![]() ●シストレンを立ち上げた動機は? シスター・カヤ(以下K):やっぱり「Woman Wi Name」(Time Machine & Cherry Bomb主宰の女性アーティスト・イヴェント)の第一回目まで遡るんです。その時にダンスホールの人達とリンク・アップして気付いたんですが、彼女達のパワフルな行動力の素晴らしさと音楽への情熱を凄く感じて、自分も何かレゲエ・シーンに対してアクションを起こしたくなって。その後色々な人と仕事をしながらもっといいもの、もっといいものって欲が出てきて。それで「誰と組んでやれば巧くいくだろう」という考え方よりも「自分で何が出来るだろう」っていう発想になって。それで『いろいろないろ』というアルバムに繋がったんです。その後『いろいろないろ』の2枚目を作ってたんですけどレコード会社のゴタゴタがあって世に出せなかったんですよ。それを何としても出したいという想いで自分でレーベルを始めたんです。その頃からクィーン・ラティファとかミッシー・エリオットとかのヒップホップの人達のやり方って凄く面白いなって思ってたんですね。彼女等って歌だけじゃなくてレーベル経営とか若手育てたりとかサウンド・プロデュースとか何でもやっちゃうじゃないですか。そうした自主的な態度っていうのが自分に合ってるのかなって。まあ何でも自分で解ってないと気が済まない性質なんで(笑)。音楽的には自分が色々な音楽を辿ってレゲエに辿り着いた人間だから、自分にしか出来ないスタイルのクロスオーヴァーな物をやっていこうかなって。 ●女性にこだわる訳は? K:単にいっしょにやっていく時に女性の方がやり易かったってのもあるし、普段聴くのも女性アーティストの物が多かったから。あとミーシャ出現前のクラブ・ミュージック・シーンって女性アーティストはマイノリティだったってのもあったし。それが今音楽の中心がR&Bでしょ。それでふとそっちに目を向けたら巧い人がゴロゴロしてて、いい意味で刺激を受けたんですよね。レゲエは自分にとって大きな柱みたいなもの。一番大切なのはその精神性で、音楽的には常に時代を見据えたもの、ミクスチャーなものでありたいと。そもそもレゲエってそういう音楽だったと思うし。Joyやキーコにしてもレゲエの人ではないけど、レゲエに影響受けてたり馴染むヴァイブスの人なんで、そういう人ならいっしょにやっていけるかなって。 ●でもレーベル第一弾のシングル、キーコの「Spiral Squall」はオリジナルではなく、チョーゼン・リーが参加したレゲエ・ミックスの方が北海道のノース・ウェーヴの番組でベスト1に輝きましたよね。 K:あれはレゲエのレコード屋さんも凄く押してくれてたし、キーコも素材的に逸材だったってのもあるけど、やっぱりリー君の力が大きかったですね。トラックは上代(学)さんに全面的にお願いしてて…それはやっぱり現場でかかって欲しいってのが凄く強くて、彼はその部分で極めた人なので細かい配慮とか現場の空気感に凄く気を使って作るんですよ。勿論、共同作業ですけど、上代さんのリクエストを最大限に活かして作ってます。 ●今度リリースしたJoyについても聞かせて下さい。 K:彼女は丁度1年前にメインディッシュから1枚出してたんです。彼女って一見コワモテだけど凄くいい人で頑張り屋さん、それからいい意味でのB級ぽさがレゲエ的でカッコイイ。シストレンはクロスオーヴァーなレーベルだからR&Bの人もどんどん出そうかなと。ステージではハニー・バッツっていうレゲエ・ダンサーを従えてエッチっぽいですよ(笑)。筋肉モリモリのエグ系、女王様系ですね(笑)。福生育ちだから、そのまんまですね。 ●そろそろ自身のソロ・アルバムを出す頃じゃないですか? K:そうなんですよ、今は自分のアルバムをやってて6月に出します。さっきも言った様に最近ヒップホップの考え方、姿勢に影響を受けてるんで、ストレートなメッセイジのある歌を作っています。シストレン・レーベルだからレゲエに限らずヒップホップもR&Bもやりますよ。OTOさんとも一曲作るんです。もしかしたらラフ・ライダーみたいになっちゃうかも(笑)。それでその次のアイテムはレゲエに拘ったコンピ盤を出そうかなって。シャバ・ランクスの『ラッピング・ウィズ・ザ・レイディーズ』の男女逆版みたいな全曲コンビネイション。スライ&ロビーとかにトラックを作って貰って1リズムに3組位ずつやって貰おうかなと。あと私の所にデモ・テープをいっぱい送ってくれるんですけど、中々お返事が出来ないんです。でもどんな形であれテープを送ってくれた人達とは点と点で繋がってたいから、また成長したらテープを送ってくれたら嬉しいな。 |