 |
MORE FIRE / CAPLETON
[VP / VPRL-1587]
顔面どアップの迫力ジャケットで登場した“炎の男”、Capletonのニュー・アルバム。デビュー当時は下ネタバリバリの彼が、今や誰もが認めるラスタマン。一人の人間をここまで変えさせるレゲエの力は本当に凄い。1曲目から得意の演説で始まり、その後はダンス・ファンにはお馴染みのヒット曲の嵐(収録曲は全て大ヒットしたもの)。その炎の勢いは凄いが、個人的には未発表曲が少ないのが残念。[輸入盤](坪木良典)
|
 |
LIVE / MORGAN HERITAGE
[VP / VPRL-1577]
ベルギーのブリュッセルでの実況盤は、出来過ぎってくらい良く出来ている。ナンヤビンギの曲で始まり、その後はベスト盤的構成。観客とのコ−ル&レスポンス、父親のデンロイ・モーガンの語り、そして大ヒット曲「Don't
Haffi Dread」で締め、と全てが完璧。さすが家族ってことなのか、まるで10年、いや20年以上いっしょに演り続けているロック・バンドの様な一体感と余裕を感じる。来日公演前に必聴。[輸入盤](鎌田和美)
|
 |
RIDE ON DREADLOCKS 1975-77 / LINVAL
THOMPSON [BLOOD &
FIRE / BAFCD-032]
シンガーとしてリリースした作品、プロデューサーとして手掛けた作品、どちらもガンジャの臭いがプンプンと立ち込めてくる様な世界を作る彼の75〜77年のシングル集で、全曲ロング・ヴァージョン。土臭く、キナ臭い様な乾いた質感の音、遠い所へ飛ばされそうなダブ処理、深い深い音空間を泳ぎ回る切なげな声が緊張感と危険なムードを高めてくれる。レゲエのヤバさが目一杯詰まった一枚。[輸入盤](鎌田和美)
|
 |
ROCKERS TIME NOW / JOHNNY CLARK
[JACKPOT / BSILP-58]
'76年当時、UK盤オンリーでリリースされていたルーツ・シンガー、ジョニー・クラークのアルバムの復刻盤。プロデュースは彼の多くの作品を残したバニー・リー。既に再発されている他のアルバムと重複している曲も幾つかあるが、本作は当時の
"Virgin" が発売してたもので、このアルバムでしか聴けないチューンも入ってます。「It's Green
& Gold」「Let's Give Jah」「Stop The Tribal War」等も収録。[輸入盤](長井政一)
|
 |
STEP UP IT YOUTHMAN / BARRY BROWN
[JACKPOT / BSILP-60]
'76年頃のジャマイカン・ルーツ・レゲエの復刻盤。レボリューショナリーズのリディムをバックに切々と歌い上げる彼は、前出のジョニー・クラークと同時期に活躍。数多くのシングル、アルバムをリリースしている。その中でも最も脂の乗ったバニー・リー時代に録音したものだ。今ではこの様なスタイルのシンガーは殆ど存在しない為に復刻盤といえども新鮮に聞こえる。ミックスはタビーズ・スタジオ。[輸入盤](長井政一)
|
 |
DUB FI JUNJO / ROOTS RADICS
[2000 WALBOOMERS RECORDS
/ WBLP01]
99年、ロンドンで他界したジャマイカ・レゲエ界の名プロデューサー、ヘンリー“ジョンジョ”ローズ追悼アルバム。今から20年程昔のレゲエ・シーンを数年に渡ってリードしてきたジュンジョ・サウンド。本作はココ・ティ、イエローマン、テナー・ソウ、バーリントン・リーヴァイ等のリット・リディムをダブ処理したもの。演奏はオリジナル・ワンドロップ・スタイルのルーツ・ラディックスだ。[輸入盤](長井政一)
|
 |
REGGAE GOLD 2000 / V.A.
[VP / VPRL-1599]
「1993」からスタートしたこのシリーズも、あっという間に「2000」。毎年、内容・ジャケット共に楽しませてくれて、本当に素晴らしい企画です。今回も人気の歌モノからDJモノまで程よく収録されていて、初心者から上級者まで楽しめる内容です。注目はVegas
& Sean Paulの「Hot Gal Today」のリミックス。これがNYで大流行らしいです。CDの方は限定2枚組で、Adonaiのスタジオ・ライヴ付き。[輸入盤](坪木良典)
|
 |
アート・アンド・ライフ/ビーニ・マン
[東芝EMI/VJCP68213]
前々号で何処よりも早くリポートしたビーニーにヴァージン移籍第一弾がようやくリリース。ワイクリフも出演したPVが評判のシングル曲「Love
Me Now」の他、「The Bug」リディムから、US R&B/ヒップホップ・シーンの新勢力=ネプチューンズやご存知サラーム・レミ作のトラックまでがアルバムの中で見事な調和を見せてるのがポイント。つまりビーニーのリディム解釈能力、フロウの柔軟さが抜群ってコト。必聴でしょう。(二木崇)
|
 |
アンシェント・スピリット /パトリス
[エピック / ESCA-8171]
昨年のミシカに続いて、また“驚きの声の持ち主”がJA以外から登場した。独国のクラブ/ジャズ系銘柄として日本でも有名な
"Yo-Mama" が送りだしたのは20才のアフロ・ジャーマン=パトリス。「シズラやケイプルトンも聴く」という彼の手法はアコースティックな手触りを重要視した良質のレゲエ/ソウル・ミュージック。そしてその声の塩辛さと表現力は驚嘆に値する。古典オケも彼の手にかかればこの通り!
