Greetings Folks,
●この原稿を書いてる現在、Mr. Vegasの再発「Heads High」とGlamma
Kidの「Why」がナショナル・ポップ・チャートにランクインしており、ケーブルTVの音楽番組、「The Box」にてヘヴィ・ローテーション中である。
●Max Romeoのちょっと風変わりな、そして素晴らしいアルバム『In
This Time』がリリースされた。イタリアにてレコーディング、ミックスされたこのアルバムには地元のアコースティック・グループ、Tribu
Acusticaが共演。最近のジャマイカからの音楽(まあジャマイカだけに限った事ではないが)に欠けている温かみのあるナチュラルなヴァイブにとても好感が持てる。全体的にアフリカ及び南アメリカのテイストが感じられ、Max
Romeoの哀しげなヴォーカルが心地良くはまっている。プロダクション自体も抜群。ダンスホール市場では受けないかもしれないが、それでも聞けば必ず気に入るハズである。
●Jah Maliのニュー・アルバムが間も無くリリースされる。すでにJet
StarがDATを所有しており、A&RのPaul 'Nash' Anthonyによれば、デビュー・アルバムの『El Shaddai』よりも遥かに良い出来なんだそう! この様な話題に関しては、私に冗談が通じない事をPaulは重々承知しているはずなので、恐らく本当なのだろう。しかし私をじらして楽しんでいる様子で、今だCD―Rをくれない。何はともあれ、非常に楽しみである。
●Bobby Digitalよりリリースされた故Garnett Silkのニュー・アルバムも要チェックである。諸君がこのコラムに目を通す頃にはオーバーヒートの仲間が棚に並べていると思うので、すでにこのアルバムを堪能している事であろう。そういえば未だリリースされていないEast\Westからのアルバムは一体どうなったのだろうか?
●つい最近、Linval Thompsonに偶然会った際聞いた話によれば、彼のプロダクションが今までに無い位、繁盛しているそうである。
何やら「Strong Like Samson」と「Six Babylon」をJet Star経由でリリースして以来、リヴァイヴァル市場で大ブレイクしたとの事。ジャマイカで運営されている大規模な再発プログラムの他、リヴァイヴァル・ファンに向けてクラシック45sをリーズナブルな値段で大量放出するなど大忙しである。またLinvalは彼の70年、80年代のリズム・トラックに若い世代のシンガー達の歌を乗せるという計画も進行中との事、期待していよう。
●12月に行われたCapletonのライヴ・ツアーは、彼がメディア関係者への協力を怠ったという事を除けば、まずまずの成功を納めたといって良いであろう。会見が約束されていた当日、Capletonは北ロンドンの会場に姿を現したものの、話す準備もパフォームする準備も出来ていないと発表され、予定されていた「記者会見とライヴ」はキャンセルとなった。今回のツアー、サウンド・システムのダンスでマイクを握るといった内容であったにも関わらず、入場料だけは本格的なライヴ・ショウ並であった。当然、メディア上あまり良い印象を与える事はなかった。
●約束通り、Levi Rootsのクラシック・アルバムが完成。『Shock
Of The Centry』と名付けられたこのアルバム、92年以降のCoxone Outernationalのダンスでのダブを再ミックスしたといった内容で、Eek-A-Mouse,Nicodemus,
Frankie Paul, Supercat, Nitty Gritty等がフィーチャーされている。BrixtonのJubilee
Hallにてレコーディング、LeviのSoundboxレーベルよりリリースの2枚組CDは、ロンドンのサウンド・システムの35周年記念を祝うに相応しい作品である。
●Mike Brooksがヨーロッパで活動している、と数ヶ月前ここに書いたのを覚えているだろうか? 先日、彼が関わったというCDを4枚もらったのでここで紹介しよう。まずJet
StarのCharmから彼自身の新作『They Trying To Conquer』、次いでは TeamsレーベルよりDennis
Alcapone\Jah LloydとJoseph Cotton\Mike Brooksによる『The Good Old Days
Of The 70s' Part 1&Part 2』。最後はフランスのTabouよりリリースされたMike Brooksと
Upsettersによる『Solid Ground』。 "Produced by Lee Perry,Co-produced
by Earl Morgan" と記されているこの一枚は、Heptonesの『Party Time』からのインスト/ダブ・トラックに新しくヴォイシングを乗せた感じの、何とも怪しい作品である。2番目に紹介した『70s』2枚組みCDはその出所が少々気になるものの、両方共なかなかいいチューンが揃っている。兎に角、試しに聞いてみる価値はあるだろう。
●Barry O'Haraプロデュースのデビュー・アルバム、『Militancy』が成功を納め新人であるにもかかわらず多数のファンを獲得した、元Upsettersのヴォーカリスト、Leo
Grahamの息子であるDaweh Congoが最近ここUKを訪れた。CongoはMikey Jah Son(Congoの45'「Fi
Years」のプロデューサー)のもと、Bravoより近日中にニュー・アルバムをリリース予定。
今回はここまで。また次号。 Take Care... [訳/有賀由起子]