2000年8月号
 


Mikey General

 Greetings friends,
●今月は周辺がいつもより活気ついているが、その話題の中心となっているのがBrightonのStanmer Parkにて完全復活する 『Essential Music Festival』である。7月に開催されるのにも拘わらず公式発表が遅く、諸君がこれを読む頃にもう終わってしまっているかもしれないのが残念である。「Roots Arena」に出演が決定しているのは、Morgan Heritage and LMS, Luciano, Mikey General, Sugar Minott, Freddie McGregor, Levi Roots, Peter Hunnigale, Ijahman Levi, Ruff Cutt Band、そしてThe Twinkle Brothers。「Marcus Garvey Arena」はホストにLee Perry を迎え、Horace Andy, Zion Train, Mad Professor and Scientist が出演。「Touch Arena」のラインアップは、James Brown, Gabrielle, Angie Stone, Lynden David-Hall, Jamelia 等。"Fine And Funky Family Feel" をモットーとする今年最大級のイヴェント、もちろん私も自分のクルーと連なって足を運ぶつもりである。期待通りであったかそうでなかったか、感想は追って報告するとしよう。


●パワーアップしたとされる2トーン・バンド、Selectorを迎え、地元のクラブで行われるはずだったギグを今月のコラムでリポートしようと思っていたのだが、当日最後の最後で延期という事になってしまった。次回はスケジュール上行けるかどうかがわからなくなってしまったので、ガッカリである。オリジナルのシンガー、Pauline Black を筆頭にカムバックを果たした彼等、今後の活動に期待したい。


●Trinityによる素晴らしきアルバム『Shanty Town Determination』をリリースしたばかりのBlood & Fire だが、今度の彼等の新作は Bunny Lee のコレクションより引っ張ってきたLinval Thompsonの『Ride On Dreadlocks 1975-77』である。Blood & Fireの数々の作品同様、今回も音楽自体よりそのネタの古さに魅力を感じる私だが、そうは言ってもこれはちょっと考えもの。初めから退屈なチューンばかりを11曲、ディスコミックスに仕上げたこの作品、はっきり言って私は苦手である。Thompson に至っては後に彼自身がプロデュースを手掛けた Freddie McGregor, Viceroys, Barrington Levy等の作品の方が遥かに優れている。


Revi Roots


●1988年、Trojanの為にLee PerryがMisty-In-Rootsのメンバーを迎えてレコーディングを行ない、それ以来何故か行方不明となっていたアルバムがこの度、業界の注目を受け、ついに日の目を見る事となった。今やPerryはメジャー・アーティストとして認識されているので最近出たDavid Katzの大々的な記事をきっかけに、このアルバムのリリース日前日には、ほとんどの出版メディアがPerryのインタビューを試みた。こんな調子でここ1、2週間は普段なら絶対ありえないところでThe Upsettersの写真を発見したりと、メディアでの露出は凄かったと言える。しかし残念ながら、このアルバムはPerryが過去20年間に及びレコーディングを行った他の作品と比べ、全く変り映えしないという事実は否めなく、加えて今回の平凡でありがちなトラックの使用も賞賛できたものではない。Perryにはこれより優れた作品がいっぱいあるのだが…。


●レゲエ界の数々の有名人達を対象にエッセイ/伝記本を執筆しようと思い立ってからおよそ2年、私の良き友人で作家でもある Penny Reelはようやくその本を完成させたが、最初のコンセプトとはかなり程遠い仕上がりとなったようである。Cultureやその他数名について少々書いた後、Dennis Brownに取りかかったReelは、その筆が止まらなくなってしまったとの事。結局彼はDennis Brownの長編に力を入れる事を決意、去年そのDennisが亡くなったという事もあり、この本は完全に Dennis Brownに焦点が置かれる事となった。完成された本のタイトルは「Deep Down With Dennis Brown」、温か味と愛が感じられる作品である。プライベートで精神的に辛い環境に立たされていたにも関わらず、Penny はレイアウトとデザインの全てを自ら手掛け、またクオリティーの高いイラストレーションの数々は素晴らしく色鮮やかであり、彼が自分の全力を尽くした結果が伺える。この本はDennis Brownの国際的なヒット曲「Money In My Pocket」に至るまでの2年間にスポットを当て、当時のロンドンのレゲエ・シーンを個人の目から的確に捕らえ見事に再現している。似たようなレゲエ本はいくつか存在するが、これはとにかくお薦めである。まだこちらでしか発売されていないが、近日中にウェブサイトとメール・オーダーのアドレスが発表されるとの事。詳細が分り次第、ここで報告するのでお楽しみに!
 それではまた次号。Take care.
                            [訳/有賀由紀子]