まずは試聴を。(二木崇)
|
 |
ミシカ・イン・ダブ/ミシカ VS ザ・マッド・プロフェッサー[エピック/SRCS-2285]
昨年ここ日本でも主要FM局でヘヴィ・ローテ入りを果たし、一般ファンも多く取り込んだ天才シンガーの1stダブ盤。所属先の
"クリエイション" はUKロック専科ながらプライマル・スクリームのダブをシャーウッドが、ブー・ラドリーズをパブロが、という感じでダブにも理解あるところを示してきたが、今回はマッド教授という最高の人選。名曲「Give
You〜」以下、ツボを得たダブワイズの嵐で快楽指数1000%保証。(二木崇)
|
 |
フル・オブ・デタミネーション/デタミネーションズ
[OVERHEAT]
早くも話題フットウ中“大阪発ホットでクールな10年選手×9人”のスカ・バンド=デタミの新作3rd。もうコレは掛け値ナシに素晴らしい!と言うしかない。絶妙な“間”の活きたリズム隊とホーン、印象的なギター・リフ、ココロ弾むメロディ、そして十二分にソウルフルで時にブルージーなヴォーカル…この音に浸ってると本当に仕事する気がなくなるから困る。「Baby
Why」のトロケ具合いも格別! 正にFantastic!なAuthentic Ska Album。(二木崇)
|
 |
バッド・スカ/クール・ワイズ・メン
[クールスモーク/PX-047]
地道にライヴ活動を続けるCWMの待望のファースト・アルバム。以前リリースしたシングル2枚に比べてもぐっと演奏力も構成力もアップ。キッズが喜びそうな瞬発力で勝負するキラーなものから、雑食性剥き出しの曲までヴァラエティに富んでいるが、どの曲もきっちりCWMならではの個性を出し切っている。「夏の恋」「Big
Bongo」「What A Feeling」といった既発曲もニュー・アレンジで登場。(大場俊明)
|
 |
ドラゴン・レディ〜龍的淑女/シスター・カヤ
[シストレン/GST-CD004]
タイトルがあまりにそのまんまなんでつい笑ってしまった(失礼)が、シストレン・レーベルを中心に日本の女性レゲエ・シーンを牽引する彼女の初アルバム。上代学やOTO、DJ
Tonk等、彼女が信頼を寄せる日本のミュージシャン達に加え、単身ジャマイカ、NYに乗り込み、スライ&ロビーやドンG等、海外勢も後押し。異色はPapa
U-Gee&キエるマキュウとの真っ向勝負曲。しっかりタメを張っているところは流石。(大場俊明)
|
 |
ブルー・フレイム・ダブVOL.1/V.A.
[SF レコーディング / SFR-001]
大阪のソウル・ファイヤーが中心となって制作された関西勢(1組ブリストル)によるダブ・コンピ。まずこれだけのメンツ(11組)が関西でダブを核とした音楽を制作していたことに驚いた。唯一知っていたソウル・ファイヤーやサンサンズは前評判通りの素晴らしい出来だし、他のメンツもレゲエ、テクノ、ブレイクビーツと畑は様々の様だが、どれも上っ面の音響美だけ追及したダブ・サウンドではないのは確か。(大場俊明)
|
 |
エモーショナル/カール・トーマス
[BMG / BVCA-21071]
先行シングル「I Wish」の大ブレイクは、個人的にも「このシーンもまだまだ捨てたもんじゃない」と思わせるに充分な嬉しい出来事だった。バッド・ボーイ発ながら、これといった派手な装飾も施されていない、良い曲と良い歌だけでまじめに勝負してきた者の勝利の瞬間。そこで得た自信のようなものが、このアルバムの穏やかな曲群にも確実に漲っている。パフィ恐るべし、を再度刷り込む作品とも言えそうだ。(石澤伸行)
|
 |
ザ・セカンド・カミング/TQ
[エピック / ESCA-8155]
シングル「Westside」の世界規模ヒットから約2年。セルフ・プロデュースで臨んだこの新作では、前作を覆っていた西海岸もの特有のいなたさが後退し、爽やかで風通しの良いサウンドが並ぶ。「フロウ」と呼ぶにふさわしかった歌唱法も、熱く迫るようなスタイルへと路線変更の跡が見えるが、リリックが描く世界は、相変わらず目を覆いたくなるようなハスラー・ライフ。この演歌的様式美こそが彼の芸の肝だ。(石澤伸行)
|
 |
ステッピン・アウト/クレオパトラ
[ワーナー / WPCR-10740]
