、CDはボーナスCD付)されてるので、ダンスホール・ファンには充実の内容です。ジャケの先生も見ての通り、我を忘れて乱れておりますし…。そんなダンスホールの魅力にヤラレたい人は、今後このシリーズを要チェックする事をオススメいたします。[輸入盤](坪木良典)
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ROOTS REGGAE ESSENCIAL / V.A.
[HIP-O RECORDS / 314541-455-2]
レーベルやプロデューサーにこだわらず、純粋に名曲ばかりをセレクトした70'sルーツのお買得コンピ。ウェイラーズの「ゲット・アップ、スタンド・アップ」を筆頭にアビシニアンズの「サタ・マサガナ」、バーニング・スピアの「マーカス・ガーヴェイ」…ルーツ・レゲエ・ファンなら誰でも知っている超有名曲ばかりを全20曲。これからルーツ・レゲエを聴いてみたいなんて方には入門編としてピッタリ。[輸入盤](小池信一)
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キング・ジャミー・ミーツ・ドライ&ヘビー・イン・ザ・ジョーズ・オブ・ザ・タイガー/ドライ&ヘビー
[ビートレコード/BRC-30]
『Full Contact』が予想以上にブレイクしてしまったドラヘビが何と、ダブ・マスターの一番弟子、キング・ジャミーを引っ張り出してしまった。だが、現在に於いてこれ程までにルーツ・レゲエのサウンドに拘り続ける彼らがやるなら誰も文句は言わないだろう。本作は前述の作品と前作『One
Punch』の楽曲にジャミー自らが手を加えた正真正銘のDUB盤。ジャミーも彼らの存在に驚いたのか、往年の技をふんだんに披露。(大場俊明)
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ダ・フィーリン/アレステッド・ディヴェロップメント
[東芝EMI / TOCP-65493]
スピーチ名義の作品も当然素晴らしかったが、やはりA.D.の登場が余りにも鮮烈だっただけに再結成は嬉しい。さすがに以前の様なフォーキーかつブルージーな雰囲気やハッとする様な張り詰めた緊張感は幾ばくか後退したが、逆にパーティ気分の曲やクールな曲が増え、それはそれで彼等の魅力を十分引き出しているし、完成度も高い。早くも12月には次のアルバムを出すという。こちらも楽しみだ。(大場俊明) |
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ヘイ・キャンディ/キャンディ [ソニー/SRCS-2320]
元エクスケイプというよりは「No Scrubs」や「Bills, Bills,
Bills」の作者とした方が、通りは良いだろう。ソロ・デビューとなる本作では、共にイマドキのR&Bのトレンドを設定してきたシェイクスピアと再度がっちり組んできた。サウンド的には、上記曲タイプのアップもあれば、途中でベース風に転調する最近の流行りも導入されるが、彼女のヴォーカルはしっとりと濡れていて、どの楽曲も大人な仕上がりに。(石澤伸行)
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ハウ・ロング/LV[ソニー / SRCS-2235]
クーリオを歌でサポートして「Gangsta's Paradise」を大ヒットさせたのが4年前。でも、あの件はLVにとって回り道ではなかったか。そう思えるほどにこの新作で見せるソウルネスは、ストレートかつ濃密、そしてこの上なく魅力的だ。ボビー・ウォーマック「A
Woman's Got To Have I」をカヴァーする一方で、前作でのGファンク的要素は一掃され、生一本なサウンドが彼のしなやかな喉技を引き立てる。(石澤伸行)
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ア・ニュー・デイ/タミア[イースト・ウェスト/AMCY-7201]
2年振りの新作。これまでに彼女はレコード会社を移籍、デビュー以来継続されたクインシーとのタッグを解き、そしていつの間にやら他人の妻に。環境の劇的な変化に加え、ダラス・オースティンやミッシー・エリオットらのサポートを得てこしらえられたここでの音世界は、相も変わらずヴァラエティに富むが、彼女の歌ぢからはそれらをひとつに束ねている。お姫様の生き様は確実に歌へと反映されているのだ。(石澤伸行)
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ニュー・エイジ・チャネル/ソウル・ラヴァーズ
[リワインド/RWCL-20008]
既に数々のステージと3枚のシングルで、その魅力は御披露目済みの3人組みユニットがアルバム・デビュー。Mahyaのコケティッシュながら深みも兼ね備えたヴォーカルを軸に、フォーキーありハウスありと、音的なイメージは多岐に渡る。アルバム全編が彼ら独特の温もりとピースフルな質感に包まれているが、そんな中でも思いの丈をストレートに表したと思われる「このままで」の熱には耳を奪われた。(石澤伸行)
