2000年5月号
 


Little Roy & Max Romeo

Greetings friends!
先月号で「Max Romeo, Little Roy, The Twinkle Broyhersのショウを観に行く」と締めくくったので、まずはその報告から。とにかく久々に「素晴らしい」と言えるショウであった。多才多芸のDanny Amharicがマイクを務めたThe Amharics Bandの演奏に始まり、その他の出演者も文句ナシのパフォーマンスを見せてくれた。本当に誰が一番良かったか、という事を判断するのは難儀であったが、私個人としては、Little Royがベストであったと思う。その全てを限られた時間のステージに注ぎ込んだ彼は、最新アルバムからの新曲でさえも、まるでずっと昔から知っていて愛して止まないクラシック・チューンの如く聞かせ、Amharics Bandがその魅力を煽るかの様なヴィンテージ感溢れる演奏を見事に務めた。まさにファースト・クラスのアクトである。Little Royの次に出て来たThe Twinkle Brothersを観るのは十数年ぶりであったが、これもまた素晴らしかった。Norman Grantと彼の実の兄弟であるRalstonは喝采の中、「Since I Throw The Comb Away」「Never Get Burn」「Jahoviah」等を含む一連のヒット・チューンを、レコードに勝るとも劣らない演奏で披露した。最近のアルバムからの曲はそれ以上に盛り上がる事は無かったが、それでも上出来のステージであった。Max Romeoも最高で、私を含む観客全員が熱望していた数々の愛すべきチューンを惜しみなく披露してくれて、まだまだ彼の素晴らしいヴォーカルが健在である事を証明してみせた。プロモーター/演奏者のRonnie Lionに祝福を捧げたい。Wicked Show !!!

私と仲良しのLittle Tempoが Avexからリリースされる次の作品のレコーディングの為、2月に又々ロンドンにあるSparkside StudioのEatonとHenryのもとへ訪れていた。彼等が得意とする、様々なスタイルをブレンドするテクニックや他には見ないアレンジ等、今回も興味を示さずにはいられない。こちらでは2曲にゲスト・ヴォーカルを招いてヴォイシングを行った。うち一曲には70年代のディスコ・ディーバであり、うっとりする声で聞く者を魅了するLinda Lewisを起用、もう一曲には3人のシンガー、1人のDJから成り立つ若者4人組、Funky Fourが参加。こんなに良い素材であるにもかかわらず、イギリスの一般市民は可哀想にこの作品を聴くチャンスに恵まれないのである。でもそんなに遠くない将来、Little TempoがBig Tempoとなり、世界中でその独特な音楽を耳にする日が訪れる事であろう。

猛烈に多忙なドイツのGrover Recordsより、また最新リリース作品が送られて来た。彼等Grover Recordsは間違い無く、イギリス以外のヨーロッパ地区で最も活発に活動しているインディペンデント・レーベルであろう。今回の内容は、これでもう3作目となる60年代のヒット集(by Laurel Aitken)や人気の高いHot Knivesの最新作、その他諸々。Groverの連絡先はもうご存知であろう。

ここイギリスでお馴染みの「Weekly Echoes」紙がなくなってしまった。はっきり言って浅はかとしか言いようがないオリジナル・マネージメント・チームによる長年の運営がまずかった様で、経営困難により99年年末、ついに廃刊となった。しかし廃刊したという大々的な発表は無く、その変わりに「Echoes」という雑誌媒体で、今年の2月から月2回のペースで創刊される事となり、オリジナルの会社はとりあえず一掃整理という形になった。しかし外見は変わっても基本的に中身はそのまま、これからまだまだ改良すべき点が山盛りである。
 それではまた次号。
Take Care.            [訳/有賀由紀子]