この小さな女王さま3人が英国から飛び出して早2年。この間、TVドラマの主役をこなし、ローマ法王の前でのパフォームを経験した彼女たちが新作を発表する。ジャム&ルイス、ダリル・シモンズらの起用で、次なる標的アメリカへの挑戦を宣言する一方で、カットファザー&ジョーらによる脇固めも忘れない。そんな中、ヴァリエーション溢れる楽曲を束ねているのは、彼女たちのヴォーカルだ。元気が一番!(石澤伸行)
|
 |
ミラー・ミラー/ケリー・プライス
[エイベックス / ACCZ-95154]
何ともダイナマイトな2作目。ウォーレン・キャンベルによるカジュアルなゴスペル趣味は、ケリーの確かな基盤を感じさせる歌を伴ってこれまでになく黒光りし、スロウ中心で固められた楽曲群も、彼女のヴォーカルののスウィートかつスピリチュアルな魅力を存分に活かしている。「As
We Lay」のカヴァー、ジェラルド&K-Ciの炎のデュエットによる二股物語や実子も登場の子守唄が収録される等、楽しい仕掛けも満載。(石澤伸行)
|
 |
素晴らしい偶然を求めて/ヤン富田[P-ヴァイン/ASL-5809]
1993年の4月11日と12日にパルコ・シアターで行われたライヴ盤が遂にお目見え。当初関係者オンリーで300枚限定プレスされた本作は、ここ数年まさに〈幻の一枚〉とされてきたものながら2000年の今プレイしても、未だ新鮮そのもの。まさに“フレッシュとはこういうこと”というようなお手本のような一枚。ユーモアたっぷりの「Heart
Beat」もカップリングされるということで即買い決定の踏み絵的なアルバム。(高橋晋一郎)
|
 |
ダブ・リロード/ELI + HIROSHI
[クルーエル / KYTHMAK051DRX]
去年から今年にかけて店頭をカラフルに彩ったEli + Hiroshiの12"アナログ盤シリーズのCD化。藤原ヒロシによる血管の隅々まで行き渡る様なサウンドと愛と魂が零れそうなエリの声の相性は抜群。更にK.U.D.O、DJハーヴィー、瀧見憲司、リトル・テンポ、大沢伸一、DJマイロ等によるリミックスはどれもスピリチュアルで完成度の高いものばかり。初回分のみ(Sun
Is Mellow Like A)Tangerineのビデオ・クリップ付き。(大場俊明)
|
 |
オン・ア・トリップ/福富幸宏
[カッティングエッジ/CTCR-14158]
クリエイター、DJとして活動中の福富幸広の最新フル・アルバムが発表された。『On
A Trip』と題されたタイトル通り心地良いリズムが全編を流れるまさしくサウンド・ジャーニーな一枚。前作『Brazillia
2000』で聴かせた福富流ブラジリアン・ビートは今回も健在。加えてフランキー・ナックルズ的なシルキー・タッチのサウンド・プロダクションが絶妙に冴え、ジャパニーズ・クリエイターのセンスの細かさを実感させられる。(高橋晋一郎)
|
 |
シャドウ・オブ・ジ・アース/カーム
[ラストラム・コーポレーション / LACD-0030]
俄然注目を集める気鋭の日本人アーティスト、カームの最新リリースはファースト・アルバムに未発表音源と未だ血眼で探す人も多いデビュー・シングルをコンパイルしたファン涙の一枚。彼独特の哀愁感やスピリチュアル・センスはクラブ・ミュージックの洗礼を受けた今の日本のリスナーにジャストに迫る。彼がクリエイトするこの感覚は、さしずめブラジルにおけるサウダージなニュアンスの2000年トーキョー・ヴァージョンなのだろう。(高橋晋一郎)
|
 |
ストーン・ジェネレーション/ブラスト・ヘッド
[ソニック・プレート / SONIC-015]
死ぬ直前のコルトレーンの作品ノ様なイントロで意表を突かれたエレクトロ界の真のアンダーグラウンド・トリオ、ブラスト・ヘッドのセカンド。例えばChari
Chariの様な音職人が感覚的に紡ぎ出しながらも素晴らしいサウンドをクリエイトするのに似ていて、彼らのサウンドも展開が激しくキテレツながら、作品の流れは美しく聴こえてしまうのが不思議。初回盤のみライヴCD付きで、これも圧巻。(大場俊明)
|
 |
もっと…/ミス・マンデー[イドレコーズ / TFCK-87804]
全国的に行われたコンテストで見事栄冠を勝ち取ったミス・マンデーのデビュー作。もともとダンサーでナーキのバックも務めていたとか。本作はイントロマンとしてYo
Yo-Cをフィーチャーしたダイアナ・キング系のアッパーなレゲエ・チューン「もっと…」やDJ OsshyやMr. Party
MastaをフィーチャーしたR&B〜ヒップホップテイストな曲等を収録した名刺代わりの一枚。声のキャラが強いので今後が楽しみ。(大場俊明)
|