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モザイク/LSK[エピッック / ESCA-8186]
フロムUKのニュー・カマー。一聴して素晴らしいメロディー・メーカーであることが伝わってくる。まず歌そのものを大切にしたニュー・ソウル・テイストを根底に持ちながら、レゲエやヒップホップなどの要素もセンス良くブレンドする音楽性から、ジャミロクァイ等とも比較されがちという。それ以上にロックな部分もバランスを崩さず取り入れたLSKの音楽は更に多くのリスナーの指示を得るであろう。(高橋晋一郎)
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イン・ザ・モード/ロニ・サイズ・レプレザント
[UNIVERSAL / UICR-1005]
ロニ・サイズ・イズ・バックということで、正に伝説となったアクト、リプラゼントが待望のセカンドをリリース。ドラムンベースのフォーマットを書き換え、超絶のライヴ・パフォーマンスを行った前作が素晴らし過ぎただけに、その衝撃度はファーストを越えられなかった様に思う。しかしながら、ロニならではもポップな実験性は健在で、極論を言えばよりベテランになったクリエイターの姿が現れている。(高橋晋一郎)
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SOMA/ブレス・マーク[フレイヴァー / FVCC-80120]
日本人離れした独特のヴォーカリストでもあり、コンポーザーでもある二羽高次のソロ・プロジェクトが、1年4ヶ月ぶりとなるセカンド・アルバムを完成させた。リトル・テンポのTico等をゲストに迎え、ドライ&ヘビーの内田直之をエンジニアとした本作は、より洗練されたトーキョー・ダブの匂いが嫌味無く全体を包み、大陸的な広がりを見せるだけでなく、繊細に感情を表現することに成功している。(高橋晋一郎)
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千嘉千涙/ケムリ[ロードランナー・ジャパン / RRCA11008]
日本のスカ・パンクといったジャンルがこれ程迄に浸透した要因として、彼らの出現は余りにも重要過ぎるのは誰もが知っている。終わり無きツアーで培った鉄壁な演奏、圧倒されるがポップ極まりないパフォーマンス、筋が通りまくったリリックス…全てバンド哲学であるP.M.A.に実に忠実であるが故に為し得えた事だろう。ただ彼らは決してその型を完成しようとしただけでは無かったというのが十分過ぎる程分る快作。(大場俊明)
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ベスト/モンド・グロッソ[フォーライフ / FLCF-3797]
現在も尚、日本のクラブ・ミュージックを牽引し続ける大沢伸一率いるモンド・グロッソの、タイトル通りフォーライフ時代の音源をまとめたベスト盤。つまり93〜97年という日本のクラブ文化が成熟しつつある時代の音楽があらゆる形で詰まっている。今やクラブでは当たり前となっているジャズ、ラテン、レア・グルーヴといったこれらのリズムをこれ程まで消化し、提示したグループは他にあっただろうか。(大場俊明)
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イオノスフェリック・コール/コウジ・ウエノ・トリオ
[スパーブ / SUPCD-1202]
ニュー・ウェイヴ期より、日本の音楽シーンに実験性を持ち込んだ音楽家、上野耕路によるピアノ・トリオ(ベースには元ミュート・ビートの松永孝義)。現在、彼はセロニアス・モンクにどっぷりな様で、このユニットは正にその為に結成されたものだろう(ジャズ・ピアニストを目指したが挫折したそうだ)。だがそこは上野耕路、かなり突拍子もないリズムやフレーズが次々に飛び出す。(大場俊明)
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2000ブラック・プレゼンツ・ザ・グッド・グッド/V.A.
[ソニー / AICT-153]
4ヒーローのディーゴがリインフォーストよりも更にパーソナルな音楽性を反映させるレーベルとして始動させた2000ブラックの初のコンピレーション。敬愛するロイ・エアーズとレーベル名ともなったロイ自身の楽曲「2000
Black」をカヴァーしてみせたり、右腕のセイジや日本人アーティストのクニサラの作品も収録され、ニュー・エラなブレイクビーツが満載。フリー・フォームこそ可能性の塊であることの証明作。(高橋晋一郎)
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