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 スポーツではアトランタ・ブレイヴスのピッチ、ジョン・ロッカー選手がスポーツ雑誌でのインタヴューでNYについてのコメントで、マイノリティ、ホモセクシャル、エイズ患者、シングル・マザーに対して侮蔑的な表現をしたとして、ジュリアーニNY市長及び、大統領夫人が、野球界に選手を処罰するべきとコメントした。で、野球界は焦ってロッカーに即、謝らせたんだけど、アメリカ野球も外人に頼る時世、結局マイノリティがファンとかも含めて、でかいサポーターとして存在する事を、このスピーディーな選挙と連動した謝罪が証明した。NY的にはタブロイドが、ロッカーが田舎者で学が無いとコキ下ろし、12月23日一面を飾ったが、一般的にはさほど気にならなかったみたいだ。同じ日にイラブ氏もトレードに出て、ことらは、NY的には同情的だった。少なくともそう感じた!?

●99年のベスト・アルバム
 なんて簡単に言えない位、ヒップホップは得体の知れない巨大なモノになった。NYというごく狭いエリアでさえ、複雑にヒップホップは分布しているダンス・フロアでは、一世風靡したスウィズ・ビーツや、南部のサウンドが独占。ヒップホップ・ピュアリストは辛い年だったのかな? 全米的には、ラフ・ライダーがベストで、個人的にはU―ゴッドかな?

●99年のベストR&B
 普段R&Bについて書く機会がないと言うか、お呼ばれしないのでこのチャンスにちょっと触れてみます。NY的には、キャロン・ウィラーの復活が、期待されたのだが、シングル、しかもプロモのみだった「Star」はダンス・フロアでも受けてました。後半に、ダネル・ジョーンズがグッと来たのですが、TLCやマライア、ミッシー・エリオットが全米的にはベストだった様です。まあもし彼女達がR&Bのカテゴリーに入るならの話ですが?

●99年のベスト・シングル
 全米では、文句無くスポーティ・シーヴスの「No Pigeon」だったのではないでしょうか。それに、ジェイZの「Girls Best Friend」、モブ・ディープの「Quiet Storm Remix」がフォローしたという感じかな。もちろんラフ・ライダーズもアルバムの殆どが、シングルになったという驚異的な現象もありました。個人的には、インスペクター・デックの「Rec Room」、ギャングスターの「Full Clip」なんかが良かったです。しかし、ヒップホップの香りがするモノは減りましたね?

●99年のベスト・ライター
 ライターと言っても、グラフィティ・アーティストの事です。今年はエスポがグラフ解析本「The Art Of Getting Over」を出版、市長ともグラフィティのカドで、法廷沙汰になったり大変な一年でしたね。これは全米でも同意してくれるでしょう?(今月の写真はエスポがワシントン・スクエアで市長を抗議する集会を開いた時の模様)

●99年のベスト・ブレイカー(又はブレイカーズ)
 ヒップホップ的にはブレイク・ダンスも希薄になったと思いきや、アニヴァーサリーや、ロックの殿堂にヒップホップが入ったりで、何かと注目されたNYのもう一つのブレイキング・クルー、NYシティ・ブレイカーズでしょう。しかし、モダン・ダンスのエリアでは、今となってはヒップホップは大きな要素で、今年はフランスのクルーがショウを行うなどブレイキングの地平線は広がっている?

●99年のベストDJ
 バトルは個人的には殆ど見なかったのだが、一般的には、NYではフレックスの独壇場でした。しかしベテラン、レッド・アラートが昼のFMでオールド・スクール・ショウをやるなど、新たな教育の場を持ったのは素晴らしい。個人的にはアンダーグラウンドDJ達をビッグ・アップする意味でMonk 1を上げたい。Monk 1も現在NYのローカルでチェック出来る。もう日本でもテープが出回っていたりして?